連れ添いバトル

なにかと夢さんを指図したがるオバサンだった。
そんな彼女は3年間の闘病を経て他界した。

絆に向かって

2011-12-30 | Weblog
「あれれずいぶん小さいなこれ」オバサンの買ってきた玄関飾りと鏡餅。

それを見て夢さん唖然。やはり自分で行くべきだったか・・・

オバサンは言う「今年はそんな雰囲気じゃないでしょ?気持ちだけでいいのよ」

確かにそうだな・・・・夢さんだって年賀状を自粛した。それがいいかどうかは別にして。

自分の気持と素直に向き合い今年くらいは心静かに年を越したい。オバサンも同じ気持ちなのだろう。

オバサンは朝から大忙し。材料を山ほど買い込みせっせと正月用の餃子作り。子供たちの好物だ。

オバサン自慢の煮物は明日の朝から取り掛かるそうだ。絆に向かってオバサンの奮闘は続く。

それもこれも夢さんに出番はない。邪魔をしないように余計な事は頼まない。自分の事は自分でする。 

メールは楽しいわ!だって

2011-12-28 | 6人の孫
ピッ・・ピッ・・ピッピッ・・・ピッ・・・・ピッピッピッ・・ ピッ・・

さっきから携帯とニラメッコのオバサン。とても話しかけるような雰囲気ではない。

誰にメールしてんだか、たどたどしくて見ちゃいられないがオバサンは真剣そのもの。

パタン「あー終わった疲れるわね」と言いながらもオバサン満足そう。

「2嫁ちゃんによ、きのうのお礼」電話をしても無料なのにわざわざメールとは?

以前はメールなど絶対にやろうとしなかったオバサン。どうしちゃったのかたいした変身ぶりだ。

きっと遠くに住む1孫の影響なんだろうがチャレンジするのはいい事だ。

味をしめたオバサン近頃はしょっちゅう携帯とニラメッコ。うふっ腕を上げたねオバサン。

ボヤっとしてないで

2011-12-26 | Weblog
「はいごちそうさま」朝食後そそくさと立ち上がるオバサン。

「今日から忙しいわ~」食事の間もしきりにそう言っていた。  

「コーヒー飲むんでしょ?」振り返りながらオバサンが聞く。

淹れてもらったコーヒーを飲みながらも、なんとなく落ち着かない夢さん。

両手でいっぱいに広げている新聞にもなんとなく身が入らない、目で追っているだけ。

ドタッドタッドタ洗濯物をいっぱい抱え、オバサンが二階から降りてきた。

正月にはみんな来るしオバサンたいへんだ。しょうがねぇな動くとするか立ち上がる夢さん。

待っていたかのようにオバサンの声「コタツ消したの?」消しましたっ!

今日は予定がない夢さん、ぼんやりと窓の外に目をやる・・階下からは掃除機の音。

値段じゃないのよ

2011-12-24 | 6人の孫
「今日ちょっと行ってくるわね」夕方から二男の家に招待されているオバサン。

招待と言っても、プレゼントを届けるついでに食事でも、と言うことらしい。

プレゼントと言ってもほんのささやか、いつも通りオバサンの気持ちだけの品らしい。

遠くの孫達には送り、近くの孫には届ける。ずっと続けているオバサンの恒例行事。

「おとうさんも行けたらいいのにね?」俺はいいよ。夢さんは所用があって行けない。

孫達の欲しいものとオバサンのあげる品に、ギャップが有るのはオバサンも承知の上。

「いいのよそれで。本当に欲しいものは親が考えればいいの」そりゃそうだ

我儘を言えば何でも欲しいものが手に入る。そんな近年の風潮は良くない。 

かつて日本人は今よりずっと貧しかった。しかしその頃のほうが、皆心豊かで優しかった気がする。


「遅くなるの?」 夢さんが帰る頃には戻ると言うオバサン。「いいよそんな ゆっくりしてきなよ」

見たいミタ

2011-12-21 | 家ごはん
「寒っぶ!」起きぬけの夢さん急いで炬燵にもぐりこむ。朝ドラが始まっちゃうぞ。

「ほんと寒いわね」朝食を運んできたオバサンも寒そう。

ご飯からも味噌汁からも真っ白な湯気が立ち昇る。寒いわけだよ・・・・

今朝は豆腐とワカメの味噌汁。ふ~っと湯気を吹き分ける。うんいつもの味だ。 

シラスに醤油を一滴、熱いご飯の上にのせる。しなびた沢庵がこれまた歯に心地よい。

「いよいよだわね見るんでしょ?」「もちろん見るよ」この辺りは以心伝心の二人。

視聴率トップのドラマは今夜が最終回。オバサンも夢さんもすっかりとりこになっている。

ややこしい理屈は抜きにして面白いものは面白い。時代は変わったナリ。 

クーポン??

2011-12-19 | Weblog
「あらおとうさんどこ行くの?」整髪料を買いに玄関を出掛かった夢さん。

「はい、ポイントカードよ」ポイントカードと一緒に小さな紙切れを渡された。なにこれ??

「クーポンよ今日まで10%引きなの」これをレジに一緒に出せと言うオバサン。

こんなのいいよ「何言ってるの見栄なんか張ってたら駄目よ!」

別に見栄なんか張ってないよ。うるさいんだからったく!

お目当ての品がなかなか見つからない夢さん。結局店員さんに見つけてもらった。

ニコニコと礼を言いレジに向かう。レジは2か所とも若い女性。 

「いらっしゃいませ~ポイントカードはお持ちですか?」ハイハイポケットをまさぐる夢さん。

一瞬迷ったがポイントカードだけを出す。こんなの出せるかよかっこ悪い。

「ねっ割引になったでしょ」得意そうに言うオバサン。そうらしいね・・・わかりゃしないって。  

リポーター

2011-12-18 | オバ友
「〇〇さんね糖尿病があるのよ。それで今度はほら白内障の手術したでしょ」
そんな事俺が知るわけないだろ「ふ~ん」と聞いてるしかない夢さん。

「それに旦那さんも糖尿なの大変よね~」そりゃ大変だろうな・・・
「金曜日はね必ず娘夫婦が子連れで泊りに来るから、やんなっちゃうんだって」

「冬休みになったらずっと泊るんだってよ」ふ~ん共稼ぎだからじゃないのか。
「ちょっと酷いと思わない?」オバサン憤慨している。
    
そんな他人様のこと、あまり外でベラベラ喋らないほうがいいんじゃないのかな。
「喋るわけないでしょ私だってそんなバカじゃないわよ」
 
「おとうさんだから教えてるの」
教えてる???ふ~ん・・・・・ならいいけど・・・・・  

玄関先で身振り手振り、いつも楽しそうに長いこと喋ってるオバサン。
そんな時のオバサン目が生き生きしてるもんね。きっと長生きすると思うよアンタは。

おれだって!

2011-12-15 | オバ友
もう出掛ける時間だろうにオバサン夢さんのお昼を作っている。

そんなに気にしなくていいのに・・・自分でできるよ・・・

「〇〇さんの旦那さんね「あぁ行って来い行って来い」って言うんだって」

俺はラーメンでも食べに行くから気にしなくていいよと言うらしい。

おれだってべつに作ってもらわなくたって自分で何とかなるよ。

だけどさ悪いと思うから言わないし、言ったってオバサン聞かないじゃない。

おれはただオバサンの流れに乗ってるだけだよ。有難いと思ってるけどね。 


ピンポーン玄関のチャイムが鳴った。オバサン友達とランチなんだってさ。

今時ハイカラなんて言わない

2011-12-11 | Weblog
新聞を取って居間にやってきた夢さん。

おっ炬燵も温まってるさすがだなオバサンは。

「おはよう」オバサンが入ってくる。ん?オバサンのいでたちが何時もと違う。

スカートの長いような、足元まである暖かそうなのを着ている。寒いからな。

「ハイカラじゃんそれ」夢さんちょっとドキドキ。「いいでしょう?暖かいわよ」

「いただきま~す」味噌汁をすすり、納豆をかきまぜ何時もの朝飯風景。

「ホホホホ」オバサンが突然笑い出す「ホホホホ」ん??なんだよ?

「だっておとうさん、いまどきハイカラなんて言う人いないわよ」そうかな?

「こんど2孫に聞いてごらんホホホ」ムカッおまえがが聞けば。

いいさ分かんなくたって。オバサンには伝わったんだから・・・なぁ夢さん。

虫がよすぎる

2011-12-10 | 6人の孫
出先から戻った夢さんまず駐車場に目をやりがっかり。自転車も車も止まっていない。

「ただいま~、2孫達は来なかったの?」オバサンに確認してみる。

「来なかったわよ」オバサンあっさりしたものだ。土曜日だってのにな・・・

「そんなにおじいちゃんおじいちゃんなんて来ないわよ」そりゃそうだろうけどさ。

ついこの間までは毎日のように来てたのに最近はとんとお見限りだ。

「大きくなればみんな忙しいのよ」分かってるよとは言いつつもぽっかりと空しい。

「ほら熱いわよ気をつけて」おやつは牛乳とドーナツ「熱っち!」熱すぎるよ。ったく

「あしたは来るかもね?」「知らないわよそんな事」ずいぶん冷たいじゃないか。

夢さんだってオバサンのことは言えないぜ。来れば嬉しいけど2時間がいいとこ。

顔だけ見せたらさっと帰る、これが理想だな。罰当たりな事を考える夢さん。