連れ添いバトル

なにかと夢さんを指図したがるオバサンだった。
そんな彼女は3年間の闘病を経て他界した。

回りまわって

2009-09-30 | 6人の孫
「今月はずいぶん出たわ~」計算機を前に家計簿とにらめっこのオバサン。

そうだろうな新築祝いが大きかったよね。それに孫の誕生日が二人だろう。

「おとうさんも無駄使いをしたら駄目よ」なんだよ俺は別にしてないよ。

だいいち家計には何も迷惑掛けてないだろ?「そりゃそうだけど・・・・」

「来月は七五三が二人よ・・・・」あぁこれまた頭が痛いねオバサン。

こんなのみんな止めちゃえばいいのにな。「そんな事できるわけないでしょ」

「今まで子供達だってずいぶん貰ってるしね」「回りまわってるのよ何でも」  

ネタ仕込み

2009-09-28 | 柴犬・マリ
「お買い物行ってくるわね」オバサンが出掛けたんじゃマリの散歩は夢さんが行くしかないな。

ラジオのイヤホンを耳に押し込み帽子をかぶり鍵も持った。ウ〇チ袋も持ったし準備OK。

ん??玄関先から賑やかなオバちゃん達の声。出掛けたはずなのにオバサンまだ居たのか?

早く行きなよこれじゃ出るに出られない参っちゃうよな。

二階に戻り窓からそっと覗いてみる。やっぱりな話し好きな〇〇さんだ。隣りの奥さんもいる。

しかしオバサンも付き合いがいいよな。何も玄関先で長々喋ってるこたぁないだろうに。

もう駄目だ待ってられない。庭から回って表に出る。「あら~散歩ですか?」

「いいわね~マリちゃん おとうさんと一緒で」大きなお世話だ。仕方なく愛想笑いでごまかす夢さん。

背中にオバチャン達の嬌声が追いかけてくる。聞こえよがしだなからかってるのかよ。

話のネタの仕入れに余念がないオバサン。また見てきたように聞かせるんだろ笑っちゃうよな。
  

帰った・よかった・後始末

2009-09-24 | 6人の孫
「また貼らないと駄目ね」また6孫の仕業か、あいつ指を突っ込むんだよな。

孫たちの帰った後、破かれた障子を前に溜息と苦笑いの夢さんとオバサン。

「はいやるわよ」オバサンが器用に花びらの形に紙を切る。糊と板切れを用意する夢さん。

「しっかり押さえててね」障子の反対側に回った夢さん。貼る部分に板切れを当てて待つ。

糊をつけた花びらをそっと破れ目に添えるオバサン。「はいこっちに来て」

場所をオバサンと交代、慎重に爪楊枝で破れ目を整え、トントントントン指で軽く叩く。

「はいご苦労様」慣れたもんだねオバサン。これでいくつ目だ?孫達が帰る度に増える花びら。
 

わくわく わくわく

2009-09-17 | Weblog
固唾を呑むように テレビの画面に見入っている 夢さんとオバサン 

今すぐに 何をして欲しいとか言う 切実な問題があるわけではないが 胸が躍る様な期待感

この国の何かが変わろうとしている この瞬間を目の当たりにする事が出来た幸せ 嬉しいな

孫たちが大きくなる頃 日本人に生まれて良かった そう思えるような国に変わっていて欲しい

画面が切り替わった  ふーっ 思わず背を伸ばす夢さん オバサンと目を見合わせ ニコッ

「お茶飲もうか?」 食器を山盛りにしたお盆を持って立ち上がるオバサン

流し台から ガチャガチャと食器の触れ合う音 とともにオバサンの声 「何か食べたい?」

運ばれてきた羊羹 いつも夢さんのほうが大きいな  障子を少しだけ開ける 虫の音も今夜は嬉しそう 

凄いだろ?

2009-09-15 | 高齢生活・健康
起きぬけに水を一杯サプリを3粒口に放り込む。今朝も忘れなかったこれは不思議と続いている。

カーテンを開け見上げる空 どんよりと曇っている。まずいなこれは芝刈りがまだ少し残っている。

天気情報を見ると画像に雨雲が掛かっている。やっちゃうしかないな急いで身支度をして階下へ。

おっ早よ!「あら出掛けるの?」オバサンは朝飯の支度に掛かったばかりだ。

昨日の残りをやっちゃうよ「あらこんなに早く?」すぐ終わるよご飯は後でいいから。

こんな事も有ろうかと昨日のうちに残りの段取りはしておいた。抜かりがないね夢さん。

小一時間で掃除片付けまで全て終了。やったね夢さん。大した事ぁないけどさ気分はいいよ。

おっ!ポツリポツリと降ってきた。ほらね「あらほんとね」なんだいそれだけかよ。

別に褒めて欲しかぁないけどさ・・・納豆をかき混ぜながら夢さんちょっとしょんぼり。 

秋モード

2009-09-12 | 高齢生活・健康
「牛乳温めようか?」うんそうだね。朝から雨が降ったり止んだりで気温も低めだ。

出先から戻った夢さん。さすがに冷たい牛乳をゴックンと一気飲みという訳にはいかない。

おかあさんなに飲むの?「あたしは麦茶よ」オバサンもレンジで麦茶を温めた。

「もう水羊羹も終わりだわね」そうだな冷たい爽快感も今日は冷たく感じる。 

ソファーの二人の手元をマリがじっと見詰めている。「やったら駄目よ」 

「マスカットが有るけど食べる?〇〇さんから頂いたのよ」いやいいよ冷たいものはパスだ。

「油断すると風邪を引くわよ」オバサンがカ-ディガンを出してきた季節は完全に秋だ。

遠回り

2009-09-10 | 6人の孫
「見てきたわよちゃんとやってたわ」オバサン小学校の運動会の練習を見てきたそうだ。

2孫(小2)と4孫(小1)姉妹の学校は、何時も歩いている犬の散歩道から近い。

マリの散歩の時間をずらして回ってきたらしい。どうりで帰りが遅いと思ったよ。

「どの子がそうなのか、さっぱり分からなかったわ」そうだろうな見分けがつかないだろ?

孫達が気がつくといけないので、フェンスの外から隠れるようにして見ていたそうだ。

「まだやってると思うわよおとうさんも見てきたら?」いいよそれほど暇じゃないよ。

からりと晴れ上がった青い空。子供たちの元気に跳ね回る姿が目に浮かぶ。

無言でもマリとは以心伝心

2009-09-07 | 柴犬・マリ
なんか元気ないなもっとしっかり歩きなよ。今朝はそんなに暑くないだろ?。「・・・・・」

もう歳です?還暦過ぎましたからって?。何言ってんだよまだまだこれからだよ。 

並んで歩く彼女の背中をしげしげと見る。そう言えば毛の艶が少し悪くなったかな。

「ハァハァ、ハァハァ」舌を出しうつむいて歩く姿は、確かに暑さのせいばかりではなさそうだ。

そうか一緒に暮らし始めてからもう11年か。「早いもんだねマリちゃん?」「・・・・・・・・」

だけどさ、オバサンなんか見てみろ。オマエの何倍も一緒に暮らしてんだぜ。元気過ぎるくらいだ。 

見ててわかるだろ?まだまだ先は長そうだよ。オマエもがんばって長生きしろよな。「・・・・・」
 

健康診断-2、凄腕

2009-09-05 | 高齢生活・健康
何が嫌だって、あの採血でいつも痛い目にあっている夢さん。3人の看護師さんをじっと観察。  

しばらく後ろのほうで見ていた夢さん。いちばん手際の良さそうな看護師さんの所にスッと並ぶ。 

「血管が出にくいみたいで・・・・・・」おずおずとつぶやく夢さん。

「は~い大丈夫ですよ両手を出してみて」ちょっと触っただけで「ここが良さそうね」迷いがないな。

「は~いチクッとしますね~」自信ありそう。おーイッパツで決まった。凄いなこの人は。 

続いて眼底検査。「目をいっぱいに開いて、もっともっといっぱいに」開いてるだろが!

「点滅している所を見て~目を動かさないでそこだけ見て」左の上??どこなんだよ??

やれやれ次は心電図かい。ゴロンと寝かされペタペタペタ。考える暇もあらばこそ。はい終わり~。

ほらほら次はレントゲン。こちらの方もテキパキと。最近は「息を吸って」なんて言わないんだな。  

「はい終わりですよ~」振り返って後ろを見る。ほんと年寄りばかり。これじゃ立ち会うほうも大変だ。

健康診断-1、ご同輩?

2009-09-04 | 高齢生活・健康
「手摺に掴まらないで階段を上がれますかー?」「ひとりでお金の出し入れが出来ますかー?」

腰の曲がった老人に、耳をくっつけるようにして問い掛けている。受付のおネエさんのでかい声。

夢さんの番がきた。「ちゃんと歯で物を噛めますかー?」ムカッ。あったりまえだろが。

そんなに老人に見えるのかい。ニッと口を開いて歯を見せてやる。おネエさんの目が笑った。

市でやっている健康診断。オバサンにきつく言われて、今年も渋々やってきた夢さん。

こんなとこ来るもんじゃないな。まるで年寄り扱いだ。急に老けたようで惨めな気持ちになるぜ。  

ハハハそりゃないだろう夢さん。ひと様から見たらお前さんだってリッパな年寄りだよ。