連れ添いバトル

なにかと夢さんを指図したがるオバサンだった。
そんな彼女は3年間の闘病を経て他界した。

誘われて断った事はない

2005-06-29 | オバ友
仕事は休み。午後から何にもやる事が無くて退屈な夢さん。
オバサンは例によって、友達からの電話で出掛けた。なんだろな、まったく。

電話でさんざん喋った挙句、終わるのかと思ったら「ちょっと待っててね、直ぐ行くから」
誘われて断わった所を見たことが無いってんだから呆れるよな。 

オバサンの場合、暇だから出掛けるという訳ではないらしい。
どんなに忙しそうにしていても、電話があると二つ返事、「うん、いいわよ」だもんな。

誘う方もよほど暇なんだろうけど。いい性格ってのか、都合のいい性格ってのか。
夢さんよ、お前さんよっぽど暇なんだな。そんな細かい事どうだっていいだろよ。

オバサンが居なきゃ寂しいって事もないだろが?あったりまえだ、アホぬかせ!
夢さんだって、随分勝手なことしてるじゃないかよ。

よく考えろよ、オバサンが大目に見てくれてるから、夢さん呑気に構えてられるんじゃないのか?
なんたって「藪を突付いて蛇を出す」ような真似はしない方が無難だぞ。

オバサンに言われたら断れない

2005-06-27 | Weblog
冷蔵庫を開けて冷たいビールを取り出す夢さん。うぉー冷めてぇ!
「あらおとうさん、もう飲むの?」「うん、暑かったからさぁ・・・なんで?」 

「マリの散歩、おとうさん行ってくれないかしら?」エェー、今帰ってきたばっかりだぞ。
「おかあさん、もっと早く行けばよかったのに」なんで俺が行くんだよ。

「もう暑くなってきたでしょ、早い時間はダメなのよ」
オバサンせっせとジャガイモをつぶしてる。

「なに作ってんの?」「ポテトサラダよ、おとうさん好きでしょ?」好きだけど。
「一本だけ飲んでからでいいよね?」「ダメよそんな!見っともないでしょ」

「何がみっともないんだよ」「だって赤い顔して散歩なんか行ったら危ないでしょ?」
「なにかあったらどうするの!」なんにも有るわけないだろ、いちいちうるさいんだから。 

「今朝はウンチしたのかな?」「したわよ、だけどちゃんとさせなきゃダメよ」はいはい。
今日は野球もないし行くしかないな。考えてみりゃオバサンも大変だしな。

元気な孫を見たら目がうるうる

2005-06-24 | 6人の孫
「久しぶりだねぇ」2孫を抱き上げる夢さん。なんだか軽くなったか?

退院してから初めて2孫の顔を見た夢さん。お前、なんだか顔がほっそりしちゃったな。

我慢できずに、とうとう2孫が幼稚園の送迎バスに乗る所を見に来てしまった夢さん。

元気そうにニコニコ笑ってるけど、背中のバッグが重そうだな2孫。大丈夫か?

駆け寄って来た2孫に、不覚にも夢さんウルウル。何やってんだ、みっともねぇぞ。

夢さんのほっぺたに手を当ててケラケラ笑ってる2孫。ウフ、じいちゃん嬉しいよ。

バスの中の2孫に手を振る夢さん、「ほらマリ、お前も何とか言えよ」照れるなよ夢さん。 

「2孫元気そうだったよ」「あら見に行ったの?」ほんとはオバサンが一番見たいんだろ? 

俺にはややこしい事は分からない、兎に角2孫の顔を見たかっただけだ。

やっぱり枕は蕎麦殻じゃないとね

2005-06-22 | 高齢生活・健康
こんな平べったいフニャフニャの枕、こんなの枕じゃないぞ。

「枕なんか何でもおんなじ、頭さえ乗ってりゃいい」とは思っていたけどいくら何でもこりゃダメだ。

ゲルマニューム入りだと?なんだそれ?

せっかくオバサンが買ってくれた枕だけどな。弱っちゃったな。

身体に良いとか、匂いが出にくいとか、そんな事はどっちでもいいんだよ早い話が。

枕なんかで寿命が延びるわけでもあるまいし。 

やっぱり枕は、ガサゴソ音のする方がいい。枕をしてるって感じがするもんな。

元の枕にしてくれと言ったら、オバサン気を悪くするだろうしな。ほんと参ったなこれは。

元の枕を探し出し、新しいのを押入れの奥に突っ込む夢さん。ごめんねオバサン。

片付けは後回しかい

2005-06-21 | オバ友
「おとうさん、扇風機出してくれないかしら」
「うん、いいよ」もうそんな時季になったか。

「おかあさん、もう炬燵は要らないんじゃないの?」
1階の和室にはまだ炬燵が設えてある。

更に電子カーペットも敷いたままだ。
やれやれ3点揃い踏みか。いくらなんでももう必要ないだろう。

「そうねぇ、でも梅雨が明けるまではね、寒くなると困るでしょ?」 
「じゃ、カーペットはそのままにして、炬燵だけ片付けるか?」

「おかあさん誰か来たよ」玄関のチャイムが鳴っている。
「あらぁ、こんにちは、今日は暑いわねぇ」
おーお、相変わらず愛想がいいこと。近所の友達らしい。

「おとうさん、ちょっと出掛けてくるわね」
「〇〇さんの所でお茶飲もうって言ってるから」あそう行けば!

「やめたやめた」一人じゃやる気にならない夢さん。
「こう暑くっちゃな」俺だってやってらんないよ。

真夜中の一人酒 

2005-06-19 | 一人の時間
もう日付も変わった真夜中なのに、遊んでるのか?夢さん。

傍らには、お気に入りのウィスキーとグラス。

何となく空しいんだよなぁ、「幸せでしょ」と他人様は言う。だけど幸せってなんだろ?

机の上には嫁達が送ってくれたプレゼント。いずれも焼酎のボトルだ。優しいよなあいつら。

夢さんのことを余程の「飲んべえ」と思っているのかな?「毎日飲む」と「大酒飲み」とは違うんだよ。

夢さんの場合は、毎日飲むけど量は大した事無い。健康的な飲み方ってやつかな。 

それにしても二人だけの暮らしってのは寂しいよな。子供達が優しくしてくれればくれるほど寂しい。

しばらくはこのまま“悪態れジイサン”を続けるしかないな。頼みはオバサンだけか・・・

父の日だからってそんなの要らないよ

2005-06-16 | 高齢生活・健康
「おとうさん、枕欲しいでしょ?」「枕?・・・なんで?」別に、欲しかないよ。
「おとうさんの枕、もうペッタンコでしょ?」大きなお世話だ。

「買ってくれるのか?」「ゲルマニューム入りなんだそうよこの枕」
「へーぇ、頭でも良くなるわけ?・・・・・おかあさんが買ったらいいのに」

オバサンの見ていたチラシを手に取る夢さん。なんだ、これかい。
父の日プレゼントと銘打った商品がズラリ載っている。こんなの要らないよ。

オバサンのプレゼントってのは、後が怖いからな。
「オレ本当に要らないからね」頭なんか良くならなくていいよ今更。

「せっかく買ってあげようと思ったのにさ」いやに押し付けがましいねオバサン。
「いや、いいってば、オレほんとに要らないから」

枕なんか、ぜーんぜん欲しくない夢さん。
俺は十分安眠できてるからさ、心配しないでいいよオバサン。

野球が大事、そんなの後々

2005-06-15 | 野球・スポーツ
贔屓チームが余裕の試合展開で夢さんご機嫌。笑いが止まんねぇな全く。
座椅子の背もたれをいっぱいに倒し、炬燵に足を突っ込む余裕のポーズ。
 
これだと水割りが飲みにくい。
今日は少しばかり寒い。オバサンも頬杖ついて炬燵で観戦。8回かもう大丈夫だろう。

「おかあさん、小豆のアイス有る?」「どうだったかしらねぇ、自分で見てきたら?」
「おかあさんも食べるかい?」「いいわよアタシは、この寒いのに」 

「おっ、あるじゃない」冷蔵庫を開けた夢さんにっこり。 
あれれ、流し台には食器がそのまんまになってる。

近頃、野球にご執心のオバサン、何はともあれ贔屓チームの応援が優先だ。 
「鳥谷今日は凄いじゃない、ホームランを打つなんてねぇ」ほんとだな。

「明日で交流戦は終わりよね?」「そうだよ、よく知ってるじゃん」
なかなかのもんだなオバサンも。

レジ袋で文句かい、しみったれ!

2005-06-11 | Weblog
「おとうさん、また袋買ったのね?」「なにが?」
「ビッ〇エーは、袋を持って行かないとダメよ!」忘れちゃったもの仕方ないだろ。

「オレは、袋ちょうだいって言っただけだよ」いいじゃないか袋くらい。
孫達が来た時のために、いろいろ買い込んできた夢さん。 

「おかあさんにも、イチゴ買って来たよ」喜ぶと思ったのに。
「手じゃ持ってこれないんだから仕方ないだろ」

「タダのダンボールが沢山有ったでしょうに」「ダンボール?」なんだよそれ。
もしかして、そのダンボールに入れて来いってか?馬鹿言ってんじゃないよ。

大の男がダンボールなんか抱えて、テコテコ歩けるかよ。
いい加減にしろ、 どけちババァ。

もう、飲んじゃお

2005-06-09 | 6人の孫
仕事から戻った夢さんに「おとうさん2孫が退院したわよ」とオバサン。

「だって昨日点滴を外したばかりだろう?どうして」急すぎる話じゃないのか?

「2孫はそれでどうしたの?」「家に寄ってからママの実家に行ったわよ」

「4孫を迎えに行って、そのまま泊まってくるそうよ」 

心配と空しさと腹立たしさで夢さんカリカリ。

「今日はマリの散歩オレ行けないよ」 

さっさと自室に引き上げベッドにひっくり返る。ふざけやがって!

誰に対して腹を立てているわけでもないのだ。 

夢さん本当は分かってるんだよ。腹を立てても仕方がない事は。

我儘だって事も分かってるさ。だからオバサンも何にも言わない。

仕方がねぇな。一杯飲んじゃうか!ちょっと早いけどな。