連れ添いバトル

なにかと夢さんを指図したがるオバサンだった。
そんな彼女は3年間の闘病を経て他界した。

オバサンは銀座へ夢さんは庭仕事

2005-02-28 | 庭仕事・花・木
「早いな、もう昼か」
犬の散歩を済ませてから、ずっと庭仕事の夢さん。

庭と言えるほどのものでは無いが、とりあえず息抜きにはなっている。
木の根元を掘っては固形肥料を埋め込む。寒肥というやつだ。

そんな作業を繰り返しているうちに、早や昼になってしまった。
今日はオバサンはお出掛け。

浅草で友人達と落ち合って食事後、銀座方面だとさ。
深川は木場生まれのオバサン、そちら方面の地理には滅法明るい。

「さてと、飯にするか」オバサンのこしらえていった昼飯はと。
「お握りと玉子焼きにお新香かぁ」 ずいぶん差を付けるじゃねぇか

「まぁ、いいってことよ!」「何んたって一人は気楽だぁな!」
今日は休みだし、午後はのんびりだな。

オレは赤ん坊じゃねえぞ

2005-02-23 | Weblog
「おとうさん、また居眠りしてたわね」と、オバサン。

炬燵に入ってテレビを見ていると、つい眠ってしまうらしい。

「眠ってないよ!ちょっとウトウトしてるだけだよ」

「だから、それが眠ってるのよ、まるで赤ちゃんみたいね」ナンダト!

まぁ、「呆けてきた」と言われないだけまだいいか。

「生後1、2ヶ月の赤ちゃんが、そんな感じなのよ、ウホホホ」追い打ちを掛けるオバサン。

「・・・・・・」反論の言葉に窮する夢さんであった。いまいましいババァだ!

「赤ちゃんでも何でもいいよ・・・・」優しくしてくれるだけで幸せだよオレは。テヘッ

白身の鱈はホコホコで旨い

2005-02-19 | 家ごはん
パタパタと、せわしげなスリッパの音。
台所と和室を小走りに行ったり来たりのオバサン。

あの様子は気分が乗ってる証拠だ。
卓上コンロに載せられた土鍋が盛大な湯気を立てている。

「今夜は湯豆腐か」
テレビを見たり新聞を読んだりと、一杯やりながらも忙しい夢さん。

「うわぁ、ホコホコしてるね」熱々の白身の鱈を箸で割って口に運ぶ。
「うん、これは美味しいね!」
 
「そう、よかったわ」オバサンも嬉しそう。
器が空になると、すかさず熱々をよそってくれる。

最近なんだかオバサンすごく優しい。こんなんでいいのかな?
“悪態れジイさん”としては、何となく拍子抜けの感じだ。

”渡る世間”の腹立たしさ

2005-02-17 | Weblog
一杯飲んで、ついつい炬燵で居眠りをしてしまった夢さん。
ハッと気が付くと、テレビでは例のオバサンの大好きなドラマをやっていた。ゲッ、これかよ!

夢さんの大嫌いな、クソばばぁとクソ聖子が画面一杯に大きな顔で出ているではないか。
こんな奴らをのさばらせるな、日本の家庭は崩壊してしまうぞ!大袈裟な夢さん。

今日ほど腹の立ったことはない、本気で怒る夢さんであった。
オバサンはと見れば、呆れた顔で無視を決め込んでいる。こっちの方がクソばばぁだな! 

「あぁ面白かったわ、ねっ、おとうさん」終わった後にからかうように、のたまうオバサン。
「こんなのいい訳ないだろ」 こんなの見る奴の気が知れねぇな! 

しかし考えて見れば、こんなドラマよりもっと怖ろしい現実がある。
その事に気が付いていない夢さんなのではあるまいか。

「世の中、きれい事ばかり言ってたって生きていけないのよ」
何時もオバサンが言っている言葉が妙に引っ掛かる。

チョコで一杯至福の時間

2005-02-14 | 一人の時間
昼間、2嫁が2孫と4孫を連れてやってきた。
「はい、お父さん」と、チョコレートを渡された。何時もながら義理堅い事で。 

「どうも有難う、おっ、こりゃぁまた綺麗なチョコだね」
中身も分からないのに褒める夢さん。

午前中には宅急便で1嫁からも届いている。こりゃみんな高くつくぞ。 
「私からのは、もう冷蔵庫に入れてあるわよ」とオバサン。お前もかよ。

「おかあさん、そんなに気を使わなくたっていいのに」
「気なんか使ってないわよ、呉れなかったなんて後で言われたくないだけよ」

それこそ義理チョコじゃねぇか!、嫁さん達と張り合ったってしょうがないだろにさ。
今夜はあれだな、チョコをつまみに一人で一杯やるとするか。

さしづめ、テレビの後は「ラジオ深夜便」ってとこかな。
明日は休みだし、うんと夜更かしになりそうだぞこれは。

検査結果判明オバサン元気

2005-02-11 | 高齢生活・健康
「行ってきま~す」オバサン元気にお出掛け。
何時もの3人組で日帰り温泉に行くそうだ。ハイハイ何処でも行ってらっしゃい! 

「気をつけてね、〇〇さんに安全運転でねって言っといて」
昨日、検査結果の分かったオバサンは元気が出たようだ。ほんと良かったよな。

子宮ガンの疑いが晴れた事で、本人だけでなく周りのみんながホッとした。
昨夜は近くに住む二男夫婦が夕食をご馳走してくれた。

オバサンの誕生祝と、検査結果が良かった事のお祝いを兼ねてだとか。
2孫と4孫姉妹も、大はしゃぎで楽しい食事であった。

なんだか、みんながオバサンに優しくなっちゃって面白くねぇな。
そんなに老け込む歳でも無かろうにさ。

せめて夢さんくらいは、反抗心を示さなくっちゃな。
オバサンだって張り合いが無いってもんだろ。精神衛生上も良くないからな。

よせやい、これがドラ焼き?

2005-02-08 | 家ごはん
「はい、おとうさん」朝食後、お茶と一緒に出てきたものを見てビックリ。
「なにこれ?」「ドラ焼きよ、おとうさんゆうべ遅かったから」

「きのうの料理教室で作ったのよ」 
「ドラ焼き?・・・これが?」こんなの見た事ないな。 

「ずいぶん大きいねぇ、ホットケーキかと思ったよ」
それにしても固てぇな!まるで消しゴムでも噛んでるようだなこりゃぁ。 

「何時もこんなの作ってんの?」
「昨日は特別、和菓子の臨時教室だったのよ」
これが和菓子ってか、呆れたもんだな。「ふ~ん・・・お前も食べれば?」

「私は昨日食べたから、おとうさん全部食べて」
ブフッ、喉に入ってかないよこんなの。 

「朝飯食べたばっかりだし、食べきれないよ。マリにもすこしやったら?」
「駄目よ!甘いものは!おなかこわしたらどうするの!」 

??・・ ナヌッ!俺ならいいってのか!
こんなんじゃ、犬の方で「勘弁してくれ」って言うだろうよ。へたっぴー!

オバサンに頼んどけばよかったのに

2005-02-06 | Weblog
「さて、ビデオでも見るか」あれれ!

「しまった!」あちゃぁ!何と日付を1日間違えてセットしてしまったようだ。

深夜1時10分からのBSの「ミッドナイトシアター」を撮り損なった。

楽しみにしてたのになぁ。ガックリ。

セットの時、「えっ、7日月曜日?もう?」何となく変だなと思ったのにな。

部屋のビデオで、セットしたのが失敗。

要するに注意力が足りない。そそっかしいんだな性格的に。

「私が撮っておこうか?」って、オバサンが言った時に素直に頼めばよかった。

オバサンに聞かれたら、「見たよ」って言うしかねぇな。 あぁ悔しい!

恵方巻き

2005-02-03 | 家ごはん
「おとうさん、これよこれ!」朝飯の最中にオバサンが素っ頓狂な声。
テレビでは、国営放送のリポーターが寿司店の店先から中継の真最中。

最近は、節分に太巻きを食べるのが流行っているとか。
ご丁寧に食べ方まで説明している。「食べるのに方角があるだと?」

関西から流行りだしたのが、こちらでもブーム?になったらしい。
「〇〇でも予約やってたわよ、お昼に買ってこようか?」ガキじゃあるまいし!

「どっちでもいいよ、お前が食べたければ買ってくれば」俺はあまり興味ないな。
「じゃぁ豆は食べなくていいのか?」 

「それは又、別なんじゃないかしら?」
世の中変わった。それにしても商魂たくましいのは結構な事だ。

・・・・・・・・やがてお昼時。
「おとうさん、ご飯よ」オバサンから声が掛かった。

階下に下りてビックリ、何と皿の上には太巻き寿司がのっている。
「ほんとに買ってきたの?」「おとうさんが食べたいと思って」頼んでないよ!

「方角がどうとか言ってたよな?西南西?とかってどっちだ?」
オバサンの指差す方に向かってがぶりと一口。たいして美味くないな。

「あれ、お前、ちゃんと向いたか?」 
「どっち向いたっておんなじよ、こんなの」 

パクパクと頬張っているオバサン。
なんだい結局自分が食べたかっただけか。

若い頃はオバサンだって奇麗だったよ

2005-02-01 | Weblog
「昨夜おとうさんの夢を見たわよ」テレビを見ながらオバサン。やめてくれよ気持悪い。 
「おとうさんがね、髪を真っ黒に染めたのよ、笑っちゃったわ」ふざけんな。 

「もう大笑いしちゃったわ、何であんな夢見たのかしらね?」そんなこと知らないよ。
「今まで一回も染めた事なんか無いのにね?」大きなお世話だ。

独身の頃に、夢さんの夢を見たってんなら分かるよ。
何しろオバサン、当時は夢さんに恋焦がれていたからな。

それがどうだい!最近の態度のでかさは。オレの夢なんか見ないでくれ。 
夢の中でまで、オバサンに拘束されたくないよ。頼むからほっといて。 

どんな顔して寝てんだか、おそらく大イビキ掻いて寝てんだろうな。
明るく屈託なく笑っているオバサン。