くったくた、もう駄目！

 

「あーぁ、もうダメ目まいがしてきた」

５孫家族と公園にやってきた夢さん。

首からビデオを下げて汗ビッショリ。なんて暑いんだよ。ったく！

「ビデオは俺が撮るから任せろ」なんて言わなきゃよかったよ。

昨夜は遅くまで飲んで今朝は早起き。目がチカチカ、顔も腫れぼったい。

無理が利かなくなったな夢さんも。来なきゃよかったよ失敗したぜ。

ビデオが重いんだなこれがまた。古いモデルだからな。

２日間ビッシリ付きあわされちゃった夢さん。もう、くったくた。

「早く帰ろうよ」とも言いづらいしな。

５孫は元気に跳ね回っている。この２歳は疲れるってこと知らないんだろか？　

帰りには本を買うそうだ。はいはい本でも何でも買うからさ、もう帰ろうよ。

筍ご飯

 

「これ美味しいねぇ」今夜は筍ご飯だ。

「味加減がすごくいいね」「そう良かったわ」とオバサンニコニコ。

本当は夢さん、筍がそんなに好きという程ではない。

筍ご飯に、筍の煮物まである。うわぁ筍づくしだな。

ご近所や知り合いから、立て続けに筍を頂いたようだ。

二人家族の我家では、とても食べきれない。

頂いたものを、またオバサン配って歩いてる。ハハハハ笑っちゃうよな。

筍は今が旬。この時期は何処でも筍が飛び交っているらしい。

「筍ばっかりじゃない」なんて不満らしき言葉は間違っても吐けない。

「折角持ってきてくれたのに何よ！」なんて叱られちゃ敵わないからな。

美味しいねって言っとけば、オバサンご機嫌だしさ。　　

それにしても一寸ばかり、えぐいなこれ。　　　

はい、どうぞどうぞ！

 

「あれ、もうこんな時間か」

朝からずっと時代小説を読み耽っていた夢さん。昨夜からの続きだ。

ふと気がつけば、時計はお昼をとっくに回っている。

「小休止だな」未練たらたら、シオリを挟んで本を閉じる。

「おとうさん、お昼用意してあるから、後お願いね」

と言ってオバサンは、早々と出掛けたまんまだ。　　　

「後お願いね」って事は、自分でお茶淹れて勝手に喰えってことか。　

お握り、漬物、ヨーグルト、それに柏餅・・・・間に合わせだな。

どっかのレストランで、長っ尻しているであろうオバチャングループが目に浮かぶ。

ウチのオバサンも、メンバーの重要な一員であるらしい。

デカイ広告チラシ

「おとうさん、チラシ入ってるでしょ？取って」
新聞を見ている夢さん。オバサンの方に広告の束を押しやる。

木曜日にしては広告の量が多いみたいだ。
家から車で５分程の場所にショッピングモールがオープンする。

今日は地元関係者だけが対象のお披露目だそうだ。
「随分デカイなそれ」畳半畳ほどもありそうな大きなチラシ。

いやに広告の束が厚いと思ったらそのせいだったか。
「あたし今日〇〇さん達と行くのよ」あぁそうかい。

「自転車で行ったほうがいいかしら？」それはおたくらの勝手でしょ。
しかし好きだよなぁ混むだろうにさ。ご苦労なこった。

エビチリ？これが？

「何　これ？」夕食に不思議な物が出てきた。

「エビチリよ」エビチリ？？これが？・・・。嘘っそだろ！

オバサン、料理教室で習ったのを再現したとのこと。　　

最後の仕上げに、玉子をからめるのが決め手だそうだ。ふーん・・・・

「照りが違うでしょ？」オバサン得意そう。本気でそう思ってんだろか？

こんもり山になってるエビチリ？？？。こんなの見たことないよ新作かい？

一口食べてみる。ふ～ん・・・味はまぁまぁだ。

だけどこれは、絶対にエビチリなんかじゃない全くの別物だ。　　　　

だいいち玉子がからんじゃって、エビ君の姿が判別し難い。　

まるで団子だなこりゃ。エビチリが聞いて呆れるよ。　　

オバサンよっぽど出来の悪い生徒らしい。ヘヘヘあまり偉そうにすんなよ。

今更ハイカラじゃなくていいからさ。普段どおりに作ってよオバサン。

じゃん だら りん

朝のテレビ小説「純情きらり」を毎日見ている。

舞台になっているのは戦前の岡崎市。

あちらでは、話し言葉に「じゃん　だら　りん」を使うそうだ。

そうじゃん（そうでしょう）　良いだらぁ（良いでしょう）　やりん（やりなさい）

といった具合に使うらしい。　　

これらを三河弁と称するそうだ。

先日、掲示板仲間の書き込みで教えて頂いた。

それ以来、内容も面白いし一層興味を持って見ている。

雨で中止の甲子園

「おかあさん、今日は中止だってさ」

「あら　そうなの残念ね」なんだよ随分素っ気ないな。

折角教えに来てやったのに。夕飯の支度でオバサン忙しそう。

甲子園の天気をずっと気にしながら、ゲーム開始を待っていた夢さん。

贔屓チームが、今シーズン本拠地初登場だったのになぁ。

仕方がない一杯飲むか。まだ一寸ばかり時間が早いけどな。　

「おかあさん、なにかない？」夢さんつまみの催促。　　

「もうすぐご飯なのに」と言いつつも小皿に取り分けてくれたオバサン。

おっ、小鯵のマリネだ。これも夢さんの好物だ。

まだ夕飯には早い。水のボトルとつまみを持って自室に引き揚げる。

風も無くどんよりと　もやっている窓の外。雨は音もなく降り続いている。

今夜は退屈な長い夜になりそうだな・・・・。

孫と贔屓チーム

昨日は１孫（１番目の孫）の小学校入学。

今日は４孫（４番目の孫）の幼稚園入園。

１１日は３孫（３番目の孫）の幼稚園入園が予定されている。

あのチビどもがなぁ・・・・

万感胸に迫る夢さんククッ。ハハハ大袈裟なんだよ。

みんなとっくに、確りとお祝いの集金には来たしな。

もう夢さんとオバサンの役目は済んだってことだな。

だけどさ、本音を言うとさ。

夢さんな、今はもっと大事な事で頭が一杯なんだよ申し訳ないけどさ。

贔屓チームが勝つ事、今はこれが一番大事。他の事は二の次。

今日も勝ったしさ、明日は金本の世界新記録が掛かってるしな。

ほんと他に気が回らないんだよ。とりあえずおめでとうな。エヘヘ

ざけんなよ！

嫁さん達の輪の中に入って話し込んでいるオバサン。

嫁さん達の前だとなぜか態度がデカくなり、夢さんを無視するオバサンだ。

普段なら黙っていたってやってくれる事も知らん顔。ざけんなよ！

お茶が飲みたい夢さん。「おかあさん、急須が無いよ？」

「あっ、ここにあります。私が淹れますよお父さん」

すかさず立ち上がる１嫁（長男の嫁）さすがだなぁ。

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「風が凄いな」朝から強風が吹き荒れている。

「そうねぇ、桜は大丈夫かしらねぇ」

孫達が帰って普段どおりに戻った今朝の我家。

何時ものようにお茶も出てきた。ありがとねオバサン。

乱入

 

「おいおいカーテン引っ張るな！切れちゃうぞ３孫」　

「ほら椅子をグルグル回すなって転ぶから！」　　　

「なんでテレビ消すんだよ！見てんだぞ４孫！」

ベッドはトランポリンじゃないよ。さっき直したばかりなのに。

夢さんの部屋に入り込んで、やりたい放題のチビども。

言う事きかないったらありゃしない。頼むからおまえら出てってちょうだい。　　

花見をするからと言って、みんなウチに集まってきた。

何処にだって桜は咲いてんだろうにな。ったく

顔を見せてやりたいと思って連れて来るんだろうからな。

だけどさ孫もあんまり言う事聞かないと、やんなっちゃうよほんとの話。

こいつら集団になるとガラリ言う事聞かないんだもん。

「おいおい４孫階段危ないぞ！つかまって降りろよ」

「ほら１孫、ちゃんと見てやんなさい４孫を」

あいつら５分もしない内に、またドタドタやって来るぞ。やれやれだな。