連れ添いバトル

なにかと夢さんを指図したがるオバサンだった。
そんな彼女は3年間の闘病を経て他界した。

ご無沙汰

2006-05-29 | 6人の孫
「ぜんぜん顔を見せないよね」

最近、2孫4孫姉妹と中々会えない夢さん。

4孫が幼稚園に行きだしてからは、ほとんど顔を見せなくなった。

今月は「母の日」に遊びに来たきりだ。

「忙しいのよ色々と」とオバサンは言う。

4孫は姉の2孫と一緒に、体操とプールにも通っているらしい。

だいじょうぶかなあのチビ・・・

こうなると、頼りは2歳の5孫だけか。

だが5孫の住んでいる所は遠いし、そう頻繁には来られない。

無理を言ったら駄目よと、オバサンからはきつく言われている。

やれやれじっと待つしかないのか。

来たら来たでうるさいし、一寸来ないと寂しがる。

夢さんそりゃお前さん、 ちょいと心得違いってもんだろう。  

知らない振り

2006-05-26 | Weblog
「髪を切ってきたのよ」   
えっ?  あぁ そうなんだ・・・・・
 
分かってはいたが、知らない振りをしていた夢さん。
見てくれと言わんばかりに、頭に手をやっているオバサン。

そんな素振りが気配で分かる。
オバサンと目を合わせないように、さりげなく新聞を手にする。

別に後ろめたい事が有るわけではない。
良かったね とも言えず、何となく言葉が見つからないのだ。

「今日は何にするの?」
これからお昼を食べようと言うのに、仕方なく夕飯の献立に話を振る夢さん。

「呆れた おとうさん、そういうの何て言うか知ってる?」 
「ボケよ、もう始まったのかしら」口を空けて大笑いしているオバサン。

ふふ別に何でもいいんだけどさ。ちょっと言ってみただけだよ。

何時ものポーズ

2006-05-23 | 柴犬・マリ
 
「マリちゃんおいで」呼ばれても知らん顔。全く無視かよ。

おやつでも見せたら素っ飛んでくるくせに。ったく

デッキから下に降りると叱られるので、ここが限度と知っているようだ。

それでも夢さんが居ないと、時々庭に出て跳ね回っているらしい。

要領のいい点では、「おとうさんといい勝負よ」とオバサンはのたまう。

犬と同類にされるとはまったく迷惑な話だ。「おまえのせいだぞバカタレ」

「ほら暇なんでしょ?」と、マリの散歩を押し付けるオバサン。

野球中継があるってのにもう・・・。仕方がない早いとこ行ってきちゃうか。

尻尾を振って元気に駆け出すマリ。へへ夢さんと行くのが嬉しいらしい。

おいおいそんなに引っ張るなよ。「ほらほら 袋持ったの?」後ろからオバサンの声。

持ったに決まってんだろうよ、なぁマリ。

雨ばかり

2006-05-19 | 庭仕事・花・木
 
「洗濯物が乾かなくて困るわ~」思案顔のオバサン。

うん分かる分かる。雨ばかりだからなぁ。

いくら二人だけとは言っても、毎日の洗濯は欠かせないだろうしな。

それにしても、今年は天気がはっきりしない。

例年で言えば、5月はもっとすっきりとした青空が広がるはずだ。

いったい五月晴れ(皐月晴れ)はどうなってしまったのだろうか。

まるで梅雨入りしたかのような、鬱陶しい日が連日続いている。

この雨のせいか、庭のアジサイが日に日に勢いを増してきた。

無数の蕾をつけた緑鮮やかな葉が、ゆらゆらと雨滴の重さに揺れている。

今年はよい花を沢山見せてくれそうだ。

デッキに三脚を立て、じっと雨と向き合う。
 
 

パン焼き器

2006-05-17 | 家ごはん
「おかあさん、たまにはパン焼いてよ」パンが大好きな夢さん。

「そのうちね」オバサンからは生返事しか返ってこない。

昨年あたりは、夢中になって焼いてたんじゃなかった?

レーズンだとか、カボチャだとかさ。よく食わされたっけ。

毎日だとウンザリするけどさ、あれはあれで懐かしい。

最近パッタリ出てこなくなっちゃったな。心境の変化でもあったのかい。

オバサン、あれでけっこう飽きっぽいとこあるからな。ぷっ

「自分で見て、食べたいパンが有ったら買って来なさい」だとさ。

わずか二人分を家で焼いていると、結構高くつくのだそうだ。

へぇー そんなもんですか。オバサン ただ面倒なだけじゃないの?

パン焼き器は、何処かに仕舞い込まれてしまったらしく、その姿さえ見当たらない。

おーいパン焼き器、おまえ何処に隠れてんだよ。出てこいよ~。

オバサンに母の日の贈り物

2006-05-15 | 一人の時間
 
リビングに朝の陽が射しこんで眩しい。
テーブルの上に鉢植えがふたつ載っている。 
ひとつはカーネーション、もうひとつはユリ、花名モナリザと書かれている。

昨日の「母の日」に嫁さん達から贈られたものだ。 よかったな オバサン
夢さんに母親は居ない。

夢さんを生んでから、いくばくも無く母は逝ったと周囲から聞かされてきた。
終戦直前の外地での事だったそうだ。

父はずっと、母の事について夢さんに語ることは無かった。
末っ子の身を不憫と思い、おそらくそうしたのだろう。

そんな父の横顔を時々思い出す。 実に端整な立派な顔立ちの父であった。
母の日に父の事を思い出すと言うのもおかしな話である。

だが母親の温もりの何たるかも分からずでは、母を思い出す手立てすら無いのだ。
夢さんには、父こそが世の母親と同じような存在に思えるのかも知れない・・・・・・・

亭主の威厳

2006-05-13 | PC周辺・ブログ
 
「おとうさん、お昼よ」下でオバサンが呼んでいる。

PCで手が離せない夢さん。ちょっと待ってろ。

ドンドンドンドン。今度は階段脇の壁を叩きだした。   

分かったよ聞こえてるよ今行くよ。  

ちゃんと呼びに来い、なんだよ俺は犬っころじゃねぇぞ!

「1回やってみたかったのよねぇ」ホホホホホ。

オバサン、のけ反って大笑いしている。バカかおまえは。

何んか良いことでも有ったのかな。ずいぶんノッてるなオバサン。

近頃徐々にではあるが、家長の座を脅かされつつある夢さん。

いったいどうなってんだ、おまえが大将なのかよ。 

深川は木場生まれのオバサン、何たって気が強ぇからな。

亭主の威厳なんて、チャンチャラ可笑しいってか?「まさかな・・・・・」 

味噌汁の具は豆腐とシメジ

2006-05-11 | 家ごはん
障子を開けて庭に目をやる。雨混じりの強い風だ。

「うわっひどいな」満開のツツジが強風にいたぶられている。

昨夜から今朝に掛けてずいぶん荒れたようだ。

何度となく窓を叩いていた雨音が、おぼろげながら耳に残っている。

今朝は珍しく早起きした夢さん。

「あら早いのね偉いじゃない」      

テーブルに朝飯が並べられる。オバサンが味噌汁を運んできた。

立ち昇る湯気と味噌の香り。今日の具は?うんうん豆腐とシメジか。

テレビを点け、納豆をかき混ぜる夢さん。いつも通りの一日が始まった。

マリ8種混合注射

2006-05-08 | 柴犬・マリ
 
「おとうさん、今日は出掛けないんでしょう?」どうして。

「マリの8種混合やりたいのよ」はぁ?ワクチン注射か。

車に乗せてけってことだな、仕方がないか。

わざわざ遠くの病院に替えることなかったのになぁ。

5年もお世話になった近所の病院から、車で7、8分掛かる病院に替わったのは昨年の事だ。

犬仲間の話なんかに乗っちゃってさ。いいカッコするからだよ。 

得意そうに仲間と電話してるオバサン。バッカじゃないの、おたくら。

近所のほうがいいに決まってるのにさ。どうせ夢さんの意見なんか聞きっこないか。

注射が下手??薬が高い?。そんなの大きなお世話でしょう。

それとも何かい、マリが「痛~い!」とでも言ったの? 

寝坊かな?

2006-05-03 | Weblog
カーテンの隙間から強烈な朝陽が射しこんでいる。

おーぉ いい天気だぁ、あれっ もうこんな時間か。

それにしても静かだな。オバサンの起き出した気配も無い。

オバサン寝坊か??ぷっ まさかな。

マッサージの電源を入れ、座ってテレビを点ける。
 
〇〇ファンドのニュースをやっている。何でもありかよ!そりゃないぜ!

下で雨戸の開く音がしだした。やっぱり寝坊だったか。ふふ

おやおや、いやに荒っぽいな。オバサン焦ってるらしいぞ。

何時もの朝ドラが終わりに近づいた頃、ドアが開いてオバサンが顔を出す。

「おとうさん、ご飯よ・・・」オバサンきまり悪そうだ。