夜の9時を回った頃、家の固定電話が鳴った。今頃誰だろう?・・・
オバサンが出た。「あれ?誰なの?〇〇クン?あらぁ元気だった?」
孫の〇〇からのようだ。「パパもママもみんな元気?そう、よかったよかった」
「お年玉預かってるのが有るから今度来た時にね、うんうん体に気を付けてね」
電話を切ったオバサン、しきりに感心している。「しっかりしてきたわよ」
「もう全然違うわよ、話し方もきちっとしてるし、驚いちゃったわ」
「ふ~ん」と、彼女の話を聞いていた夢さん、ふと何か不審なものをを感じた。
〇〇とは数か月前に会ったばかり。高2の少年がそんなに急に変われるのか?
信じ切っている彼女に言っても仕方がない。黙って〇〇本人にLINEを入れた。
直ぐに返信が来た。「電話なんかしてないよ」やっぱり!不安的中の夢さん。
さてどうしたものか・・頭ごなしに彼女に言う訳にはいかない・・
最初に彼女は致命的なミスをした。「誰なの?〇〇クン?」の問い掛けだ。
彼女が受話器を取った時の相手の第一声は「オレに電話した?」だったという。
「誰なの?」に続いて孫の名前「〇〇クン?」と訊いてしまったのだろう。
これは無理もない。忌々しいが、まんまと奴らの罠に引っ掛かってしまった。
一度リストに載ってしまうと、次は手を変え品を変え、騙しに掛かるらしい。
詳しくは書けないが早速手を打った。彼女にも口を酸っぱくして対策を説明。
普段は気にもしない電話機の機能を、使いこなすだけでも対策になる。
しかし驚いた!あの頑固で強情で気の強い彼女が、コロッと騙されるとは。
世の高齢の皆さん方、電話機の受信対策は、しっかりした方がいいですよ。
あれから数日、何回か不審な電話があったようだが、直ぐに切れるそうだ。
彼女も良い勉強になったと思う。ふたり協力して老後の生活を守らないとね。