連れ添いバトル

なにかと夢さんを指図したがるオバサンだった。
そんな彼女は3年間の闘病を経て他界した。

胃カメラ検査はひと安心

2014-01-30 | 高齢生活・健康
いよいよ胃カメラ検査の当日。予約表を出して待つ夢さん。
検査室の前で、待つ間に血圧を測るようにと指示書に書いてある。

「どれどれ」測定器の説明を読み、右腕を通してスタートボタンを押す。
結果は128-77。滅多に測る事はないが、これっていいんじゃないかな。

名前を呼ばれて室内に入る。若い看護師さんが手順を丁寧に説明してくれる。
まず小さなカップの薬を飲み下す。次に喉元にチュッと何かを一滴。

「飲みこまないようにして、5分間そのままにして下さい」はい分かりました。
まだかな?まだかな?。タイマーが鳴るまでのその長い事。

次に肩に注射。その内に口の中が痺れてきた。さっきのが効いてきたらしい。
ベッドに横になり、右、上、左と順に向きを変える。口にはマウスピース。

「では始めましょうか」小柄な若い先生だ。あたま良さそう。
目の前のモニターに胃の中が映し出される。凄いなこれは!!

カメラの動きに合わせて、いま何処を映しているのかを説明してくれる。
綺麗な所も黒っぽい所も・・・・これほど鮮明に自分の胃の中を見たのは初めて。 

「は~い抜きますね~」ほんの数分で終了。癌などの心配は無いそうだ。
逆流性なんとか?と、慢性胃炎の兆候が見られるが大した事は無いとの事。

「ピロリ菌の検査をしますか?」えっ??。それには採血をするのだそうだ。
朦朧とした頭で頷く夢さん。何でもやってちょうだいもう好きにして。

これで後は来月の大腸検査だけ。どうせ大した事はないだろう。楽観的な夢さん。 
家に帰って食事を済ませたら午後にはすっかり元気になった。どうって事ぁなかったな。

「おとうさんって、ほんとに分かりやすい性格よね」オバサンけらけらと笑っている。

強がりでは済まないかも?

2014-01-22 | 高齢生活・健康
今日も胃の辺り?(臍を中心とした周辺?)が、ムカムカシクシクする。
痛いんだか、ただ腹がゴロゴロしているだけなのか定かではない。

痛いと言い切ってしまうのは何となく怖い?
加えて腰が痛くなってきたし、頭が時々クラクラする。いったい何なんだこれは。

何れにしても、今迄と違って普通の状態でないのは分かる。
一時的な炎症だと思うのだが・・・・それとも何かの前兆なのか?

この状況で前兆と言ったら思い当たるのは・・・。あれか?・・・まさかね。
相変わらず下痢の状態が続いているし、不安と言えば不安。

「おかあさん〇〇のどら焼き食べたいんだけど」
「あらどうしたの?甘い物は控えるんじゃなかったの?」そうだけどさ。 

昨年の健康診断で血糖値が高かった夢さん、以来甘い物も控え目にしてきた。
だけど考えてみれば、何をどう気をつけたって、原因なんて分かりはしない。

飲みたい物を飲んで、食べたい物を食べて、気楽にやった方がいいんじゃないのかな。
別に生に執着が有るわけでもなし、生き物には寿命ってものが有るんだし。なぁ夢さん。

そうだそうだ。どうせ一度っきりしか死なねぇんだし、ビクビクする事ぁないやね。
だけど笑っちゃうよね夢さん。たったこれくらいの事でオロオロするなんてさ。

別にしてないよ。ただ 「気のせいだろう」 とばかりは言えないと思ってる。
食べるものは食べてるし、運動もそれなりにしている。これ以上無いほど健康なのに。

足音がしてオバサンが入ってきた。「お昼なにが食べたい?」「パンがいいな」 
昨年オバサンが作った ”柚子ジャム ”あのちょいとした苦味が好きな夢さん。

健康には自信が有るのに・・

2014-01-17 | 高齢生活・健康
久し振りに病院にやってきた夢さん。消化器内科を受診する事になった。
連休明けのせいもあるのか、待合スペースは何処も患者でいっぱい。

見渡すとやはり高齢者の姿が目立つ。
歳を取るとみんなこうなるんだろうな・・・。

自身もリッパな高齢者である事も自覚せず、他人事のように頭の中で呟く。
「〇〇さ~ん〇〇番の前でお待ちください」2時間近く経ってやっと呼ばれた。

状況を説明し、先生の質問に出来るだけてきぱきと答える夢さん。
結果、胃カメラと大腸検査を受ける事になった。想定していた事なので即座に納得。

「薬はどうしますか?取りあえずは整腸剤くらいですけど」
「薬は飲みたくないです、結果が出てからにします」はっきり断る夢さん。

「そうですねそうしましょう」カルテを書く手元に迷いはない。 
先生の横顔をジッと見る。この先生は信頼できそうだ。

ただ、検査の日時がずっと先なのには驚いた。検査を受ける人が余程多いのだろう。
胃カメラは今月末、大腸検査にいたっては2月の末と決まった。

家に戻ってオバサンに報告。
「そんなに遅いの?〇〇病院の方が早いわよ。そっちにした方がいいんじゃない?」

「 予約もしたしそんな訳にもいかないよ 」   どうせ検査するだけじゃないか
それにしても誕生日の翌日に病院に行くとはな。笑っちゃうよ72歳ねぇ。

炬燵で寛ぎながらも、新聞の訃報欄につい目がいく。まだちょいと早いだろ馬鹿だな。
 

今朝は姑さんの顔

2014-01-05 | Weblog
恒例の新年会も終わって、普段の静けさが戻った我が家。 

おせちの残りをつつきながら二人だけの朝食。

お年玉の袋を前に、オバサン嬉しさ半分ながら、少し浮かない顔。

「お年玉なんて気にしなくていいからね。みんな大変なんだから」

それぞれ住宅ローンを抱えているし、孫達も金の掛かる年齢になってきている。

それが分かっているだけに、前々からそう言ってきたのだが、そうも割り切れないらしい。

中でも、いちばん稼ぎの少なさそうな末っ子夫婦は、兄貴夫婦達の何倍も置いていく。

オバサンと夢さんに、帰り際にそっと手渡してくれるのだが、頑として引っ込めない。

大変だろうにな・・・・毎日必死に仕事をしている姿を思うと胸が痛む。

今迄に貰った分はずっと袋のまま取ってある。勿体なくてとても使えるものではない。  

「困ったわよね、でもいいんじゃないかしら貰っておけば」

何かの時に、出来る事をしてやればいいと、オバサンは言う。それしかないね。

「でもあれよねぇやっぱりお嫁さんによるのかしらね?」ほ~ら出た。

立ち上って障子をいっぱいに開ける夢さん。朝陽がいっぱいに射しこむ。

「 眩しいわぁ」顔の前に手をかざすオバサン。ではなかった今朝のあんたは”姑さん”