季節はずれの気温は午後になって更に上がり、室温は３０度を超えた。
まだ４月だと言うのに、いったいこの暑さの原因は何なんだ？
あちらこちらで地震や噴火が頻発しているし、今までとは何か違う予感。
日本列島の地下で何かが起きているのか？・・・
「まさかな・・」たとえそうだとして、オレたちゃどうしたらいいんだ？
「どうにもならないよなぁ・・・」
ふとむかし読んだ本。小松左京の「日本沈没」を出してページを繰ってみた。
冒頭に、地震の起きる前は連日３５度を越す異常な暑さが続いたとある。
「おいおい、脅かすなよ」少し読み進んだところで「駄目だこりゃ」とギブアップ。
目が衰えたのか、ついていけない。「なさけねぇな・・」読み切るパワーや如何に？
45年前の１９７３年に（上・下）巻が出版された。その強烈な衝撃は忘れる事が出来ない。
それから３３年後の２００６年に、第二部として続編が出された。
台所の片付けが一段落したとみえてオバサンが顔を出す。
「なん対なん？」「イチゼロ・・」むっつりと応える夢さん、機嫌はよくない
炬燵に足を突っ込み、座椅子を倒してテレビ観戦。犬のメグは小生の腹の上。
「おかあさん、悪いけどお茶くれない」「動けないんだよ」とメグを指差す。
「まったく、しょうがないわね二人とも」
「藤〇じゃ、また分かんないわよね」オバサン実に詳しい。
「いやっ、今日は良さそうだぞ」ひとしきり投手談義。
「どうかしらね・・・」言いながら、風呂を点けに、二階に上がっていくオバサン。
夢さんとて不安がいっぱい。前回の不甲斐ない投球が頭をよぎる。
結果は延長で負けたが、彼の好投に先行きが少し明るく思えた。
福留の３００号ホームランも出たし、まぁまぁかな。
まだシーズンは始まったばかり。「頑張れよ藤〇」俺たちゃ応援してるぞ。
久しぶりに半纏を取り出し羽織る。気が狂ったかおぬし。なんの只の気分転換さ。
これを羽織ると思い出すあの頃。まだ若かったしね、最近は気力も体力も衰えた。残念ナリ！
学校の新学期が始まったので、公園のグランドが使えるようになった。
今日は春季練習の初日。この日を待ち焦がれた皆さんのニコニコ顔が並ぶ。
約１ヶ月間も休みが有ったのに、皆さんすこぶる元気。どうして？・・・
運動もせずに、のんべんだらりと過ごしていた小生などは恥ずかしい限り。
練習が終わる頃には、強風が吹き荒れ大粒の雨まで落ちてきた。
「さよなら！」蜘蛛の子を散らすようにとはこの事か、挨拶もそこそこに家に。
「お帰んなさい・・」疲れた？と言わんばかりにこちらの顔を窺うオバサン。
「そうでもないよ」とは言ったものの、身体の節々が痛い。
「おとうさん、ずっと歩かなかったものね」 大きなお世話だ
「病院も行ったしさ・・・」けっこう忙しかったと言い訳しても始まらないか・・
「今日は買い物行くの？」風が強いし「車で行くか？」と聞いてみる。
「う～ん、今日は止めようかな・・余り物でもいい？」オバサンも家から出たくなさそう。
「いいよいいよ、何でもいいよ」こちらとしては何の異存も無い。
今日はオバサンも少しのんびり出来そうだな。
夕食はオバサンの宣言どおりの余り物。レトルトのカレーにサラダ、新キャベツと胡瓜の浅漬け。
新キャベツの浅漬けは歯応えが大好き。これはもっと食べたかったな・・・
昨年の春頃から始まった耳鳴りは、昼夜の別なく常態化してしまっている。
当時処方された飲み薬は、１回飲んだだけで止めてしまった。
頭がふらふらして気持ちが悪く、平衡感覚もおぼつかない程だったのだ。
「何か良い方法はないですか」と問うものの、どこの先生も首を傾げるばかりだった。
結局原因は不明と諦めたものの、「待てよ・・もう１回だけ行ってみるか」
諦めの悪い奴は、性懲りもなくまた出かけた「一年経ったしな・・・・」
案の定「また来たのかよ・・ 今度はどうしたの・・」と言わんばかりの顔。ゴメンね
今回の聴音検査も全く異常なし。先生だって困っちゃうだろうさ・・・
「原因は分からない」ってんだから、諦めるより仕方がないのは分かってる。
それでもさ、昔から”一縷の望み”って言うじゃない。何か情報が無いかと思ってさ。
「こんな病院が有るから行ってみたら？」なんて教えてくれるかも。
「バカだねオマエさんは」世間話なんかしてる暇は無いんだよ先生には。
患者は後がつかえてるし、真剣に困ってる人だって多いだろうに。
そうかなぁ・・ 周りをよ～く見ると、大した事なさそうなのも来てるぜけっこう・・
オレ？ 俺なんか深刻な方だと思うよ。年がら年中、２４時間鳴ってんだから。
うわべは平気に振舞ってるけどさ、ホントのところは、けっこう深刻なんだぜ・・・
コケやユキノシタに囲まれて花ニラが映える。いつの間にか庭一面に勢力を伸ばした。
