連れ添いバトル

なにかと夢さんを指図したがるオバサンだった。
そんな彼女は3年間の闘病を経て他界した。

忍法 腑抜けもどき

2012-09-21 | 高齢生活・健康
「ごめんね買ってこようか?」珍しく朝の食卓に納豆が無い。申し訳なさそうにオバサン。

「有ると思ったのに、うっかりしちゃったわ」いいよいいよたまにはさ。

何時ものオバサンなら、直ぐにひとっ走り買ってくるのだろうが、あいにく降り出した雨。

「これ北海道のお土産なんだって」オバサンが出してきたのは、黒い豆を混ぜ込んだ昆布の佃煮。

ふっくらとした大ぶりの豆が、ねっとりとした昆布とよく合っている。「このお豆、何かしらね?」

「向こうも暑かったんだって」「エアコン点けていたそうよ」ひとしきり北海道を語るオバサン。

今日は修理に出していたパソコンが戻ってくる。ついでに周辺のレイアウトも考えている夢さん。

半分は上の空ながらオバサンの話に丁寧に受け答えする。これも最近学んだ二人世帯の保身術。

何事も面倒くさがってはいけない。オバサンと居ると勉強になる事ばかりだぞ。

何があ~ぁだよ。どうかしちまったのかい?すっかり腑抜けになっちまってさぁ。

黙っとこ・・・・・ ふふ

2012-09-15 | 一人の時間
さて寝るか・・・その前にトイレだな。ん?階段から階下の灯りが漏れている。

あれれ?オバサンまだ起きているのか?そんな筈はないな。

「おやすみなさい」って、声がしたのはかなり前だぞ。階下に降りてみる。

なんだ和室の電気が点けっ放しだ。数日前にも同じような事が有った。

まさかオバサン・・・呆けたわけじゃ?

あの口煩いオバサンが「呆けた」なんて日にゃ天地がひっくり返るぞ。

勿体ないから、やれ電気を消せ、居ない時にはエアコンを消せ、普段から叱られっ放しの夢さん。

ふふ自分だって忘れるくせに。ついでに冷蔵庫からアイスを失敬。

足音を忍ばせ自室に戻る。今夜もまだ蒸し暑い。机に足を投げ出し扇風機を回す。

開け放った窓からかすかに虫の音。秋か・・・名残りの夏これもまた好し。

気を許すと痛い目に?

2012-09-12 | PC周辺・ブログ
「おとうさんまだ連絡が来ないの?」そうなんだよねパソコンを修理に出した夢さん。

見積もりを依頼しているのだがまだ連絡が無い。出さなきゃよかったな失敗だったかな?

故障の原因はほぼ分かっている。スイッチを押しても全く反応が無いのは電源に違いない。

過去に自作の経験もあるのだが、今回は慎重を期して修理に出した夢さん。

XPは使い慣れているし、モニターを大画面にしているので、目が楽なのが年寄りには有難い。

それにしても、オバサンがパソコンの話に乗ってくるなんて珍しいぞ。

もっとも、今まではオバサンとパソコンの話などした事は無かったしな。    

最近は何でも話すし、二人の間での話題が広がったせいかな?これはこれで楽しい。

それにオバサンにしてみれば気楽に構えていられるはずだ。自分の懐は痛まないからね。

自分の趣味で家計に負担を掛けたりしない夢さん。自分で稼いで自分で使うこれがモットー。

だけど本当に気を許していいのかな?そっとオバサンの横顔を窺い気を引き締める。

オクラ納豆は夏の定番

2012-09-05 | 家ごはん
トントントントントントントントン。

顔を洗っている夢さんの耳に、台所からまな板を叩く包丁の音。

あれは納豆に添えるオクラを叩いている音だ。ここの所ずっと続いている朝の定番。

庭で育てているオクラ。「身体にいいんだから」毎朝のように穫れるのでご機嫌なオバサン。

「おとうさんパジャマとタオルは?」階下に下りた夢さんにオバサンが催促。

「汗掻かなかったの?洗うから出しなさい」洗濯機を回すのを待っていたオバサン。 

昨夜は涼しかったので汗を掻く事もなかったし、今日はいいんじゃない?

食卓に食器を並べる音、今朝も早くからよく動くオバサンだ。

「今日も暑くなるそうよ」朝晩は少し楽になったが、日中の厳しい暑さはまだ続くそうだ。

「いただきま~す」小鉢をのぞきこむ夢さん。オクラの緑が鮮やか、白い粒々の種がはじける。