連れ添いバトル

なにかと夢さんを指図したがるオバサンだった。
そんな彼女は3年間の闘病を経て他界した。

頑張り切れなかった芍薬

2005-05-31 | 庭仕事・花・木
夜中に激しい雨音と吹きつのる風で起こされた。

まるで台風でも来たかのようだ。

「参ったぞこれは」 まず頭に浮かんだのは、間もなく満開になろうかという芍薬だ。

「おそらく駄目かもしれないな」 待ち望んだ花なのに、ガックリの夢さん

雨が止んだのを見計らって傍に行って見る。案の定、雨と風でいたぶられた姿が痛々しい。

半分ほど開いた花は、雨をたっぷり含んでしまって、今にも倒れんばかりだ。

花びらも強風に擦られて、一部腐りかかっている。

明日からは晴れそうだし、何とか立ち直って欲しい。

オバサン家庭菜園でそら豆収穫

2005-05-30 | 家ごはん
「おとうさん、暇でしょ?」新聞を読んでる夢さんに、オバサンから声が掛かった。

「どうして?」「そら豆の皮、剥いてくれないかしら」そら豆か、どうしようかな。

「うんいいよ」どうせ暇だしな。

「うわぁ、これみんな採れたの?、おかあさん凄いじゃん!」「朝のうちに採ってきたのよ」

すごい量だ、バケツに3杯分もある。しかし大したもんだなオバサンも。

「全部剥かなくてもいいのよ、家で食べる分だけで」はいはい。

子供達にも宅急便で送るらしい。

それにしても驚いたな、こんなに採れるとは。

「家庭菜園だなんてバカに出来ないな」夢さん感心しきりだ。

オバサンの”お遊び”くらいに思っていたけどな。今回は正直言って脱帽だな。

風邪引きじいさんは寝てなさい

2005-05-28 | 6人の孫
「おとうさん、今日は下に来ちゃ駄目よ」「分かってるよ」
5孫(5番目の孫)が泊りに来るってのに、一向に咳が止まらない夢さん。

昨夜は、やけくそで2回も薬を飲んだ。
そのせいか、少し良くなったような感じもするが、オバサンの許可は出ない。

「駄目よ!、5孫に風邪が移ったらどうするのよ、寝てなさい」
「寝てなんかいられないよ、どこも悪くないのにさぁ」病人じゃねぇんだぞ!

「じゃぁ寝てなくてもいいから、自分の部屋にいなさいよ、降りて来たら駄目よ」
「飯はどうすんの?」「運んであげるわよ」冗談じゃねぇぞ、いい加減にしろよ。

「たかが風邪くらいで大袈裟じゃないのか?」
「そうじゃないのよ、分かってないわね」

「5孫が風邪ひいたら私が困るのよ」「なんでだよ?」1嫁に気を使ってんのか?
女ってのは難しいもんだな。難しくしてるのはお前さんじゃないのかいオバサン。

若い女医さんに無茶なお願い

2005-05-26 | 高齢生活・健康
あらら・・・・女の先生だ。ずいぶん若いな。
風邪がぶり返して、また病院にやって来た夢さん。

若い女医さんにまずビックリ。海野先生ってのか。
「今日はどうしました?」

「風邪がぶり返したみたいで」と夢さんなぜかリラックス。
「最近は注射はしてくれないんですねぇ」ここでも昔話を切り出す夢さん。

「今の飲み薬にはね、同じ成分が入っているから、注射と同じなのよ」そうなんですか。
「先生、何とか早く効くのをお願いします」食い下がる夢さん。

「風邪薬はねぇ、中々直ぐに効くのは無いのよねぇ」そんなもんですか。
「じゃぁ抗生物質と、それから胸に貼るシートも出しますからね5日分」
 
えっ、5日分?この前は7日分だったのになぜ5日分なんだろ?
それじゃぁ、また治るわけないよ。

待て待て夢さん、5日分と言う事は効く薬を出してくれたんだぞきっと。そういう事か?
納得して戻ってきた夢さん。「早かったわね、どうだったの?」

「薬もらってきたよ、今度のは効くやつかもしれないな」「あらそう・・・・?」
きっとそうに違いない。今日は自信満々の夢さんだ。

気まぐれな4番目の孫

2005-05-23 | 6人の孫
朝一番、2嫁(二男の嫁)から電話。
2時間ほど、4孫を預かって欲しいとの事。いいともいいとも夢さん二つ返事。

オバサンは犬の散歩に出掛けている。オレ一人だってどうって事ぁないやね。
急いで髭を剃り着替えを済ませる。ジジ臭いのはまずいぞ夢さん。

やって来た4孫、何とママにしがみついて離れない。
おいおい4孫、今日はどうしちゃったんだ。

激しく泣きじゃくる4孫、何をやってもエビのように身体を反らせて手足バタバタ。
アイスもシャボン玉も、いっさい騙しがきかない。どうしようもないなこれは。

散歩から戻ったオバサン「どうしたの4孫ちゃん」と抱き上げる。
オバサンにしがみついた4孫、機嫌が直ってニコニコしだした。生意気なチビだ。

「こうなっちゃったら、おとうさんじゃ駄目なのよ」あぁ、そうかいそうかい。
「何時もはあんなに懐いているくせに」自信が脆くも崩れた夢さんである。

都合の悪い時は予防線を張る

2005-05-20 | 一人の時間
「おっ、来た来た」階段にオバサンの足音がする。
素早くパソコンを、関係の無い画面に切り替える夢さん。

右手の指にシャーペンを挟み、しかめ面で何かを考えてる振り。
「あら、パソコンやってるの?」顔を覗かせただけで、オバサン行っちゃった。シメシメ

「あぶねぇ、あぶねぇ」マリの散歩に行かされるとこだった
仕事の帰りに、ビデオを借りてきた夢さん、昔懐かしい「頭上の敵機」早く見たいのだ。

「早く見ちゃって、シャワー浴びて、それから飯だな」時間が無いよ、早く出掛けてくれ!
そのうち野球も始まっちゃうしさ、予定がいっぱいの夢さんだ。

「おっ!」 オバサンとマリが出掛けた気配。やったな夢さん。 
階下に駆け下り、水割りを作ってまた急いで掛け戻る。あーぁ夢さん、こぼすなよ。

鬼の居ぬ間を有意義に使う

2005-05-17 | 一人の時間
今日はオバサン、友達と待ち合わせだそうだ。ゆっくり行ってらっしゃい。 
オバサンが出掛けたのを見計らって夢さん掃除を始めた。

掃除といっても自分の部屋だけ。
パソコンの後ろの方まで掃除機で丁寧に埃を吸い取る。

ついでに机周りと本棚の整理、雑巾掛けまでしてしまった。
こんな事、オバサンが居る時には出来ないからな。男の面子ってのがあるしな。

次にデッキのモップ掛けと、マリの毛布の洗濯。やる時ゃやるよな夢さんも。
オバサンが用意していった昼飯は、何時もの定番。オヤオヤ、今日は水羊羹が付いてる。

ずっと続いていた咳もどうやら治まったし、仕事も休みだし絶好調の夢さんだ。
贔屓のチームは4連勝とこちらも好調、尤も相手は楽天だったけどね。

「そろそろ5時だな」オバサンはまだ帰ってこない。
「ぼつぼつ飲み始めてもいいんじゃないのか夢さん」もう一人の夢さんが耳元で囁く。

屁理屈はじいさんの特権

2005-05-16 | 高齢生活・健康
「おとうさん、咳が止まらないわね」ジイサンみたいに言うなよ。

もう10日にもなるのに、一向に咳が治まらない夢さん。

「前はさあ、こんなの直ぐ治っちゃったのにな」

「最近の薬は、効かないように出来てんじゃないのか」薬に八つ当たりの夢さん。

「そうじゃないのよ、歳なのよ」もっともらしい顔をしてのたまうオバサン。

「若いつもりでいてもね、歳には勝てないの」あぁ、そうかい。

「だいたいね、薬を飲んだってお酒を飲んだら効くわけないでしょ」 

「そりゃそうかもな、だけどさ昔の薬はもっと良く効いたぞ」

「呆れちゃうわね、ちっとも分かってないんだから」 おまえこそ!

旬の絹さやの香り

2005-05-12 | 家ごはん
今朝はオバサンに起こされる前に起き出した夢さん。いい匂いがしている。
「お味噌汁どう?」「あーぁ美味しいね」絹さやの香りが何とも言えない。

「この絹さや私が作ったのよ」オバサンの声が弾んでいる。
「あそうなんだ、さすが旬の香りって感じがするよね」

「これからが時季なんだろう?」「そうよ、たくさん採れるわよ~」
「うんうん・・・あそう・・・ふ~ん・・・凄いじゃん」オバサンの話に合槌一方の夢さん。

「〇〇さん達も頑張ってるの?」「凄いわよみんな、△△さんなんかご主人も始めたわよ」
「健康には一番いいのよ」バカだね夢さん余計な事聞くんじゃないよ。

野菜作りなどには全く感心が無い夢さん、徹底して無関心を装うのが無難だ。
「今夜は、絹さやの卵とじ作ろうかしら?」オバサンますますノッテイル。

診察券出してくれて有難う

2005-05-10 | 高齢生活・健康
「出してきたわよ」と、オバサンが戻ってきた。夢さんの順番を取ってくれたのだ。
「どうもありがとね」まだパジャマのまんま、テレビを見ている夢さん。

「何番だったの?」「7番よ」ずいぶん早い番号だな。
「早く支度しなさい、遅く行くと後ろに回されちゃうわよ」

「いくらなんでもまだ早いよ」「9時前から呼ばれる事もあるのよ」ほんとかよ。
病院までは直線で100メートル。夢さんの足なら一っ跳びだ。

9時の診察開始に合わせて、8時から受付が始まる。
近いのは良いのだが、並んで順番取りが苦手の夢さん。
 
8時前には長蛇の列なのだ。
急かすオバサンに、素直に従う夢さん。次回のこともあるからな。

外は快晴、「眩しいなこりゃ」雑誌を目の上にかざし、テコテコと病院に向かう。
「第4内科はと・・・おっ、ここだここだ」、とすぐに「〇〇さ~ん」と優しく呼ぶ声。

「体温計って問診表と一緒に出してね」 
「は~い」なるほど確かにまだ10分も前だ。