ヤクザの実態 その１ 昼食

目と鼻の先に、ヤクザが引越して来た。
もうすぐ、１年位経つ。

深夜２時。　
窓を開け放し。　
大声で、携帯電話で話している。
内容まで、はっきりと分かる。
くだらない話。
いい迷惑。

窓を開けて言った。
「うるさい！！」
しかし、一向に気にする気配はない。
「うるさい！！」
その時は、それがヤクザとは知らない。

近所に、迷惑な住人が来た。
長い間、空き室。
ボロイ、アパート。
誰かが入った。

近所の、情報局のオバサン。
「あそこに、ヤクザが入ったのよ」
「あのボロイ、アパートに？」
「注意した方が、いいわ。　何されるか、わからない」

ヤクザは、一般人には何もしない。
私は知っている。
ヤクザだろうが、一般人だろうが。
うるさい事には、変わりない。
のさばらせないぞ！！

数日後、昼食の頃。
ヤクザの台所は、窓を全開。
料理をしている。　
材料を刻む音。
炒める音。　
「調味料が足りない」
「味が薄い」

ヤクザも下っ端は、家でご飯を作って食べる。
２ＤＫ。　２部屋。
数人住んでいる。　下っ端のヤクザが。
「向かいの、マンションに住んでいる。
　親分を守る為」
情報通のオバサンが言った。