何を願って手を合わせる?

近くに、お地蔵さんがある。
よく見かけるのは道路の脇
歩道の横に台があり、その上に
仏壇みたいに、こぢんまりと
赤い前掛けをして、祭られ
よく見なければ見過ごす。

左右にお花、お添えして
賽銭箱を配置してある。
８月下旬の地蔵盆には
テントを張って、近所の人が
お祭り気分に浸っている。

それを見て、こんな所に
お地蔵さんが祭ってある
のかと気付いたりする。
日常的に目に付く広さの
物は、非常に数が少ない。

しかし、近くのお地蔵さんは
古く由緒があり、敷地も広い。
お寺かと思う外観で、左右に
人の身長より、はるかに高い
石で出来た灯籠がある。

世話をするのは、地場の旧家で
ごく少数の限られた人間だけ。
そこに、お詣りをする人が
定期的に居るし、中に入らず
道の所から賽銭も投じずに
長時間の願い事をする人も多い。

普通は祭られている前まで
行って、賽銭を入れて拝む。
それが、ごく一般的なやり方
だけど、不況や苦しい時ほど
願いを掛けに来る人が増える。

お寺とは違い、常時、誰かが
そこに居る訳でもないし。
祭られている所以外にも
花が絶やさずに活けてある。
今時、高級ホテルでも造花
の時代に、なっているから。

手を合わせて拝んでいる
のは男女を問わず、大抵
年配の人で若者は見かけない。
政治と宗教の話は、ご法度
と言われるが、神様を信じて？
一心に手を合わせている。