一文字 寅 の 「風菜園(かぜさいえん)」 

「天に星。地に花。人に愛。」 風に乗って、日々の所感を「風菜園」から発信してまいります。

「今までで一番美味いと思った酒は何?」 それに即答できるのなら日本酒なんてとっくに卒業しているさ。4/4

2012年04月05日 23時06分50秒 | みんな~愛『酒』てるかい

( 酒蔵「櫛羅」の酒盃たち )

■2012/4/5(木) 晴~夜・雨

私が日本酒を飲んで、店で日本酒の魅力を話すことは珍しくないが、話していると横からたまに 「じゃ、今まで飲んだ中で一番美味かった酒は何だい?」と聞いてくる客がいる。 今までに10人以上はいただろうか、即答できたためしがない。実は、昨日もその質問を私にしてきた客がいた。

「それに即答できるのなら苦労はしないし、日本酒なんてとっくに卒業している。 私がその答えを教えてもらいたいくらいだ。」内心その気持ちなのだが、その客はそんな気持ちもおかまいなしに、何とか聞き出そうと挑発してくる。

私が同じ質問をその人に先にして答えを聞いたのに 自分の答えは教えないというのなら問題だが、一方的に、「教えないなんて卑怯者!」」という辛辣な言葉まで浴びせてくるのだからタチが悪い。 教えないのでなく簡単に出てこないのだ。 「この人 アルコールは飲んでいても 酒ごころをちっともわかってない人だな」と残念な気持ちになった。

この質問、言葉を変えるなら「今までの人生で一番良かった思い出は何?」と聞かれたことに等しい。 これに即答することがそう容易ではないのと同じだ。

家族との思い出、友達との思い出、学校での思い出、美しい風景、美味しい食べ物の思い出、いろいろな思い出が湧いてくる。 日本酒も季節、場所、その時の料理、飲むメンバー等々によって味わいが変わるものだ。 一番を即答できる人は、オリンピックの金メダリストならまだしも 一般人には容易でないだろうか。

特に 1番はどれ?という聞き方が問題だ。 「何かおすすめの美味しいお酒はあるかい?」聞くならばこうだろう。

美味しいと思える酒は、20~30ほどすぐに出てきても 1番はどれ?といきなり聞かれると 「さてどれが1番なんだろう?」と、迷って即答できるものではない。

「今までで一番美味しいと思ったお酒は何だい?」 この質問を人に発した時「既にその勝負あり」なのである。 その人にとっての一番は、必ずしも他の人にとっての一番ではないのだから

(寅)

 



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2 コメント

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日本酒ってお得! (いとや)
2012-04-06 15:09:11
「篠峯」とってもおいしかったです。マジで。
日本酒はその時美味しいと思ったのが一番ですよ。
一番が沢山あるなんてなんて素敵なんでしょ。
次の一番にいつあたるか楽しみ~。
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「篠峯」今後も楽しみです。 (一文字 寅)
2012-04-06 21:31:04
■いとやさんへ
美味しい酒との数々の出会いが、酒ごころを育てるものだと私は思います。
「篠峯」もそのひとつ。 今年の雄山錦は、感動ものの美味しさでした。
そんな感動を一人でも多くの人に飲み手の立場から伝えることができれば、それが日本酒を楽しむものとしての喜びでもあります。
(寅)
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