最近見慣れたこのこまち糠白釉のブルーのカップ。友人へのプレゼントに数個作った中の一個。
実は底を太陽に向けて見込み(内側)を覗くと、細長~~く間延びしたS字の隙間から陽光がさしてくる。
残念ながらその時の写真がない!
これがいわゆるS字クラック。完全に水漏れがする。イヤこれは水漏れとは言わない。漏れるというレベルではない。
プロはもちろん素人の陶芸を楽しむ人でもこの時点でガシャ~~~ン。
よく人間国宝の人が窯から出して気に入らなければすぐにトンカチで叩き割るシーン。
私のS字クラックの説明に人間国宝を持ち出すのはチョット失礼ですね(笑)
しばらくほって置いたが、数個作った中でカタチが一番気に入っていた。
そこで突然思い付き。なんとかならないだろうか?
まず高台(底)から隙間に胎土と同じ粘土を竹べらで詰め込んでいった。
もちろん乾燥とともに収縮し亀裂が入ることはわかっている。
乾燥を待って高台側からいぶし黒釉を筆塗り。
見込み(内側)にはこまち糠白釉をスプーンでS字クラックに数滴落とす。
そして次回の本焼きにいきなり入れてみた。
まず驚いたのは二度焼きで写真でもわかるとおりブルーがより濃くなった。
好き嫌いの問題だが濃いブルーもまた面白い。
高台側からは・・・。亀裂はさらに少し細長くなったような。
もちろんS字クラック自体が消えることはないが、釉薬が亀裂に流れ込んで漏れは完全に塞げた。
気に入ったものを自分が使う。作った者の愛着というか責任というか。初期の目的は達成された。
つい最近テレビで見たのだが、焼き物業界でもエコに対応せざるを得なくなり、
土の再生・リサイクルシステムを目指しているそうだ。
私は削りカスで出る生土の乾燥土のことかと思い、やってますよと思っていたら、
なんと本焼き、磁器では二度三度焼いた土を細粒に粉砕して土に数割混ぜて使うというシステムらしい。
土という資源も無限ではない!しかし再利用できるとは知らなかった。
一度焼いたら土には戻らない。と思い込んでいた。もちろん戻るわけではないのだろうが。
こんな話になるとあたかも私がエコ精神の実践家みたいですが、ただ単に貧乏性のなせる技!!
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