2018.6 北欧の旅 ⑤フロム鉄道からフィヨルドを眺め、クルーズでフィヨルドを楽しむ
6月24日、日曜、ウルビックのホテルで目覚める。カーテンは開けたまま寝た。夜の11時ごろにようやく暗くなり、朝方の4時前には明るくなる。
夏至のころの夜は4~5時間のようだ。
満々と水をたたえたフィヨルドが目の前に広がる。
フィヨルドは、私流の解釈では、氷河が柔らかな岩を押し出してつくり出した峡谷である。海の水と氷河や根雪の溶けた水が流れ込んで、湖のような風景をつくり出す。峡谷が堰き止められて真水の湖が隣りに並ぶことも多いそうだが、フィヨルドか湖かは見分けが付かない。
フィヨルドは氷河が押し出して地形をつくるからU字型になり、日本のように大雨が削り取ってつくり出すV字型の峡谷に比べ、形は柔らかである。
といっても、岩石がむきだし、岩が崩れ、砂利が斜面を流れ落ちているから、山肌は荒々しい。
それでも何十万年、何百万年のあいだ、草が生え、弱々しい樹木が山を覆うので、遠目には柔らかな、静かな風景である。
ホテルからフィヨルドを堪能したあと、バスでベルゲン鉄道のヴォス駅に向かう。
ヴォス駅からベルゲン鉄道におよそ1時間乗り、フロム鉄道のミュルダール駅へ。ほとんど観光客しか乗っていない。田園の中を走る。
ミュルダール駅は標高866m、ここからフロム鉄道の乗り、フィヨルドを眺めながら標高2mのフロム駅に下る。最大5.5%の急勾配を下る。逆方向は5.5%を上る。通常の列車では滑ってしまうので、山岳鉄道の仕掛けがしてある。
およそ1時間、岸壁を下る幾筋もの滝、岩肌を覆う草や樹木に覆われた緑を眺めながら、フィヨルドを下っていく。
フロム駅近の老舗ホテルでランチを取ったあと、およそ2時間のフィヨルドクルーズを楽しむ。といっても小雨がぱらつき、風が出てきて、甲板は寒い。
山あいの湖クルーズのような感じだが、潮水のフィヨルドである。そのまま進めば海に出るはずだが、およそ2時間後、グドヴァンゲンで下船する。
クドヴァンゲンからバスで、フィヨルドを望む宿に戻り、日が落ちる11時過ぎまでフィヨルドを眺める。フィヨルドづけになる。続く