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旧舘岩村の茅葺き曲屋保全は、画期的な環境美化条例+村づくり研究会の先見性が背景にある

2015年12月26日 | studywork

2015.12.26-12.27  2004年 福島県舘岩村の村づくり20年「環境美化条例と曲家保全」 /2004.7記
 福島県旧舘岩村の村づくり支援を始めたのは1989年である・・もう26年になる、感慨深いね・・。
 きっかけは、1986年度から開始された当時の国土庁(現在の国土交通省)主催のアメニティコンクールで舘岩村が1987年度の最優秀賞に選ばれたことである。受賞の理由の一つは、1985年に制定された、舘岩村環境美化条例である。
 過疎化しつつある地方の山村が、観光立村を目指したことも先見性があったと感心するが、観光立村の展開するためには景観の美化が必須であり、そのために村民を説得し、環境美化条例を制定したのである。アメニティコンクールの審査委員は、村民と先導した村長+村議会の意欲に並々ならぬものを感じたのであろう。最優秀の栄誉となった。
 舘岩村の自然景観も素晴らしいが、茅葺きの曲屋がよく保全されていて、知る人ぞ知る伝統景観の宝庫でもあった。
 村長+村では、曲屋保全活用をすすめ、観光立村を推進したいと考えていて、アメニティコンクールの審査委員を介して、N大のI氏と私に依頼が来たた。
 以来、年間を通し、泊まり込み+日帰りで舘岩村に出かけ、取材+調査、集落座談会、検討会、発表会を重ねた。
 間もなくして村づくり研究会が発足し、それから20年、舘岩村に通い続けた。
 2004年、全国で始まった市町村合併に呼応し、舘岩村も1町3村の合併に加わることになった。応じて、村づくりの体制も変わるので、これを潮時として村づくり研究会を辞任することにし、先進的な環境美化条例の効用を振り返ってみた。
 詳しくはホームページを参照して頂ければと思うが、2004年現在、環境美化条例による助成制度で、前沢集落に12戸、水引集落に8戸の保全がなされ、茅葺き曲屋愛好家の目を楽しませている。前沢集落に移築された茅葺き曲屋の蕎麦店は好評と聞いている。
 環境美化条例がなければ、アメニティコンクールでは最優秀賞に漏れ、村づくり研究会も発足せず、茅葺き曲屋の保全も難しかったかも知れない。
 村づくり+茅葺き曲屋保全に多少なりとも力になれたことは、幸甚である。

 

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