原作は何年も前に読んでいたのだが、数ヶ月前にDVDで発売されていることを知りアマゾンで価格が下がるのを待っていたのだが先週ついに購入した
70年代アメリカで大ヒットした『 ルーツ 』( 原題 Roots )である。
『 マルコムX自伝 』等を書き上げたアレックス・ヘイリーが自身の家系に伝わる話を基に作り上げた半分フィクション、半分ノンフィクションの超名作である。
この全6話からなるTVシリーズにはあらたなるストーリー、場面等が加えられているが原作同様アメリカ黒人の歴史がこれを観ればよくわかるし、実際アメリカでは学校の授業に取り入れられていたようだ。
ZUYAはご存知の通り、黒人音楽、それに基ずく白人音楽の“虜”であり特にブルースを理解するには黒人の身に起こった悲劇を知らねばと書物や映像等を見まくった時期があった。その時に出逢ったのがこの『 ルーツ 』である。
この『 ルーツ 』の特徴はアメリカ黒人問題と言うとだいたい“公民権問題”周辺が話題となるのだが、なんと彼らのルーツであるアフリカからストーリーが始まるのである。実際にアメリカに奴隷貿易によって連れてこられた黒人の数は2千万人とも言われるが、これをみればその流れと言うか情勢がわかりやすいと思う。最近と言っても90年代だがスピルバーグが『 アミスタッド 』と言う奴隷船で起こった事件を映画化したがこの『 ルーツ 』はそれよりもずっと以前に製作されたものである。後に続編として『 ルーツ2 』も製作・放送されてVHS、DVD化された。
今日は偶然にもアメリカのオバマ大統領が来日したが、いったいどれだけの黒人達が子孫がアメリカ大統領になるなど夢を見ることが出来たであろうか。これに関してはZUYAは100%自信を持って答えられる。これは奇跡なのである
故郷アフリカで自由に生活していた黒人(アフリカ人と言うべきか)は勝手な言い分、思想で白人達に捕まり、身の毛もよだつ奴隷船で何ヶ月もかけて運ばれアメリカに連れてこられた。自分達の言語、風習、宗教等あらゆるものを禁止され文字通り白人の利益のためだけに“奴隷”と化し不遇の時代を送ることになる。
文字の読み書きも禁止、集会の禁止(これに関しては寛大な白人のだんなは認めていたそうだが)、白人が黒人を殺しても罪にならない...全く恐ろしい世界と言うか時代であった。
ZUYAが以前北米にいたときよく『 なぜ日本人は宗教を信じない人が多いのか? 』と尋ねられたがこう答えたものだ『 他の日本人はどう思っているか知らないが、もし神がいたり宗教という物が価値の見出せるものならなぜ黒人奴隷の問題が起こったのか? 』と。誰も返答できなかった。
もう何年も前にローマ法王がユダヤ人の虐殺を謝罪したことがあったがそれでうまく行くかと思ったらユダヤ人を未だに嫌う人は数限りない。それと同じくアメリカでも黒人が大統領になったとは言え『 白人優位主義 』は存在するしそれはまだまだかなりの勢力のようだ。
ZUYAが思うに人間が存在する限り差別、人種間の問題はなくすことは縮小は可能でもう撲滅は不可能である。
話は長くなったがこのZUYAのブログを読み『 ルーツ 』に興味をもたれた方はぜひ読むなり観るなりしていただきたい。そしてそれによりたとえ1人でも『 人間とは何なのだろうか 』と考えてくれたならば、今病気でギターが弾けなくブルースを広められないZUYAにとって、それ以上の喜びはないだろう
ピース