A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

1956年のNewportにはELLINGTONが登場

2007-04-14 | MY FAVORITE ALBUM


Basieのオーケストラが、Newport Jazz Festivalの常連であるならば、Ellingtonも負けてはいない。Basieがゲストを招いてショーアップするのなら、Ellingtonは「大作」を持ち込んだ。
エリントンは、「・・・・組曲」と称して、テーマを決めて新たな作品を組曲として発表することが多い。単発的に曲を作るのではなく、組曲としての全体のトーンとイメージを大切にしているのだろう。JAZZ界の偉大な作曲家の一人だ。

今回のタイトルは、そのものズバリ「Newport Jazz Festival Suite」だ。
一曲目のFestival Junctionは、ジミーハミルトンのクラリネットに始まり、オーケストラの中心的なソリストが次々に顔見世だ。最後は、Cat Andersonハイノートで終わる。
2曲目以降も、ラッセルプロコープのクラリネット、レイナンスやクラークテリーのトランペットなどが続く。
まさに、エリントンサウンドここにありといった感じである。
Jeep’s Blueでは、大番頭ジョニーホッジスの登場。

しかし、このアルバムの最大の見ものは、この組曲ではない。最後の「Diminuendo and Crescendo in Blue」のPaul Gonsalvesのテナーソロ。
「伝説の27コーラス」といわれているものだ。
息をつく間も感じさせず一気に吹きまくるプレーに、会場が段々と只ならぬ興奮状態になってくるのが感じとれる。女性が踊りだしてしまうのも分かる気がする。

Big Bandのソロのフィチャーで、ここまでのロングプレーは聴いたことがない。
あのサドメルも、ライブでは乗り出すと延々やることはあるが、ここまでは・・?
このプレーだけでも価値ある一枚。



このアルバムも、CD盤が出ると実態が明らかになった。組曲の演奏は実はライブではなく、スタジオ録音であったとか。
「レコードは所詮編集されているものだ」と割り切りで聴かねばならないものだが。
ライブ演奏はそのままの姿だと信じていたのは自分だけか。多少ソロがカットされている程度は仕方が無いが。そもそもライブではなかったというのはどうしたものか。

顔立ちが気に入って付き合っていたら、いきなり整形と明かされても・・・。
昔のライブ盤のLPを興奮して聴いていたものに関しては余計に思い入れがあるので。
ライブ全体の録音が再発されコンサートの全貌が分かって聴いてみても、何となく最初の感動を覚えないのは仕方がないのか・・・?とも思ったが、

よくよく調べてみるとライブの演奏ではエリントンが満足せず、一部再録音になった物にライブ音を合成したそうだ。ゴンザルベスのソロも間違ったマイクに立ってしまったために満足する音では録れていなかった物をVOAの録音と合成したりして現在のCD盤は完成したとか。
歴史的なコンサートを忠実に再現するのも一つだが、最高の演奏を残すのも意義があること。整形も素材を生かすための場合は良しとしよう。

1. Festival Junction
2. Blues To Be There
3. Newport Up
4. Jeep's Blues
5. Diminuendo And Crescendo In Blue

Duke Ellington Orchestra

Recorded in performance at the American Jazz Festival at Newport , on July,1956

Ellington At Newport 1956
Duke Ellington
Sony
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サドメルの一番のお気に入り盤。だけど日本盤をジャケ買いする人はいなかっただろう。

2007-04-13 | Thad Jones & Mel Lewis & VJO
Thad Jones & Mel Lewis Live at the Village Vanguard

自分の好きなJazzアルバムを、あまりターンテーブルに乗ることもなくなったアナログLPを聴き返す為にもはじめてみたこのブログ。
特に自慢する稀少盤を持っている訳でもなく、中身の演奏や購入したときの経緯などを思い出しながら自分の頭の中の整理を兼ねて書き綴っている。

特に思い入れのあるアルバムに関しては、せっかくだから何か旨く紹介できればと思うのが災いして反対になかなかきっかけが掴めなかったりしている。

ここのところ、BIG BANDが続いているが、そうなると、どうしてもサドメルが気になる。
これまでも、何枚かは紹介しているが、やはり本命は、VILLAGE VANGUARDのライブの一作目。これがサドメルの原点だろう。
これは、自分の好きなアルバムでベスト5を上げれば必ず入る。
BIG BAND好きになったのも、このLIVEアルバムの印象と日本に初めて来た時のライブ演奏を肌で感じながら聴いた体験が、合い前後して一致した時からだ。

なかなか本場アメリカでのライブの様子をレコードで聴けても映像で観る機会は少ない。さらに実際にその場で生を聴ける体験となるとそれは無理な望みでもあったのだが。
それを日本で体験できたとは。とにかく強烈な印象だった。

先日、大学生の息子から声を掛けられた。
「JAZZのアルバムのジャケットってどうしてカッコいいのかな?」と。
以前から音楽好きではあったが、以前はJAZZには関心を示さなかったのに。そういえば、最近、自分のCD棚から時々持ち出している気配はあったが。
しばらく、ジャケット談義をしたが、自分の息子とジャケ買い話ができるようになったとは嬉しいものだ。
その時、オリジナル盤と日本盤のデザインの違いで、日本盤では全く中身のイメージが沸かないアルバムのひとつが、このサドメルのアルバムであることを思い浮かべていた。
好きなアルバムのジャケットのデザインが今一だと、何か残念な気がしてならない。素顔がきれいな女性が、変な化粧をいたようなもので。
オリジナル盤のデザインは悪くは無いのだが。



もちろん、演奏の中身はアルバムのイメージからは想像できない、ホットな演奏が続くのだが。

中身について語ると終わりそうもないので改めてにしよう。
ジャケット紹介で、このアルバムのことを書くとは思わなかった。
このアルバムは、もちろんCD盤も持っているが、7曲目以降のbonus Trackも嬉しいおまけだ。

1 Little Pixie Jones 10:34
2 A-That's Freedom Jones 7:01
3 Bachafillen Brown 7:08
4 Don't Git Sassy Jones 7:22
5 Willow Tree Waller, Razaf 5:04
6 Samba Con Getchu Brookmeyer 12:17
7 Quietude [*] Jones 4:48
8 Second Race [*] Jones 9:37
9 Lover Man [*] Sherman, Ramirez, Davis 4:53

Jerome Richardson (as)
Jerry Dodgion (as)
Eddie Daniels (ts)
Joe Farrell (ts)
Pepper Adams (bs)
Thad Jones (flh)
Snooky Young (tp)
Jimmy Nottingham (tp)
Richard Williams (tp)
Marvin Stamm (tp)
Bill Berry (tp)
Bob Brookmeyer (vtb)
Garnett Brown (tb)
Tom Mcintosh (tb)
Cliff Heather (btb)
Roland Hanna (p)
Sam Herman(g,shaker)
Richard Davis (b)
Mel Lewis (ds)

Recorded live at Village Vanguard April 28,1967
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新進気鋭のMaynard Ferguson Orchestraも ’58年 Newportの舞台に

2007-04-12 | MY FAVORITE ALBUM
A MESSAGE FROM NEWPORT / Maynard Ferguson & His Orchestra


「真夏の夜のJAZZ」の素材である、1958年のNewport。
この映像には映っていなかったが、ここにMaynard Fergusonのオーケストラも参加していた。

BIG BANDを編成して自分の思うようなJAZZを自由にやってみたい。JAZZプレーヤーであれば一度は夢見ることであろう。
レコーディングであれば、テンポラリーにメンバーを集めてBIG BAND編成のアルバムを作ることができる。しかし、BIG BANDでバンド全体のサウンドがこなれてくるにはどうしても時間がかかる。
いわゆる「リハーサルバンド」のように、定期的に集まっては演奏を楽しみながら内容を磨いていくのもひとつの方法だ。
サドメルのオーケストラは、これをVILLAGE VANGUARDの毎月曜日の夜のセッションで実現していった。

ところが、レギュラーバンドを組むとなると一番の問題は経済的な事情だ。
大勢の人数のバンドメンバーを普通のLIVEの演奏のギャラだけで賄えないのは想像しただけでも分かる。
レコーディングとコンサートツアーをレギュラーで組めるというのは、エリントンやベーシーなどの一流バンドになって初めてできることだ。

この困難な環境に果敢に飛び込んで成功を収めたBANDは数える程しかない。
歴史のあるウディーハーマン、そして、晩年になってから成功を収めたバディーリッチ。
そして忘れてはいけないのがMaynard Fergusonのオーケストラだ。

昨年惜しくも78歳で亡くなったが、最後まで最前線で現役でプレーを続けていた。
元々カナダ出身でウェストコーストで活躍。スタンケントンのオーケストラなどに加わって頭角を現してきた。

彼の売りはハイノートのトランペットだ。
この自分のプレーの特徴を生かしたオーケストラが、彼の夢であったのだろう。
何回かのレコーディングで、自分のBIG BANDをトライアル。
56年には東海岸に移って、あの「BIRDLAND」にトライアルデビュー。きっと「いけるぞ」という感触を得たのだろう、翌年‘57年には自らのBANDを立ち上げる。

Fergusonのバンドも、“1957年”に誕生しだったのだ。

FergusonのOrchestraの特徴は、通常の編成より少し小ぶりの13人編成。
しかし、サウンドと迫力は他のフルバンドに負けてはいない。特にファーがソンも加わっているトランペットセクションは強力だ。
さらに、伝統的なSwing Bandではなく当時流行のハードバップの根ざしたモダンなサウンド、そして、白人・黒人が旨くミックスされたていたことなど・・・、
常に時代の最先端を取り込む、バンドの基本コンセプト「先取の精神」はこの頃から変わっていない。

そして、早くも翌’58年のNewport Jazz Festivalに出演。一躍桧舞台への大出世だった。

演奏されている9曲はすべてオリジナル。一曲を除いて、バンドのメンバーが作編曲を提供してる。すべてがバンドのメンバー達の手作りの演奏というわけだ。
バンドカラーは、Slide HamptonやWillie Maidenのモダンな感覚に支えられて、時代の最先端を行くパワフルなサウンドだ。後に、有名なアレンジャーになった、Don Sebeskyも作編曲それにトロンボーンプレーで活躍している。

翌年の「BAIDLAND」でのライブに向けて、ますますパワーアップしていく予感を感じさせる。

Maynard Furguson, Bill Chase, Clyde Reasinger, Tom Slaney (tp)
Slide Hampton, Don Sebesky (tb)
Jimmy Ford (as)
Carmen Legio,Willie Maden (ts,arr)
Jay Cameron (bs)
John Bunch (p)
Jimmy Rowser (b)
Jake Hnna (ds)
Bob Freedman (arr)

Recorded Freeport Park Newport , July &6,8 , 1958

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QUINCY JONESが「サンタアナの風」に乗って

2007-04-11 | Thad Jones & Mel Lewis & VJO
Go West Man! / Quincy Jones

英文のライナーノーツの冒頭に、「サンタアナ」の風の事が。
南カリフォルニアで冬に東の山から海の方に時に吹く季節風。
涼しい気候に、突如暑い風が吹く砂漠性のフェーン現状だそうだ。
時々、カリフォルニアの山火事がニュースになる。きっとそんな時の出来事なのだろう。

涼しげに「Cool Jazz」演奏をしていた西海岸に、Quincyが突然「サンタアナの風」に乗って登場する。そんな雰囲気のアルバムだ。
ちょうど東からの風。遠くNEW YORKではハードバップが真っ盛り。
RUDY VAN GELDERのスタジオでは、連日のように「BLUE NOTE」のSESSION
が繰り広げられていた頃だ。
この風は、当然西海岸にも届いていたと思う。

時は1957年2月、ABCと契約をして自己の初リーダーアルバム「私の考えるJAZZ」を56年に吹き込んだQuincyは、パリに留学する前にもう一枚のアルバムを吹き込んだ。
それが、このアルバムだ。

西海岸に単身乗り込んで、地元のメンバーを3つのセッションに分けて集めた。
それぞれトランペット、アルトサックス、テナー&バリトンサックスを4人ずつ、それにリズムセクションを集めてのセッションだ。
それも、どの一人をとってみても一流どころを厳選して。
最高のネタを仕入れて最高の料理を。ここは、板前の腕の見せ所である。

このように同じ楽器を何人も集めてアンサンブルを売りにするセッションは、BIG BAND好きの自分としては「お気に入りの部類」だ。どんな音が聴けるだろうかワクワクさせる。

何か企画を立て、全体を旨く纏め上げ、そしてそれらの相乗効果で最高の結果を出す。
何の仕事でも「プロデューサー」と呼ばれる人種にとっては共通の目標だろう。
企画力や実施力だけでなく統率力が求められる。それは、必ずといっていいほどある種の尊敬の念を持って他人に受け入れられる人間的にも魅力がある人間であることが多い。

一トランペットプレーヤーからスタートし、作編曲の仕事を数多く行うようになっていた。そして、ガレスピーのオーケストラのマネジメントを経験したQUINCY。
ここでは、プレーはもちろん、作編曲も提供していない。若くして、今回が早くも「プロデューサー」としての初仕事だ。

プレーヤー選定、3つのセッションの選択、そして曲はメドレー以外、皆オリジナル曲。その仕上げには3人のアレンジャーの起用。
どれをとっても「プロデューサー」QUINCYのこだわりと贅沢さが感じられる。
これは、後のQUINCYに共通するところだ。
美味しい鮨を食べるには、素材と、職人と、そして雰囲気のよい店が必要なのと同じように。

このアルバムから聞こえるサウンドは、もちろんWEST COASTの極上のサウンドだ。
しかし、その味付けは、流行の東海岸風ではなく、あくまでもQUINCY風に。
サンタアナの風は、「QUINCY」そのものであった。

1 Dancin' Pants Giuffre 3:47
2 Blues Day Giuffre 4:40
3 Bright Moon Giuffre 5:17
4 No Bones at All Mandel 3:55
5 Oom Is Blues Mariano 5:06
6 Be My Guest Niehaus 4:27
7 Medley: 6:17
What's New
We'll Be Together Again
Time on My Hands
You Go to My Head
Laura
8 London Derriere Mandel 4:03
9 Kings Road Blues Niehaus 5:02

SESSION A
Benny Carter/Art Pepper/Herb Geller/Charlie Mariano alto sax
Lou Levy piano
Red Mitchell bass
Shelly Manne drums

SESSION B
Harry Edison/Conte Candoli/Pete Candoli/Jack Sheldon trumpet,
Carl Perkins piano
Leroy Vinnegar bass
Mel Lewis drums.

SESSION C
Buddy Collette/Bill Perkins/Walter Benton tenor sax, Pepper Adams baritone sax
Carl Perkins piano
Leroy Vinnegar bass
Shelly Manne drums.

Recorded, February 1957
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1957 年のNewport。ガレスピーが炸裂すればベイシーも負けてはいない

2007-04-10 | Thad Jones & Mel Lewis & VJO
COUNT BASIE AT NEWPORT

「真夏の夜のJAZZ」の舞台になったのが、翌’58年のNewport。
この頃の“Newport Jazzfestival”、大物達が次から次へと熱演を繰り広げている。
このアルバムも有名なアルバムの一枚。

CD盤では、今までいくつかのアルバムに分かれて出ていたのが一枚になってステージを再現してくれている。
ライブ物のCD再発はbonus trackが、単なる別テイクではなく、収録しきれなかった曲が追加されることが多い。これは、おまけではなく本当ボーナスだ。ついつい全部聞いてみたい欲求が沸き起こる。LPを持っていてもついつい食指が動くのだ。
特に最近は、改めてじっくりと聴くようになってきているので余計に気になる。
右脳型ではなく左脳型人間の悪癖かもしれない。

この年、ガレスピーは初出演だった。それにに対してベイシーは55年から出演していて別格扱い。この年もトリを努めて、ガレスピーの出演した翌日、7月7日の夕刻の演奏だ。

ステージは、ジョンハモンドのメンバー一人一人の丁寧な紹介から始まる。
これを聞いて改めて思ったのだが、アメリカでは紹介の時必ず出身地を入れる。これはどうしてなのだろう?
日本では、紹介のときに出身地を言うのは、政治家と相撲くらいかも。

当時の強力メンバーに支えられたオーケストラは新曲からスタート。ライブらしく合いの手も入りベーシーサウンドがいきなり炸裂する。
続いて昔在籍したOBやゲストをフィーチャーして次々に熱演が続く。知らないもの同士、普段一緒にプレーをしないもの同士のジャムセッッションは緊張感があっていいいが、昔の仲間が加わっての演奏は和気藹々とした気分が伝わる。
後半は、当時の専属歌手Joe Williamsが登場。54年の入団なのでバンドのメンバーとの呼吸もピッタリだ。

最後は、テーマ曲のOne O’clock Jump。これも、ゲストを加えていつもより盛り上がって終わる。
フェスティバル自体もこれで終わり。最後に、「Festivalもこれにて終了」のアナウンスが入る。本当のフィナーレに相応しい演奏だ。

1 Introduction 4:52
2 Swingin' at Newport Wilkins 8:30
3 Polka Dots and Moonbeams Burke, VanHeusen 3:33
4 Lester Leaps In Young 3:02
5 Sent for You Yesterday (And Here You Come Today) Basie, Rushing, Durham 4:04
6 Boogie Woogie Basie, Rushing 3:49
7 Evenin' Parish, White 3:32
8 Blee Blop Blues [CD Only] Basie, Salim 2:22
9 Blee Blop Blues [CD Only] Basie, Salim 2:22
10 All Right, Okay, You Win [CD Only] Wyche, Watts 2:45
11 Come Back [CD Only] Frazier 4:10
12 Roll 'Em Pete [CD Only] Turner, Johnson 3:00
13 Smack Dab in the Middle [CD Only] Calhoun 3:44
14 One O'Clock Jump Basie 9:26

Wendell Culley, Reunald Jones, Thad Jones, Joe Newman (tp)
Roy Eldridge (tp -7) Henry Coker, Bill Hughes, Benny Powell (tb)
Bill Graham (as) Marshall Royal (as, cl)
Frank Foster (ts) Lester Young (ts) Illinois Jacquet (ts) Frank Wess (ts, fl)
Charlie Fowlkes (bars)
Count Basie (p, org)
Freddie Green (g)
Eddie Jones (b)
Sonny Payne (d)
Jo Jones (d)
Jimmy Rushing (vo)
Joe Williams (vo)

'Newport Jazz Festival', Newport, RI, evening, July 7, 1957
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BARNEY KESSEL が師と崇めたのはCharlie Christian

2007-04-09 | MY FAVORITE ALBUM
Chrlie Christian / Jazz Immortal

BARNEY KESSELが心酔したCharlie Christian。
彼は、言うまでもなくGUTARをあたかもサックスのようなソロプレーの花形にした生みの親である。これはJAZZに始まり後にRockの世界にもつながる大偉業だ。
と同時にbopの誕生の礎を導いた一人でもある。
本格的なBopの誕生を前に、逝ってしまったのが残念だ。
クリフォードブラウンにしても、スコットラファロにしても、どうして際立った天才は短命なのだろうか。

GREAT JAZZGUTARSの“Topsy”を聴いて、久々にクリスチャンを聴いてみた。
有名なミントンプレイハウスのチャーリークリスチャンだ。何年か振りで針を落とす。
一曲目の ”SWING TO BOP”が、実は中身はTopsyだ。Topcyのコード進行を借りたジャムセッションでのプレー。題名も後からつけたものらしい。

演奏の途中から始まり。途中で終わる。
まだテープレコーダーが無い当時の録音機器の事情で仕方が無かったそうだが。
でも、この一曲がJAZZのImprovisationであり、JAZZギターのソロプレーの本質であることは十分に味わうことができる。

今聴けば当たり前のプレーかもしれないが、他に誰もやっていない時、このように自信に満ちたプレーができるとは。先駆者というのは、いつの時代でも素晴らしいものだ。
それも彼の場合はオクラホマの田舎から出てきてまだ2年足らずで。
このアルバムには、他にも当時のガレスピーの演奏もあるがここはクリスチャンに軍配あり。
ガレスピーの本領発揮はもう少し後だ。

日本がこれから戦争を迎えようとして国全体が緊張感を迎えていた時、New Yorkのハーレムの片隅では、毎日このようなプレーを求め、また新しい音楽を求めて、腕達者と若きチャンジャーが集まっていた。
彼らが新しいJAZZが生まれる緊張感を味わっていた時と、日本の若者が戦場に向かう緊張感を迎える時が全く同じ時期だったとは。
考えさせられることが多い。
戦争なんかやるものではない。壊されるものは多くあっても、生まれてくるものは何も無かった。

SWING TO BOP
STOMPIN’N AT THE SAVOY
UP-ON TEDDY’S HILL
GUY’S GOT TO GO
LUPS FLIPS

  Charlie Christian (g)
 Joe Guy (tp)
 Theronious Monk (p)
 Nick Finton (b)
 Kenny Clark (ds)

Recorded May.1941,

STAR DUST
KEOUAC

 Dizzy Gillespie (tp)
 Don Byas (ts)
 Joe Guy (tp)
 Kenny Kersey (p)
 Nick Felton (b)
 Kenny Clark (ds)
  And others
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DUOがよければTRIOはどうだ!

2007-04-08 | CONCORD
GEREAT GUITARS / Charlie Byrd, Barney Kessel , & Herb Ellis

72年のConcord Jazz FestivalでのケッセルとエリスのギターのコンビのライブでスタートしたConcordレーベル。翌年73年のフェスティバルでも、同じコンビの演奏がライブで録音された。

そして翌年74年。6月28日の日曜日の夜。サンフランシスコ近郊のConcordは、この時期でも夜は肌寒い気候だったそうだ。
第6回のConcord Jazz Festivalのステージには、いつもの2人に加えてもう一人のギタリストが座っていた。
Charlie Byrdだ。2人と違って、手にしているのはアコースティックギター。
はたして、3人でやって旨くいくのだろうか?

最初は3人揃って「Undecided」から始まる。3人でユニゾン、ソロにバッキングを絶妙に掛け合いながら、まずは3人で小手調べといったところだろう。
軽いアップテンポで、それぞれの持ち味を出している。

O Baequinhoは、ボサノバのリズムで、Byrdの独演会。もう一曲Charlie’s Bluesのプレーも秀逸だ。この世界はByrdの独壇場。
2人の入る隙はない。

B面にいくと、GoodmanとCharlie Christianのコンビの名曲の再現にチャレンジ。
Topsyと最後の締めのBenny’s Bugle。
これは、3人で一緒のプレー。かなり気合が入る、元々クリスチャンの信奉者であるケッセルがクリスチャンのプレーに迫る。

途中に、KesselとEllisのduoが3曲ある。
バックの2人が休んで、2人のショーケース。
ある時はソロを、バックを、そしてパーカッションのように、2人の手にかかると一台のギターが七色変化だ。
最初はラテンのリズムで軽くノリ、続いてスローなブルースでネチッコク、最後はギターでブギウギ。古き良き時代のスイング感を思い出させる。
一方が、ピアノの左手の低音域を担当し、「ピアノでなくともブギウギはできるぞ」とでも言いたげだ。

というわけで、3人寄ると、それぞれの良さを活かすのもよし、2人のDuoもよし、さらに3人で競い合うもよしと、ますます幅が広がる。肌寒さを吹き飛ばすだけの3人の熱気が伝わってくる。
ギターの魅力の奥深さを再認識した一枚。ギターの名手3人の競演は大成功。
単なる顔見せ興行以上のプレーを聴く事ができる。

Undecided
O Barquinho
Slow Burn
Charlie’s Blues
Topsy
Latin Groove
Down Home Blues
Hand B Guitar Boogie
Benny’s Bugle

Barney Kessel , Herb Ellis, Charlie Byrd (g)
Joe Byrd (b)
John Rae (ds)

Recorded live at Concord Jazz Festival, July 28, 1974
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GOMEZが加わったEVANS TRIOは一味違う。

2007-04-07 | MY FAVORITE ALBUM
A Simple Matter of Conviction / Bill Evans Trio

66~7年頃のBIG BAND事情を思い起こしながらアルバムを引っ張り出していたが、他のプレーヤーはどうだったのか?
気になってレコード棚を改めて探してみた。
自分の整理方法はコンボ、ビッグバンド、ヴォーカル毎にプレーヤーのABC順に、そしてConcordレーベルだけは別扱いしている。
ちゃんと比較すればもちろんコンボが多いが、それぞれそこそこの数がある。
という事は、BIG BANDが多分普通のJAZZファンより多い。
「コンボ」の棚にこの一枚があった。他のエバンスのアルバムも久しぶりに何枚か一緒に持ち出してきたが。

61年に相棒のScott LaFaroを失ってから、EvansのTrioのBassの定位置はChuck Israelが努めることが多かったようだが、どうしても前任のLafaroと比較されることが多い。
何の世界でも、前任が優秀過ぎると後釜はどうしても割りを食う。
EvansのTrioでは、BASSはバックというよりは相棒のポジション。相性が大事だったのであろう、なかなかパートナーが定まらず。プレー自体も、試行錯誤の時期かもしれない。

このアルバムでは、その大事なポジションに、Eddie Gomezが始めてスタジオ録音で加わった記念すべき一枚である。ライブではその年の初めからプレーをしたことはあったようなので、呼吸はすでにピッタリだ。
これを機に、その後10年以上2人はコンビを組む。多分EVANSが一番長く付き合った相手だろう。GOMEZとはしっくり意気が合ったのであろう。

ドラムには、今回はベテランのShelly Manneが加わっている。
彼も自分が好きなドラマーの一人だ。
基本的にはきちんときまった4ビートが得意ではあるが、つぼを心得た「オカズ」を散りばめるドラミングはエバンスの流れるようなピアノ、ゴメスの絡みつくようなベースにもよくマッチしている。
ジャケットの写真で、エバンスの前に一人どっかりと座っているのも貫禄であろう。

2人の共演は、初めてではない。EVANSの、有名なSHELLY’S MANNE-HOLEでの録音のドラムは本人ではなかったし。それほど一緒にやる機会はなかったはずだが、レギュラートリオのように息が合っている。

写真でもう一人、脇から様子を伺うような感じのGomezはまだこのとき21歳。
ところがプレーは、2人の先輩を相手に見事にダイナミックなプレーを聞かせてくれる。
ベースの音自体もスピード感がある割には温かみを感じる太い音。
それまでにも、Gerry MulliganやMilesとの共演もすでに経験していたらしい。このアルバムでの演奏、その後の活躍を見ても彼も天才肌のプレーヤーの一人だ。
EVANSはやはり見る目があったのだろう。

曲は、EVANSのオリジナルも多いが、I’m getting sentimental over youが自分のお気に入りだ。Lauraも好きだが、少しテンポが速いかな?

そういえば、EVANSも、New Yorkの“VILLAGE VANGUARD” には、以前からよく出ていた。ここでの、有名なLIVE録音もあるし。

このアルバムの録音されたのが’66年。それ以降も、この、VILLAGE VANGUARDには継続的に出演している。そのライブの様子もしっかり残されている。
丁度時期的にはサドメルのオーケストラが活躍していた時と重なる。
実際には、出演日も異なりすれ違いではあったとは思うが、同じステージに両者が入れ替わり出ていたとはその当時の出演者は豪華ラインナップだ。
どちらも“大ファン”としては、その時代のニューヨークにタイムスリップしてみたいものだ。

A Simple Matter Of Conviction
Stella By Starlight
Unless It's You
Laura
My Melancholy Baby
I'm Getting Sentimental Over You
Star Eyes
Only Child
These Things Called Changes

Bill Evans (p)
Eddie Gomez (b)
Shelly Manne (d)

Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ, October 4, 1966
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西海岸を本拠地にしていたGERALD WILSONもカリフォルニアの味付けで

2007-04-06 | MY FAVORITE ALBUM
LIVE and SWINGING / The Gerald Wilson Orchestra plays Standards and Blues

先日あるBIG BANDファンの方のブログを見ていたら、GERALD WILSONのオーケストラの記事があった。それも比較的最近の録音のものが。
名前は知っていたしアルバムも数枚持っていたが、ほとんど忘却の彼方に消えてしまっていたWILSONオーケストラ。
早速取り出してみると、奇しくもこのアルバムも1967年の録音。
彼のBANDもこの時期、西海岸で頑張っていたようだ。

西海岸、Hollywoodsの郊外にある、“Marty’s”でのlive録音だ。
先日紹介した“JAZZ FOR A SUNDAY AFTERNOON "の3作目もここでのライブ。
時期的には、こちらが一年弱前だがほぼ同時期。このオーケストラに加わっているHarold Landは、翌年のこのジャムセッションにも加わっている。

WILSONは、1918年生まれ。90歳近くになった今でも現役で活躍しているということだ。
したがって活動暦も長い。戦前からJimmy luncefordオーケストラに加わり、40年代後半は、BasieやGillespieのオーケストラに加わったこともある。
そして、61年に、このオーケストラを西海岸で編成し、Pacific Jazzに毎年のようにアルバムを残している。

タイトルは「LIVEでSWING」する。そして曲は、「StandardとBlues」。
SWING系のBIG BANDを想像すると少し趣が違う。
1曲目から、8ビートでチャールストリバーのモダンなサウンドが鳴り響く。
これはオリジナルなのでいいが、スタンダード曲、それも他のBANDで名演があったり、イメージが固まっているものはどうするのか気になるものだ。
Basieの十八番、「Li’l Darlin’」。これは名前を聞いただけでイメージが固まっているが、さて果たしてどう料理しているのか。次の「Misty」も同様だが、ここではJack Wilsonのオルガンをフィーチャーして仕上げている。
Big Bandでオルガンが入るのは珍しいが、この音が入ると俄然ソウルフルな感じになるから不思議だ。日本では一時、前田憲男がBig Bandでオルガンをよく使っていた。
一転、「Viva Tirado」ではラテン調で。数年後、ラテンロックグループ「El Chicano」がヒットさせた。
WILSONの一味違った味付けのBig Band演奏が楽しめる一枚だ。

メンバーを見ると、トランペットにはCharles Triver、サックスセクションには、Anthony Ortega、Harold Land、そして、Haward Johnsonと、要所にはキープレーヤが見受けられる。

Paper Man
I Should Care
I’ve Got It Bad(And That Ain’t Good)
The “IT’s” Where It’s At
Blues For A Scorpio
Li’l Darlin’
Misty
Viva Tirado

Gary Barone, Dick Forest, Larry McGuire, Alex Rodriguez, Charles Triver (tp)
Lester Robertson, Mike Barone, Thurman green, Don Switzer (tb)
Anthony Ortega, Ray Bojorquez (as)
Harold Land, Hadley Caliman (ts)
Haward Johnson (bs&tuba)
Phill Moor Ⅲ(p)
Jack Wilson (org)
Buddy Woodson (b)
Carl Loff(ds)

Live at “the Marty’s” on the hill, March 31,April 1.2 ,1967
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「自分のBIG BAND編成」を夢見てSWEDENで腕試し。

2007-04-05 | MY FAVORITE ALBUM
HARRY ARNOLD + BIG BAND + QUINCY JOMES = JAZZ

QUINCY JONESはヨーロッパと相性がよかったのかもしれない。
ライオネルハンプトンのバンドで渡欧した時もパリでクリフォードブラウンとの有名なパリセッションを残したし、後の自己のBIG BANDも、旗揚げはヨーロッパであった。

56年にガレスピーの中近東ツアーを仕切った後、一緒に「WORLD STATEMAN」を吹き込んだが、その後のツアーにはガレスピーのバンドを辞して一人ヨーロッパに渡った。
57年から1年半パリで近代音楽を学んだそうだ。すでに、プレーヤーとしてより作編曲で才能を発揮していたが、さらに磨きをかけたということだろう。
後の、“大”プロデューサーへの礎が着々と築かれていった。

そして、アメリカに戻る前年の58年、スウェーデンで吹き込まれたのがこのアルバム。
地元のラジオ局専属の有名な指揮者HARRY ARNOLDの元に、スウェーデンの有名プレーヤー(といっても自分はメンバーを誰も知らないが)を集めて、クインシーが曲とアレンジを提供したものだ。

内容は、タイトルどおり。
嘘偽りは無く、素晴らしい「JAZZ」に仕上がっている。
モダンスイングという範疇に入るのだろう。
ベイシー調の演奏もあるが、ホレスシルバーの曲<ルーム608>や、<DOODLIN’>では、流行のハードバップ調のBIG BANDサウンドも聴かせてくれる。
すでに「自分の考えるJAZZ」と銘打って自己主張を前面に出したアルバムは出していた。今回は、地元のオーケストラを借りて、翌年、新たに結成する自分のバンドの小手調べといったところであろう。
QUINCY SOUNDを十分に満喫できる一枚だ。

Kinda Blues

Sixten Eriksson, Arnold Johansson, Weine Renliden, Bengt-Arne Wallin (tp)
Gordon Ohlsson, Ake Persson, Andreas Skjold, George Vernon (tb)
Rolf Backman, Arne Domnerus (as)
Bjarne Nerem, Carl-Henrik Norin (ts)
Johnny Ekh (bars)
Bengt Hallberg (p)
Bengt Hogsberg (g)
Simon Brehm (b)
Egil Johansen (d)
Quincy Jones (arr)
Harry Arnold (dir)

Stockholm, Sweden, February 14, 1958

Cherokee
Brief Encounter

Sixten Eriksson, Arnold Johansson, Weine Renliden, Bengt-Arne Wallin (tp)
Gordon Ohlsson, Ake Persson, Andreas Skjold, George Vernon (tb)
Rolf Backman, Arne Domnerus (as)
Bjarne Nerem, Carl-Henrik Norin (ts)
Johnny Ekh (bars)
Bengt Hallberg (p)
Bengt Hogsberg (g)
Simon Brehm (b)
Egil Johansen (d)

Quincy Jones (arr)
Harry Arnold (dir)
Stockholm, Sweden, March 19, 1958

Quincy's Home Again
The Midnight Sun Never Sets
Count 'Em
Room 608
Meet Benny Bailey
Doodlin'

Sixten Eriksson, Arnold Johansson, Weine Renliden, Bengt-Arne Wallin (tp)
Benny Bailey (tp -5,6) Gordon Ohlsson, Ake Persson, Andreas Skjold, George Vernon (tb)
Rolf Backman, Arne Domnerus (as)
Bjarne Nerem (ts),Rolf Blomqvist (ts, fl)
Rune Falk (bars)
Bengt Hallberg (p)
Lars Pettersson (b)
Egil Johansen (d)
Quincy Jones (arr)
Harry Arnold (dir)

Stockholm, Sweden, April 29, 1958
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新しいバンドが続々生まれた1966年老舗のBIG BANDは何をしていたのだろうか?

2007-04-04 | MY FAVORITE ALBUM
"Sinatra At The Sands with Count Basie & The Orchestra" 

気になって早速調べてみた。
まずは、ELLINGTONのオーケストラは?
以前紹介した、「ELLINGTON '66」というアルバムは、まさにエリントンオーケストラの当時の録音。
ここ何回かグラミー賞を受賞したアルバムを紹介していたこともあり、何気に1965年を見ると、何とこのアルバムはその年のグラミー賞「最優秀ジャズ・ラージ・グループ」を受賞していた。「‘66」というタイトルはついていたものの、1965年のリリースだったのだろう。
確かに、その当時のヒット曲を並べた演奏で一般受けしそうな感じではあったが、そんな賞をとっていたとは気がつかなかった。

ついでに、翌年1966年のグラミー賞の受賞一覧を見ると、
「最優秀レコード」、「最優秀男性歌手」、「最優秀アレンジメント」、「最優秀録音」の4冠をとったのは、Frank Sinatraの "Stranger In The Night"。
確かに、ビートルズの中に混じってヒットしていたのは覚えている。
そして、最優秀アルバムも"A Man And His Music" とSinatraが並ぶ。
ミリオンセラーを連発したこの年はSinatra YEARだったのかもしれない。
1915年生まれのシナトラはこの年51歳。脂の乗り切ったベテランの域に入っていた。
何年か後には、“My Way”が流行り、この後しばらくはシナトラの絶頂期は続く。

さらに、続けてリストを見ると「最優秀アルバム・ノーツ」に、"Sinatra At The Sands" Frank Sinatraがあった。
「最優秀アルバムノーツ」とは、ライナーノーツの最優秀のことなのか?
あまり英語は得意ではないが、これは改めてじっくり読んでみなければなるまい。

このアルバムは、QUINCY JONESが指揮とアレンジを担当し、ベイシーのオーケストラがバックを努めた2枚組みの豪華アルバム。
メンバーを見て聞えてくる音は十分に想像ができる。
それにしても、QUINCYという人物は、何か大事な節目には必ず登場する。はやり、キーマンなのだろう。

シナトラの歌もこんなに充実した年、さらにLIVEなので悪いはずがない。
ホテルのショーというシチュエーションも幸いしているのか、普段より気楽な感じでトークを交えて新旧の名作を聴かせてくれる。
ラスベガスの最高級のシナトラのショーを十二分に味わえる。


そういえば、ベイシーのアルバムにも“At the Sands”というのがあるのを思い出した。録音日を見るとこれも同じ1966年のリプリーズ盤だ。録音の時期は微妙に違うが。
そして、先ほどのエリントンのアルバム「'66」もRIPRISEレーベルから出ている。
シナトラのアルバムはもちろんRIPRISE。RIPRISEづくしだ。
言わずと知れたRIPRIESは元々シナトラのレーベル。この時期にはワーナーブラザーズに売却されているが、専属ミュージシャンとして一連のヒット作は莫大な利益をもたらしたろう。

こんな状況を見ると、この頃、老舗の両バンドはシナトラ一家に加わって一緒に華やかな舞台に上ることが多かったのかもしれない。
コマーシャリズムにJAZZが迎合してきた時期であるが、これらの一連のリプリーズのアルバムは、JAZZの本来の良さを何も変えることなく商業的にも大成功した例だろう。

1 Come Fly With Me VanHeusen,Cahn 3:45
2 I've Got a Crush on You Gershwin,Gershwin 2:42
3 I've Got You Under My Skin Porter 3:43
4 Shadow of Your Smile Webster,Mandel 2:31
5 Street of Dreams Lewis,Young 2:16
6 One for My Baby (And One More for the Road) Mercer, Arlen 4:40
7 Fly Me to the Moon (In Other Words) Howard 2:50
8 One O'Clock Jump [Instrumental] Basie :53
9 Tea Break [Monologue] 11:48
10 You Make Me Feel So Young Gordon,Myrow 3:21
11 All of Me [Instrumental]  Marks,Simons 2:56
12 September of My Years  Van Heusen, Cahn 2:57
13 Luck Be a Lady  Loesser 4:40
14 Get Me to the Church on Time  Loewe, Lerner 2:21
15 It Was a Very Good Year  Drake 4:01
16 Don't Worry 'Bout Me Koehler, Bloom 3:18
17 Makin' Whoopee [Instrumental] Kahn, Donaldson 4:24
18 Where or When Hart, Rodgers 2:46
19 Angel Eyes Brent, Dennis 3:26
20 My Kind of Town VanHeusen, Cahn 3:04
21 Few Last Words [Monologue] 2:30
22 My Kind of Town (Reprise) Van Heusen, Cahn 1:00

FRANK SINATRA (vol)
COUNT BASIE & THE ORCHESTRA
Arranded & Conducted by Quincy Jones

Recorded live at the Sands , April 1966
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「BIRDLAND」といえば一番印象に残っているのはマントラのコーラス

2007-04-03 | MY FAVORITE ALBUM
EXTENSIONS / MANHATTAN TRANSFER

QUINCYのアルバム“BACK ON THE BLACK”で、ガレスピーとクインシーが最後に出会って演奏した曲 ”BIRDLAND“はもともと「WEATHER REPORT」の演奏で有名だが。
自分にとってこの曲で印象に残っているのはMANHATTAN TARASFERの熱唱。
この「EXTENSIONS」の一曲目に収められている。

アルバムタイトルの“EXTENSION”。
そのままの意味でとれば、拡大とか伸展といった意味だろう。
WEATER REPORTもこの曲の入っているアルバム「HEAVY WEATHER」で大きく進化していった.
同じように、マントラもこのアルバムでタイトルどおり一皮向けて新しい世界に飛び込んでいった。
メンバーの一人、Laurel MasseがCheryl Bentyneに替わって心機一転再スタートした一枚だ。
内容もスケールアップしている。

マントラにとっては5枚目のアルバム。
本格的にデビューしてから4年目の1979年10月31日に発売された。
約一ヵ月後の12月8日のビルボードのTOP POP ALBUM CHARTに顔を出すほどの人気になったアルバムである。
それも、JAZZとPOPの両方のカテゴリーにランクインした最初のアルバムだそうだ。
そして、翌年のグラミー賞でこのマントラの「BIRDLAND」は「最優秀ジャズ・フュージョン・アーティスト」と「最優秀ボーカル・アレンジメント」の2部門で受賞する。
名実共にマントラは一流のグループの仲間入りをした記念すべきアルバムだ。

曲や演奏も、FUSION色の強い「BIRDLAND」で始まったかと思ったら、次には1930年代のELLAとCHICK WEB オーケストラで演った「Wacky Dust」、そしてJAZZフィーリング溢れる「Body And Soul」まで、実に多彩になっている。
ステージでは、ステージ衣装やパフォーマンスにも一捻り入れるようになり、エンターテイナーとしての貫禄も備わってきた。
当時、来日公演でもその姿を観ることができたのを懐かしく思い出す。
最近も来日しているようだが、最近はコンサートもすっかりご無沙汰。
今度来た時には、逃さず行ってみようと思う。

現在も活動を続ける息の長いグループだが、現在の確固たる地位を築いたのはこのアルバム、中でもこの「BIRDLAND」の演奏であったと思う。

MANHATTAN TRANSFERのパフォーマンスが見れるビデオクリップはこちら

1. Birdland (6:00)
2. Wacky Dust (3:10)
3. Nothin' You Can Do About It (4:25)
4. Coo Coo U (2:13)
5. Body And Soul (4:26)
6a. Twilight Zone (1:08)
6b. Twilight Tone (4:57)
7. Trickle Trickle (2:19)
8. Shaker Song (4:30)
9. Foreign Affair (3:54)

THE MANHATTAN TRANSFER
  TIM HAUSER
  ALAN PAUL
  JANIS SIEGEL
  CHERYL BENTYNE

PRODUCED BY JAY GRAYDON
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GILLESPIEのライブといえば、やはりこの57年のNewportでのライブが一番

2007-04-02 | MY FAVORITE ALBUM
DIZZY GILLESPIE AT NEWPORT

ガレスピーの曲の紹介から、いきなりアップテンポのDIZZY’S BLUESが始まる。
ライブならでの活気のある演奏、ソロをフィーチャーしている時、他のメンバーの掛け声も聴けて、BAND全体がのっているのが手に取るように分かる。
一曲目はソロを中心に最後にサックスのソリをきっかけにバンド全体がブローして終わるもちろん、プレーヤーだけでなく会場の「ノリノリ」の雰囲気が映像は無くともこの一曲でいきなり伝わってくる。

元々、ガレスピーは大プレーヤーであると同時に大エンターテイナー。聴衆を喜ばせるコツは心得ている。ライブなのでバンドの演奏だけでなく会場全体の雰囲気をあっという間に演出してしまう。

前年の中近東を中心とした、「JAZZ大使」としてのツアーは、異文化の中でのいきなりのJAZZ演奏。普通はなかなか意思疎通ができないのが普通だ。
それが大成功を収めたのも、ガレスピーのエンターテイナーとしてのキャラのお陰であろう。

この、熱気のこもったコンサート会場は、1957年のニューポートジャズフェスティバル。
この年で4回目の開催だったが、ガレスピーは、このフェスティバルには初めての出演だったらしい。

2曲目に移ると、スクールデイズも「この乗り」が更にヒートアップ。.
kellyのfunkyなピアノの後ガレスピーのVocalが続く。さらに、見ものはビリーミッチェルのサックスがホンクしまくっていること。
この曲はロックを風刺したギャクナンバーだそうだが、このサックスは本物だ。
そのままロカビリーバンドに加わったら拍手喝采だろう。

ホレスシルバーの代表作ドゥーリンは、バリトンのムーアを生かした低音の魅力。
お馴染みのラテンのリズムに乗ったマンテカは、最後にはマンボのリズムまで出て来る。フェススティバルに相応しい賑やかで華やかな演奏だ。
さらに、名曲アイリメンバークリフォード、ここはLee Morganのショーケース。
クールブリーズは、以前からガレスピーのビッグバンドでよく演奏していた曲。アップテンポでこれでもかというほどのドライブ感。思わずアンコールの声が会場から沸く。

そして、メリールーウイリアムスが加わってソディアク組曲へと続いてく・・・・。

前年1956年のツアーから戻ったガレスピーは、そのメンバーで、ツアーの記録ともいえる「WorldStateman」を5月に録音する
その翌月には、Quncy JonesやPhil Woods は抜けたものの、Lee Morgan、Winton Kellyが加わったメンバーは、この第3期のガレスピーのBIG BANDで最強といわれている。
一年間このほぼ同じメンバーでツアーを続けてこのNewportに乗り込んできた。おまけに、ツアーの途中で、主要メンバーが御大抜きのアルバム作りもやっている。
メンバー間のコンビネーションがよく、バンド全体に一体感があるのも当然だ。

ガレスピーのアルバムは山ほどあるが、BIGBANDがやはりいい。それも、LIVE物であるこれはかなりのお気に入りだ。

ジャケットの写真に写るガレスピーの手には、懐かしい2眼レフのカメラが。
50年間でカメラの歴史も幾多の変遷を経て今に至っている。
この時のカメラとは機能的にも使われ方も大分変わってしまった。

Dizzy's Blues
School Days
Doodlin'
Manteca
I Remember Clifford
Cool Breeze
Zodiac Suite: Virgo / Libra / Aries (*)
The Carioca (*)
A Night In Tunisia

Dizzy Gillespie (tp, vo)
Talib Daawud, Lee Morgan, Ermit V. Perry, Carl Warwick (tp)
Chuck Connors, Al Grey, Melba Liston (tb)
Ernie Henry, Jimmy Powell (as)
Benny Golson, Billy Mitchell (ts)
Pee Wee Moore (bars)
Wynton Kelly (p)
Mary Lou Williams (p ) only(*)
Paul West (b)
Charlie Persip (d)

'Newport Jazz Festival', Newport, RI, evening, July 6, 1957
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QUINCYとGILLESPIEの最後の共演、それにマイルスも一緒に。

2007-04-01 | MY FAVORITE ALBUM
BACK ON THE BLACK / QUINCY JONES

QUINCYは、56年のGILLESPIEのオーケストラの編成に大活躍したが、彼らの最後の出会いはQUINYのグラミー賞をとったアルバム。
“BACK ON THE BLACK”でだ。

QUINCYは、ある時からJAZZとかSOULとかROCKとかいったジャンルを超越していた。いわゆるBLACK COMTENPORARY MUSICの世界の、主導者となっている。
1989年しばらくの沈黙を破って、自己のレーベルからそのすべてを世に問うたのがこの一枚。まさに、「私の考える“JAZZ”ならぬ、私の考える“BLACK MUSIC”」だ。

この中の一曲“BIRDLAND“に、ガレスピーが登場する。そしてマイルス、エラ、サラヴォーンも。モダンジャズ創世記にひとつの時代を作った巨人達が一同に集った。
彼らにとっても最後の共演となった。夢の共演だ。
マイルスもガレスピーも数年後には亡くなっている。エラやサラはこれが、最後の録音と言われている。

曲は、MODERN JAZZを生んだマンハッタンの52丁目のJAZZ CLUB ”BIRDLAND”に捧げたもの。曲の選択も的を得ている。
何かこのアルバムのこの一曲でひとつの時代の区切りという感じがしないでもない。
次の世代に向けて、JAZZの素晴らしさを残してくれた一曲だ。

このアルバムは、色々な曲、ミュージシャンが集まってすべてを紹介しきれないが、ガレスピーが聴けるのは、この2曲。

1. Birdland
2. Jazz Corner Of The World

Miles Davis, Dizzy Gillespie (tp)
Gary Grant, Jerry Hey (tp -1)
Bill Reichenbach (tb -1)
James Moody (sax -1, ts -2) Larry Williams (sax -1, key -1)
Ian Prince (key -1) Joe Zawinul (syn -2) Michael Boddicker, Michael Casey Young (syn prog -1)
George Benson (el-g)
Nathan East (el-b -1)
Quincy Jones, Rod Temperton, Ian Underwood (handclapper -1)
Bill Summers (per -2) Ella Fitzgerald, Sarah Vaughan (vo) Kool Moe Dee, Big Daddy Kane (vo -2)
Pee Wee Marquette (ann -2)

Recorded in Los Angeles, CA, early 1989

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