Quincy Jones and His Orchestra At Newport ‘61
Newport Jazz Festivalに出演したBIG BANDを続けて聴いてみたが、QUINCYファンとしてはこのアルバムは忘れてはいけない一枚。
’61のニューポートでのライブ。「真夏の夜のJAZZ」からは3年後になる。
エリントンやガレスピーなどが出演した1956年のニューポートにも、実は、Quincyも参加していた。
しかし、壇上に上がったのは、演奏ではなく、「ジャズの未来」というテーマのパネルディスカッションのためであった。レニートリスターノやフリードリッヒグルダなどの理論派に加わって、「ジャズは“自ずと成長するもの”。あらかじめ設計図を引いて形にはめた発展を強いるべきではない」と、若くして論陣をはっていたようだ。
弱冠23歳の時だ。
1959年、ヨーロッパへの音楽理論の勉強のための留学、そして現地でのレコーディングなどを終えてからの帰途。機上でレコードプロデューサーのジョンハモンドから、ミュージカル「Free & Easy」のための、オーケストラ編成を持ちかけられた。
どうも、これがQuincy JonesのBIG BANDが生まれたきっかけだったらしい。
56年、57年のQuincyの録音は、あくまでもレコーディングのための臨時編成やプロデュース。自己のレギュラーBIG BANDの編成は、このミュージカルのためが初めてのチャレンジだったのだが・・・。
実は、このミュージカルのためのBANDが大トラブルに巻き込まれ、バンド全員でヨーロッパを流浪の旅に出ることになる。このクインシー達を支えたのはヨーロッパの聴衆。
どうも、Quincyとヨーロッパは切っても切れない因縁があるようだ。
結果的には、幾多の苦難を切り抜け61年まで短期間であったが、このBIG BANDがJAZZの歴史に残る活躍をすることになった。
このQUINCYのオーケストラがモダンビッグバンドの礎になったのは間違いない。サドメルが生まれる通過点にもなっているはずだ。
前置きが長くなったが、そのオーケストラの総仕上げともいえるのが、このニューポートへの出演だ。
モダンなサウンドが、Newportの舞台に響き渡る。
Quincyのオリジナルから始まるが、最初のMEET B.B.は、Benny Baileyへ捧げた曲。ヨーロッパの録音では、彼自身のプレーが聴けるが、ここではJoe Newmanが素晴らしいソロを聞かせる。
THE BOY IN THE TREEはSwedenの映画のために書いた曲。Quincyのバンドの特徴は、フルートとフレンチホルンを生かしたまろやかなサウンド。曲の始めは、このヨーロピアンサウンド(?)を生かした綺麗なバラードで始まるが、一転アップテンポのriffへ。
サドメルの曲でも、似たようなアレンジがあったような。
続くEvening in ParisはPhil Woodsのアルトをフィーチャー。彼もQuincyと一緒に、このバンドのヨーロッパを転々と渡り歩いたツアーに付き合っている。その後、Woodsも60年代後半にヨーロッパに新天地を求めたのも、この時のヨーロッパの経験があったからかもしれない。
次のAIRMAIL SPECIALは。このアルバムの一番のお気に入り。
超アップテンポで始まり、Curtis Fullerのソロの後、サックスセクションをフィーチャーしているが、ソロにアンサンブルと全員がフィーバー。ソロをピックアップしてサックスセクション全員でのソリは最高。
このサックスセクション、アルトはPhil Woodsが引っ張っているが、テナーは、後のサドメルの大番頭「Jerome Richardson」がリードしている。
自分はどちらかというと、サックスのアンサンブルワークにぞくぞくすることが多い。ブラス派ではなく、サックス派かもしれない。
Meet B.B.
The Boy In The Paris
Evening In Paris
Air Mail Special
Lester Leaps In
G'wan Train
Banja Luka
John Bello, Jimmy Maxwell, Joe Newman, Jimmy Nottingham (tp)
Paul Faulise, Curtis Fuller, Melba Liston, Britt Woodman (tb)
Julius Watkins (frh)
Joe Lopez, Phil Woods (as)
Eric Dixon, Jerome Richardson (ts, fl)
Pat Patrick (bars)
Patti Bown (p)
Les Spann (g, fl)
Art Davis (b)
Stu Martin (d)
Quincy Jones (arr, cond)
'Newport Jazz Festival', Newport, RI, July 3, 1961
Newport Jazz Festivalに出演したBIG BANDを続けて聴いてみたが、QUINCYファンとしてはこのアルバムは忘れてはいけない一枚。
’61のニューポートでのライブ。「真夏の夜のJAZZ」からは3年後になる。
エリントンやガレスピーなどが出演した1956年のニューポートにも、実は、Quincyも参加していた。
しかし、壇上に上がったのは、演奏ではなく、「ジャズの未来」というテーマのパネルディスカッションのためであった。レニートリスターノやフリードリッヒグルダなどの理論派に加わって、「ジャズは“自ずと成長するもの”。あらかじめ設計図を引いて形にはめた発展を強いるべきではない」と、若くして論陣をはっていたようだ。
弱冠23歳の時だ。
1959年、ヨーロッパへの音楽理論の勉強のための留学、そして現地でのレコーディングなどを終えてからの帰途。機上でレコードプロデューサーのジョンハモンドから、ミュージカル「Free & Easy」のための、オーケストラ編成を持ちかけられた。
どうも、これがQuincy JonesのBIG BANDが生まれたきっかけだったらしい。
56年、57年のQuincyの録音は、あくまでもレコーディングのための臨時編成やプロデュース。自己のレギュラーBIG BANDの編成は、このミュージカルのためが初めてのチャレンジだったのだが・・・。
実は、このミュージカルのためのBANDが大トラブルに巻き込まれ、バンド全員でヨーロッパを流浪の旅に出ることになる。このクインシー達を支えたのはヨーロッパの聴衆。
どうも、Quincyとヨーロッパは切っても切れない因縁があるようだ。
結果的には、幾多の苦難を切り抜け61年まで短期間であったが、このBIG BANDがJAZZの歴史に残る活躍をすることになった。
このQUINCYのオーケストラがモダンビッグバンドの礎になったのは間違いない。サドメルが生まれる通過点にもなっているはずだ。
前置きが長くなったが、そのオーケストラの総仕上げともいえるのが、このニューポートへの出演だ。
モダンなサウンドが、Newportの舞台に響き渡る。
Quincyのオリジナルから始まるが、最初のMEET B.B.は、Benny Baileyへ捧げた曲。ヨーロッパの録音では、彼自身のプレーが聴けるが、ここではJoe Newmanが素晴らしいソロを聞かせる。
THE BOY IN THE TREEはSwedenの映画のために書いた曲。Quincyのバンドの特徴は、フルートとフレンチホルンを生かしたまろやかなサウンド。曲の始めは、このヨーロピアンサウンド(?)を生かした綺麗なバラードで始まるが、一転アップテンポのriffへ。
サドメルの曲でも、似たようなアレンジがあったような。
続くEvening in ParisはPhil Woodsのアルトをフィーチャー。彼もQuincyと一緒に、このバンドのヨーロッパを転々と渡り歩いたツアーに付き合っている。その後、Woodsも60年代後半にヨーロッパに新天地を求めたのも、この時のヨーロッパの経験があったからかもしれない。
次のAIRMAIL SPECIALは。このアルバムの一番のお気に入り。
超アップテンポで始まり、Curtis Fullerのソロの後、サックスセクションをフィーチャーしているが、ソロにアンサンブルと全員がフィーバー。ソロをピックアップしてサックスセクション全員でのソリは最高。
このサックスセクション、アルトはPhil Woodsが引っ張っているが、テナーは、後のサドメルの大番頭「Jerome Richardson」がリードしている。
自分はどちらかというと、サックスのアンサンブルワークにぞくぞくすることが多い。ブラス派ではなく、サックス派かもしれない。
Meet B.B.
The Boy In The Paris
Evening In Paris
Air Mail Special
Lester Leaps In
G'wan Train
Banja Luka
John Bello, Jimmy Maxwell, Joe Newman, Jimmy Nottingham (tp)
Paul Faulise, Curtis Fuller, Melba Liston, Britt Woodman (tb)
Julius Watkins (frh)
Joe Lopez, Phil Woods (as)
Eric Dixon, Jerome Richardson (ts, fl)
Pat Patrick (bars)
Patti Bown (p)
Les Spann (g, fl)
Art Davis (b)
Stu Martin (d)
Quincy Jones (arr, cond)
'Newport Jazz Festival', Newport, RI, July 3, 1961