A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

ロ-ランドハナは本物のピアニスト

2007-04-26 | MY FAVORITE ALBUM
1x1 / ROLAND HANNA & GEORGE MRAZ

ロランドハナのディスコグラフィーを見ると、SOLOやDUOのアルバムが非常に多い。JAZZであれば普通はトリオ編成からが普通。特に、ピアノがリーダーになると、管を入れたセッションよりトリオの演奏は多くなるが。ソロやDUOもあるがそれは稀である。
ところがハナの場合は、ソロやDUOのアルバムがトリオと同じくらいある。
ピアノ一台でも十分味わいのある演奏ができる、まさに本物の「ピアニスト」だといえる。

ところが、ハナのリーダーアルバムとなると70年代になってからが大部分。
40歳を過ぎてから本格的に活動を開始した大器晩成型だ。
自分がハナを知ったのは、サドメルを通じてであったし、実際にライブを聴いて、好きになったのは68年の来日の時から。
その時、早速ハナのアルバムを探したが結局見つからずじまい。
ELVIN JONESのアルバムに、その名前を見つけたのは嬉しかった。50年代に何枚かのリーダーアルバムの録音があるが、その実力とは裏腹に若いときはマイナーなミュージシャンであったということであろう。

サドメルの1974年の2度目の来日のとき、メンバーの何人かにオーケストラとは別のセッションでの録音の話がいくつか持ち上がった。
ハナもその一人だった。
ピアノトリオを予定したが、まずはドラマーが見つからなかった。オーケストラのリーダーのメルルイスという話もあったらしいが契約の問題で難しく、結局はDUOでの録音になった。
さらに大変だったのはまだまだメジャーではなかったハナのリーダーアルバムを出すレーベルがみつからなかったらしい。結局、評論家でもあった悠雅彦氏が自費出版のような形で発売したのがこのアルバム。

DUOの相棒を務めたのは、サドメルのベースとして一緒に来日していたGORGE MRATZ。
内容は、「素晴らしい」の一言。
この手の企画はとかく単調になりやすのであるが、選曲、2人のテクニック、そしてソロにコラボレーションといいあっというまに両面の7曲が終わる。
どちらもクラッシックの素養があるせいかもしれない、ムラーツのボウイングでの演奏などが始まると、ジャジーな演奏とは少し違った美しいクラッシックの小品集を聴いているようだ。

この後、ハナはサドメルを離れ、モントルーにもソロで出演する。
ハナの新しい世界のスタートになったのも、この一枚がきっかけだったかもしれない。

ROLAND HANNA (P)
GEORGE MRAZ (B)

C JAM BLUES
IN A SENTIMENTAL MOOD
SCRAPPLE FROM THE APPLE
PERUGIA
OLEO
MY FUNNY VALENTINE
WISTFUL MOMENT

Recorded on March 9.11.13, 1974,Tokyo,Japan

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする