A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

GOMEZが加わったEVANS TRIOは一味違う。

2007-04-07 | MY FAVORITE ALBUM
A Simple Matter of Conviction / Bill Evans Trio

66~7年頃のBIG BAND事情を思い起こしながらアルバムを引っ張り出していたが、他のプレーヤーはどうだったのか?
気になってレコード棚を改めて探してみた。
自分の整理方法はコンボ、ビッグバンド、ヴォーカル毎にプレーヤーのABC順に、そしてConcordレーベルだけは別扱いしている。
ちゃんと比較すればもちろんコンボが多いが、それぞれそこそこの数がある。
という事は、BIG BANDが多分普通のJAZZファンより多い。
「コンボ」の棚にこの一枚があった。他のエバンスのアルバムも久しぶりに何枚か一緒に持ち出してきたが。

61年に相棒のScott LaFaroを失ってから、EvansのTrioのBassの定位置はChuck Israelが努めることが多かったようだが、どうしても前任のLafaroと比較されることが多い。
何の世界でも、前任が優秀過ぎると後釜はどうしても割りを食う。
EvansのTrioでは、BASSはバックというよりは相棒のポジション。相性が大事だったのであろう、なかなかパートナーが定まらず。プレー自体も、試行錯誤の時期かもしれない。

このアルバムでは、その大事なポジションに、Eddie Gomezが始めてスタジオ録音で加わった記念すべき一枚である。ライブではその年の初めからプレーをしたことはあったようなので、呼吸はすでにピッタリだ。
これを機に、その後10年以上2人はコンビを組む。多分EVANSが一番長く付き合った相手だろう。GOMEZとはしっくり意気が合ったのであろう。

ドラムには、今回はベテランのShelly Manneが加わっている。
彼も自分が好きなドラマーの一人だ。
基本的にはきちんときまった4ビートが得意ではあるが、つぼを心得た「オカズ」を散りばめるドラミングはエバンスの流れるようなピアノ、ゴメスの絡みつくようなベースにもよくマッチしている。
ジャケットの写真で、エバンスの前に一人どっかりと座っているのも貫禄であろう。

2人の共演は、初めてではない。EVANSの、有名なSHELLY’S MANNE-HOLEでの録音のドラムは本人ではなかったし。それほど一緒にやる機会はなかったはずだが、レギュラートリオのように息が合っている。

写真でもう一人、脇から様子を伺うような感じのGomezはまだこのとき21歳。
ところがプレーは、2人の先輩を相手に見事にダイナミックなプレーを聞かせてくれる。
ベースの音自体もスピード感がある割には温かみを感じる太い音。
それまでにも、Gerry MulliganやMilesとの共演もすでに経験していたらしい。このアルバムでの演奏、その後の活躍を見ても彼も天才肌のプレーヤーの一人だ。
EVANSはやはり見る目があったのだろう。

曲は、EVANSのオリジナルも多いが、I’m getting sentimental over youが自分のお気に入りだ。Lauraも好きだが、少しテンポが速いかな?

そういえば、EVANSも、New Yorkの“VILLAGE VANGUARD” には、以前からよく出ていた。ここでの、有名なLIVE録音もあるし。

このアルバムの録音されたのが’66年。それ以降も、この、VILLAGE VANGUARDには継続的に出演している。そのライブの様子もしっかり残されている。
丁度時期的にはサドメルのオーケストラが活躍していた時と重なる。
実際には、出演日も異なりすれ違いではあったとは思うが、同じステージに両者が入れ替わり出ていたとはその当時の出演者は豪華ラインナップだ。
どちらも“大ファン”としては、その時代のニューヨークにタイムスリップしてみたいものだ。

A Simple Matter Of Conviction
Stella By Starlight
Unless It's You
Laura
My Melancholy Baby
I'm Getting Sentimental Over You
Star Eyes
Only Child
These Things Called Changes

Bill Evans (p)
Eddie Gomez (b)
Shelly Manne (d)

Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ, October 4, 1966
コメント (5)
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