A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

メリルといえば定番になるが、久しぶりに聴いてみると・・・・

2007-04-24 | MY FAVORITE ALBUM
HELEN MERRILL

桜も終わり新緑の季節。一年で一番緑が美しく感じる時かもしれない。
花曇りの空の先週末のゴルフ場で。「淡い緑」が木々から湧き出て押し寄せてくるような感覚をもった。ぎらぎら輝く太陽の元、メリハリの効いた鮮やかな緑が飛び込んでくる感覚とは明らかに違う。
木々を良く見ると、同じ緑でも微妙に色が違う。ひとつひとつの木々の微妙に特徴ある色彩も美しいが、それらが合わさった全体の色のバランスは何ともいえない美しさを感じる。

HELEN MERRILLというと、このクリフォードブラウンとの共演が真っ先に上がる。
昔から何度も聴いたアルバムだが、久々に聴いた印象は、まさに今の季節そのものだ。

メリルの歌声は独特のハスキーボイス。夏の太陽のイメージとは程遠い。
春霞のオブラートにくるまれた春の景色の下絵のようだ。
クリフォードブラウンのアレンジはまさに木々の淡い緑。ひとつひとつの音は控えめに、派手さはないがお互いが絡み合って「モワっと」湧き出てくるような感覚は、今の季節の林を見ているようだ。
ブラウンのトランペット、ガルブレイスのギター、そしてバンクのフルート、・・・・・。
緑の木々に間に、転々と色づく春の花のようだ。

ブラウンとクインシーは友人同士。ライオネルハンプトンのバンドでは隣同士に座ってトランペットを吹いていた仲。
このセッションには、クインシーはアレンジで参加している。
メリルとブラウンの共演ばかりが、このアルバムの紹介されることが多いが、実は2人を浮かび上がらせる、クインシーの「木々の緑」のバックの色使いの妙が、このアルバムを魅力的にしているのではないかと改めて感じた次第。

でも、やはりこれはメリルの名盤だ。
改めてジャケットの表紙をみると、アルバムタイトルは「HELEN MERRILL」。
クリフォードブラウンの名前もクインシーの名前もない。

‘S WONDERFUL
YOU’D BE SO NICE COME HOME TO
WHAT’S NEW *
FALLING IN LOVE WITH LOVE *
YESTERDAYS *
BORN TO BE BLUE
DON’T EXPLAIN

HELEN MERRILL (vol)
Clifford Brown (tp)
Danny Banks (bs,fl)
Jimmy Jones (p)
Barry Galbraith (g)
Milt Hinton (b)
Oscar Pettiford (b) *
Bobby Donaldson (ds) *
Osie Johnson (ds)
Quincy Jones (arr.&cond)

春には程遠いニューヨークのクリスマスイブの録音。

Recorded in New York on 22,24 December , 1954

コメント (1)
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