山南ノート4【劇団夢桟敷】

山南ノート4冊目(2008.10.3~)
劇団夢桟敷の活動や個人のことなどのメモとして公開中。

歌「生きろ!ぶんぶん。」

2015-05-02 08:57:49 | 透明人間三部作-2014-2015
俳優の今井雅之さんが先日の4月30日にブログで大腸ガンであることを発表して大きな反響を呼んでいる。
私も直腸がんとリンパ節転移の末期一歩手前のステージ3bで他人事ではなく、只今、手術前化学療法臨床試験(FOLFOX6)治療中です。
昨日はペットボトルの大きさ抗がん点滴を首からぶら下げ、一ヶ月を切った次回公演「ねじ式」熊本公演5月29日(金)30日(土)ギャラリーADOと札幌公演6月6日(土)7日(日)実験演劇集団風蝕異人街アトリエ阿呆船の稽古に参加している。イシャと相談しながら根治か延命治療、わがままに劇作は死ぬ直前まで続けることを絶対条件と要望するアホ患者です。鉄分不足で貧血にも気づかなかったのであります。
今井さんには「頑張れ!」エールを送るとともに自分のこととしても勇気を振り絞りたいと思います。
連休も稽古と治療は同時進行します。
アングラ、白い巨塔なるネガティヴ単語を連発しておりますが、これは「清く正しく美しく」をモットーにしたこころの貧しさの美学だと思って下さい。
へへへ。…私は「ねじ式」で「無能の人」としてワンポイントですが出演致します。プライベートは排除します。登場の仕方と退場の仕方に凝ります。

写真は「生きろ青年よ、ぶんぶん。」の歌と踊りの稽古場面です。
この歌より「ねじ式」に登場する人物たちのホームドラマ?へと横滑りします。何故か、唐十郎「愛の乞食」にも繋がります。原作のつげ義春さんと唐十郎は同時代の作家であり、場面が二重写しに見えるのは必然だと思うのです。

うんこスープ復活

2015-05-01 17:12:49 | 透明人間三部作-2014-2015
「ウコンスープ」の説もありますが、江戸時代に長崎出島で流行ったカレーのことを「うんこスープ」と呼んだのが愉快です。カレーは見た目、「うんこ」そっくりです。
「カレー味のうんことうんこ味のカレーはどちらが好きですか?」と言われれば「カレーもうんこも好きだ。」と言うのが極端です。極端は過激で根源的ですね。
しかし、「うんこが好きだ。」とはどういうことでしょう。それは食べることではなく排泄すること。排泄の快感ではないでしょうか。そして自分のうんこを眺める。眺めると自己愛を感じます。うんこは健康のバロメーターでもあります。
何故、「ねじ式」で「うんこスープのクッキング」が登場するのでしょう?
一つ、密室の劇場に「匂い」を企みます。玉ねぎを生でかじるとワキガの匂いです。ワキガは涙が発酵した匂い?…ちょっと悲しくなります。
天狗堂の場でうんこパンツの下りがあります。ここに「うんこスープの美味しい作り方」が乱入します。これは座長=夢現(演出=さかもとまり)のこだわりでもあり、演じるキクチサヨコもコバヤシチヨジ(あるいはキツネか!)もナント楽しい顔になってしまうことか。明るいことは良いことです。しかし、………
本番では、明るさが「この怨みを晴らす」如く恐ろしい形相になるでしょう。密室にカレー味が広がります。美味しい味がテロルのクッキングに見えないだろうか?
えっ?原作では見当たらない?
じっくり「ねじ式」を読み返すとカレーを食べたくなります。それは夏の日のリアリズムにも似たサブリミナル効果だったとも思えます。

今日は白い巨塔「化学療法室」にて点滴を受けながら数時間、ヒマでヒマでヒマです。ゴールデンウイークで患者の数はいつもより多く回っています。当然、イシャと看護師さんはてんてこまいです。
そんな中で「うんこスープ」に思いを巡らせています。
さてさて、18:00から稽古です。