山南ノート4【劇団夢桟敷】

山南ノート4冊目(2008.10.3~)
劇団夢桟敷の活動や個人のことなどのメモとして公開中。

不器用のススメ

2013-11-22 23:47:20 | 遊戯療法~レミングより
世の中には器用な人、不器用な人がいる。
大半は自分のことを不器用と思っているのではないだろうか?
そう思っている私自身、不器用に生きてきた。
切羽詰まらないと立ち上がれない。競争心もない。
当然、戦うことは嫌いである。防御もしない。殆ど、悩むこともない。
カッコつけたって足をすくわれるのが目に見えているから、見栄を張ることもない。
生活レベルでは無様でも動揺しない。

日常の反動か。・・・舞台では豹変する。

劇に取り掛かると、その不器用さが鋭い武器になってしまうのである。
登場する人物たちは不器用な人たちばかりだ。
ぴったりする。花がある。造花である。枯れない。
この不器用さが劇的に思える。
不器用は不気(ぶき)味な武器(ぶき)になる。
かみ合わない会話が新たな世界を浮かび上がらせる。
それは会話が鋭いナイフのように切れるからである。
とりわけ、狂人(きちがい)まで沸騰すると、これが本当の人間らしさではないだろうかと感動を覚える。

寺山修司のことばを切ったり貼ったりしながらコラージュしている。

「遊戯療法」では狂人ばかりが登場する。
「生」と「死」の狭間に立ち、「不器用な人はこっちへおいで!」と誘う。
するとどうだ。
正常と思っている日常の価値観がひっくり返ってしまうのだ。
エライ人がバカにみえるようになる。
残念だが、全ての人には通用しないようだ。
言えることは、自分のことを不器用な人間だと思っている人には共感を得る。
器用に生きていけない人間の特権。

脳を洗う消毒液は寺山修司!



「剃刀の刃で両瞼をひらけ!より深く見るために。」(出口君)
「闇をもって闇を照らせ!そうすりゃ歴史がよく見える。」(壁女)
「世界中の電気が消えたら、猫を探せ。」(影山影子)
「さあ、道をあけろ!影が通るのだ、夜が吹き抜けるのだ。」(影)
「もう芝居は終わったんだ、あとから来るのは鬼ばかり。(ICUの花嫁)
「もっと闇を!」(照明係の看護ふ1)
「もっと言葉を!」(照明係の看護ふ2)
「100ワットの牢獄から、闇の自由へ。」(音響係の看護ふ)
「マッチ一本、夢を見る。」(ライブ音楽の看護ふ)
「地球は大きな目玉に過ぎない。」(流し台の天文学者)
「愛される闇ではなく、恐れられる闇を!」(床下の散歩者)

「盲人書簡」(寺山修司)より、「遊戯療法」の登場人物へ貼り合わせる。

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