そうすけ漫録

そうすけの一日の型録です。

私の本棚 その11

2007年06月18日 | 本棚

 ● 「邪宗門」26年前。バイトの先輩が読んでいた。面白いんですか、と訊くと「アア、オモシロイヨ」と面倒くさそうに言われた。そうすけには、わからないよ、のニュアンスを感じたの読みませんでした。いまでも、開いておりません。積読暦2年。

 ● 「透明人間の告白」「東京アンダーワールド」「裏モノJAPANN]「怪獣魂VSメカ怪獣魂」計4冊。百均棚をながめていると、意味もなく衝動買いをしてしまいます。「私の本棚」にある本は買った時点でほぼ満足してしまう。

 ● 紀野一義「遍歴放浪の世界」NHKブックス(1967刊)。紀野一義は、わが心の師であります。
窓を開ける。青い空に流れゆく雲をながめていると、ふと、旅に出発したいという衝動に駆られてしまうときがある。眼下の道路をバイクが走り抜けていく。われに返れば、寓居に固まっている。
半径5km圏で活きている。この現実に淋しさを覚えるのだ。そういうときに、先人の偉業にふれると、安心するのです。

この本から刺激された。
山本周五郎「虚空遍歴」、高村光太郎の詩を読む。空也、西行、一遍を知る。芭蕉、尾崎放哉、種田山頭火の句に親しむ。全く知らなかった円空、木喰を教えていただき、展覧会に行った。

いつか、巡礼に出発したい。

 ● 東君平著「心のボタン」「はちみつレモン」。生家が毎日新聞を購読していたので、著者はお馴染みであった。でも、君平さんの偉大さを知るのは、ずっと、あとのことだ。若くしてなくなった君平さん。合掌。

●倉橋由美子と吉行淳之介はすごい、と思う。思うだけで、そうすけには、この偉大さが解らない。だから、集めているだけで積読をしている。

●辺見庸「もの食う人びと」は、食に関心のある人や食を商っている人は必読の書だ。「食」の単純かつ複雑の様相を描き出す。

それ以外のテーマがあると主張する読書人には「おめでとう」の言葉を贈ろう。おめでたい人は、食べ放題のランチメニューのあるホテルへ行けばよい。腹一杯に食らえばよい。そして、消化不良の糞をすればいい。もし、罪悪感があれば、この糞を下水に流してはいけない。豚に食わせて、肥らせ、自ら〆てみよ!それを食らえ。笑う豚のすべてを食らえ。我利我利亡者が発明した高速器械によって挽かれた哀れなる肉塊を奉げよ。

こころ貧しき人に、牛ひき肉と称して、X合いひき肉の混じったコロッケを売れ。わかりゃしないのだ。高慢な貧しき人は腹が満たされれば良いのだ。「騙された」と怒る前に、この書を紐解け。あの社長を嘆く前に、この書を開けよ。

 人間は食べなければ生きていけない。それを忘れがちなそうすけは、半径5kmの中で生きている。この人間の世界観を変えた一冊である。また、飽食の国の影を憂う。わが身心を憂う。断罪するのは、おのれ自身だ。

 
 


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