lizardbrain

だらだらぼちぼち

AERA in FOLK

2006年04月18日 21時45分46秒 | 音楽

最近、探している角川文庫の本がある。
ブラッド・ピットが主演して、10年かそれ以上前に映画になった外国作家の本。
書店で取り寄せれば簡単に手に入るのだが、なかなか取り寄せしようとはしない。
どうせならば、偶然、ふと入った書店の片隅でその本に直接出くわしたい、、、、、、、
まるで、その本が、ワタクシに読んで欲しいと訴えかけるように書棚の隅っこに並んでいる情景を想像しながら、取り寄せ発注をせずに、すでに3ヶ月ほど過ぎてしまった。
早い話が、発注するのがメンドクサイだけなのだが。

先日、ライヴの開場まで時間があったため、ホールと同じビル内の書店をうろついてみた。
件の、ワタクシがここ最近探している本は置いていなかったのだが、雑誌コーナーでこんな本を発見した。




表紙に踊る活字が目に留まって、思わず手に取った段階で、既にワタクシの負けであった。
さらに、パラパラと目次を読んでしまった段階で、あっさりとゲームセット。
旅行中でもあり、荷物を増やしたくなかったのだが、気がつくと、この AERA別冊 AERA in Folk という雑誌を手にレジに向かっていた。
その目次を、一気にずら~~っと書き写してみると、

●真説 1971年中津川フォークジャンボリー
●日本初のインディーズ 音楽舎・URCレコードの軌跡
●「春一番1970」嵐の前夜物語
●松山猛と行くイムジン河
●こんなにあった放送禁止の歌
●名物ヤング番組 東西対決
●なぎら健壱の「私的フォーク黎明期」
●ロングインタビュー 吉田拓郎全てを語る
●75年伝説の生みの親・後藤由多加が語る裏舞台
●小室等が語るフォーライフ設立秘話
●井上陽水 「氷の世界」永遠のマジック
●伊勢正三が追い求めた風
●「ミッドナイトブルートレイン」浜田省吾
●谷川俊太郎が語る フォーク詩の世界
●フォークと現代思想 未知の二人称複数形を求めて
●the Scene ディラン、ぐゎらん堂、京大西部講堂、ロフト
●「20世紀少年」対談 遠藤賢司×浦沢直樹
●昔の名前ぢゃ出ちゃいねえって 加川良、三上寛、りりぃ、エンケン
●泉麻人が語るフォークの残り香
●サンボマスター 岡林信康を大いに語る
●あのミュージシャンの憧れ全調査
●松任谷由美・中島みゆきの時代
●”ガイジン” Jロックオタク対談
●坂崎幸之助が選ぶ名盤とギター
●団塊世代の熱いフォーク魂
●ロック・フォーク大人脈図
●ニッポンロック発展史
●僕らの音はこう作った エンジニア吉野金次
●ミカバンド 「黒船」が来た
●消えたカリスマ音楽家の伝説
●フォークの肖像 高田渡 心優しき頑固者      etc,
                             

AERAという雑誌は、病院の待合室などで何度も読んだ事があり、面白くも何とも無いと感じていたのだが、この別冊は、なかなかのスグレモノだ。

こう見えても、ワタクシは中津川フォークジャンボリーにも初期の春一番コンサートにも乗り遅れた世代だ。
ギターを手にした中・高校生の頃は、ハッキリ言って、何がフォークで何がフォークではないのか? が、さっぱりわからなかった。
友達に
「フォークって何や?」
と聞かれても、自分自身を納得させられる説明すら出来なかった。
フォーク全集とタイトルされた楽譜本を買ってみると、なるほど、岡林信康の曲も高石友也の曲も載っているが、南沙織や天地真理の曲も同列に収録されていた事があった。

だが、このトシになってようやく流れを理解できるようになったようだ。
この雑誌に書かれている1本1本の記事は、それぞれの対象を接写しながら、1冊の雑誌としてはトータルこの時代を俯瞰するように製作されている。
フォークニュー・フォークニュー・ミュージック
レコードを売る側が勝手に付けたジャンル分けではあるが、こういった流れが生まれていった事に必然性があったような気がしてきた。
いまだに、ニュー・ミュージックという呼び方は、大嫌いだが。
このセンスの無さは、許せないものがある。
他に呼び方がなかったのだろうか?

いくらなんでもこの本の中身をバラしてしまうわけにはいかないのだが、
坂崎幸之助が暴露してしまった、ガロのヒット曲「学生街の喫茶店」誕生秘話や、伊勢正三がインタビュー記事で答えている、レコーディングされたオリジナル曲をアレンジャー(おそらく石川鷹彦)の演奏をコピーするところから始めなければならなかったという悲劇など、知らなかった事だらけだった。
何よりも、陽水の項目で、アルバム「氷の世界」からシングルカットする曲を選曲するときに、陽水と担当プロデューサーの間で意見が分かれた後、プロデューサー側の意向でシングルカット曲を「心もよう」に決定した、、、、、、、
というくだりが、何やらスリリングであった。

AERA別冊のバックナンバーを調べてみると、今年2月にAERA in Rockというのが発行されている。
朝日新聞のサイトで目次をチェックしてみたが、こちらのロック特集の方にはイマイチ興味が向かない。


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