lizardbrain

だらだらぼちぼち

シュガーベイブのベーシスト

2018年06月07日 22時24分46秒 | 音楽
随分迷った末に、WOWOW視聴契約をして9年ほど過ぎた。
何しろ一日中、映画をやってるチャンネルなのである。
どの作品を観るべきか、選択枝が多すぎて戸惑うばかり。
毎月送られてくるプログラムをチェックするのだが、最初の頃は、録画予約する時に何となくフランス映画を避けてセレクトしていた。
どうしてフランス映画を避けたのか?
フランス映画のセリフ回しに、どうも馴染めなかったのだ。

何年か過ぎて、欧米の映画に限らず、フランス映画もインド映画も留守録する主義に方針を転換した。
すると、題名は忘れてしまったが、とあるフランス映画のエンドクレジットに、記憶にある人物の名を見つけた。

寺尾次郎。

かつて、山下達郎機関紙の『TATSURO MANIA』の記事で、達郎ヒストリーの対談に出てきた人だった。
3年ほどの活動で解散したシュガーベイブの、後期のベーシストである。
シュガーベイブは『SONGS』というアルバム1枚しか残していない。
その『SONGS』発表後にメンバーチェンジを行った後、参加したベーシストである。
メンバーチェンジ時のオーディションで、シュガーベイブの全レパートリーのベースパートを完コピしていたらしい。
1枚しかアルバムを残していないので、この人がいた時期のシュガーベイブの音源は市場に出ていない(はずである)。
つまり、シュガーベイブは、後に、第一線でフランス映画の翻訳を手掛ける人がベースを弾いていたわけだ。
達郎も大貫妙子もスゴい人だが、寺尾次郎もスゴい人なんだな。
シュガーベイブ解散後、大瀧詠一のアルバムなどに参加したが、しばらくするとベースから離れて、映画の翻訳の世界に活躍のフィールドを広げていたのだ。
やがて、フランス映画だけでなく、英語圏の映画の字幕翻訳者にも、何度か寺尾次郎の名がクレジットされているのに気付いた。
その度に、何となくうれしい気分になったものだ。

その寺尾次郎さんが6月6日に亡くなられたというニュースを目にして、驚いている。

心からご冥福をお祈りします。