lizardbrain

だらだらぼちぼち

延泊

2018年06月20日 17時06分43秒 | 無駄話
6月18日、
チェックアウト後に帰路につくはずだった、この朝。
大津市内のビジホで歯磨きを済ませて、そろそろ着替えようとのんびりTVをつけた直後、急に部屋が揺れだした。
揺れだした後に、iPhoneが緊急地震速報を絶叫し始めたので、地震なんだと気づいた。
ビジホの部屋の中には、身を隠す場所が見つからず、かろうじて小さなライティングテーブル(TVとかが乗っかってるやつね)の下に潜り込んだが、体全体を隠すことは難しくて、片足が出ているのが気になったのだが。
このまま揺れ続けるのだろうか?
どんどん揺れが大きくなるのだろうか?
揺れ具合は一定で、そのまま歩き出せそうな程度だったので、命の危険までは感じなかったが、
このまま、ビジホの浴衣を着たまま死んでしまうのは嫌だなぁ、、、、
と心配し出した頃に、揺れは収まった。
部屋の中では特に飛んでくる物体はなくて、足元の屑箱(バケツみたいなプラスティック製のやつ)が転んでいるだけだった。

さっきまで絶叫していたiPhoneはすっかり静かになっていて、画面では大阪あたりが震源で震度5、ここ大津付近では震度3から4らしいと判明した。

廊下の方でホテルの館内放送が何やらしゃべっていたが、部屋の中までははっきりとは聞こえない。
そ~っとドアを開けて様子を見ると、誰も走り回って避難している様子もないし、建物に被害が生じた気配もない。
エレベーターの前まで来ると、全部止まっていることが分かった。

午前中に予定していた面会相手には電話がつながらない。
荷物をまとめて、部屋を出る。
止まったエレベーターを横目に、8階から階段を下りてフロントまで。
下の宴会場で朝食を済ませたらしき、浴衣姿のシルバー世代の客がヒーヒー言いながら階段を上がってくるのとすれ違った。
途中から、宴会場の係らしき女性がフロント階まで案内してくれた。
とりあえずチェックアウトを済ませて、ロビーのソファーに落ち着いてこの日の行動を考えてみる。
もう一度iPhoneの画面を読み込んでみると、この様子では交通機関がすべて長時間に渡ってストップするのは確定的なので、その日一日は身動きが取れないことは間違いないだろう。
それなら大津市内に、最低でももう一日泊った方が良いと思って探してみると、あった。
大津駅近くのビジホに禁煙シングルの空室を確保できた。
我ながら、素早い行動をしたものだと感心するし、よくもまた、空室があったものだとも感心するが。

ロビーでもう少し時間をつぶしてから歩いて国道に出ると、なぜか目の前にタクシーが空車で止まっていた。
最悪、歩いて移動する覚悟だったのが、すぐに乗り込んで、大津駅のあたりまで行ってほしいと告げた。
タクシーから見える大津市街は、特に変わった様子も見当たらない。
食事に便利なところに居た方が良いので、運転手さんと相談して、元の大津パルコあたりで降ろしてもらった。
ここならもう一泊する大津駅にも近いのだ。

西武に入ってみる。
1店だけ、
『従業員が出勤できないために休業します』と張り紙してるテナントがあった。

カフェを見つけたので、朝昼兼用にトーストのモーニングセットを注文。
15時のチェックイン時刻までは、少しでも何かして時間をつぶさなければならない。
映画館のスケジュールを見ても、これといったのが無い。
iTunesを聴きながら、たっぷり時間をかけてコーヒーを飲み干す。
そろそろ出ようかと、トレーを手にすると、コーヒーカップの底に『大吉』という文字が見えている。
横に置いているレシートには、『大吉』が出るとコーヒー1杯が無料になると書いてある。
これを使って、コーヒーをお代わりする。
一日、帰宅が遅れるのに、コーヒー1杯無料になるとは、ついてる気がしてきたのは計算が合わないかもしれないが。

予定外にあと1日こっちに泊まらなければならないので、着替えを買っておこうと、上階のメンズウェアのショップを探検してみる。
バーゲンセールとかやってたら儲けものだが、さすがにそのタイミングではなかったので、1階の無印良品にまわる。
長袖シャツとTシャツ、ボクサーブリーフ、ソックスを物色。
必要なのは1日分だけなのだが、ボクサーブリーフは2着、ソックスは3足まとめるとお得になるので、なぜかまとめ買いしてしまう。
つまり、売り手の思うつぼである。
長袖シャツはあまり気に入った色合いではなかったけど、買ってしまう。
売り手の思うつぼにドップリはまった気がするが、荷物が増えた事だけは間違いない。

なんとかチェックイン時刻前まで時間をつぶして、グーグルマップを頼りに、大津駅まで歩いてみる。
歩いてみても、大津市内には何の異常も見当たらない。
チェックインして、念のために翌日は空室があるか尋ねてみたら、空室はあるが埋まってしまうかもしれないとの回答。
万一、翌日も電車が動かなかったらと気になったが、その時はその時に考える事にして、1泊だけにとどめた。

たいして動いていないはずなのに、部屋に着くと疲れがこみあげてくる。
ベッドに寝ころびながら、阪神電車が運行を再開したことを知る。
翌日には帰れそうな気がしてきた。

夕食は大津駅ビルで、チャンポンを食す。

翌朝、いったん運行再開したJRは京都~大阪間で一部止まっているというあやふやな情報を持って、とりあえず大津駅まで。
動いている事は間違いないらしいので、とりあえず乗り込む。
遅れがちながら、新大阪に到着。
被災地域に住む友人の顔が浮かぶが、自分も一旦帰宅しないことには動きが取れない。
新大阪からの先のダイヤはやはり乱れていて、ちょっともたついたものの、無事に自宅にたどり着けたのは幸運だったと思う。

無印良品で急遽買い付けた着替えの衣類は、意外と快適な品物だったが、ソックスが余りそうだ。