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だらだらぼちぼち

寺井尚子 新神戸オリエンタル劇場

2011年07月02日 11時15分29秒 | 音楽

寺井尚子

2011年4月2日 新神戸オリエンタル劇場

 

曜日かまわぬ不規則労働は、当然ながら、その休日も曜日かまわぬ不規則休日となるわけで。
毎週キッチリ土日が休みで、その上、国民の祝日振り替え休日盆暮れ正月にたんまりと休みがある生活をネタみつつ、不規則にやってくる我が休日に合ったライヴを探しては行きつ戻りつ、
そんな僕の生活の柄が夏向きなのかどうかはともかく、
いきあたりばったりのライヴ観戦を始めて幾星霜。
いつのまにか、ワタクシの年間ノルマは、何人かのお気に入りアーティストへの偏重が現れて、定型化してきたように思う。
つまり、渡辺香津美寺井尚子ケイコ・リー、そして、綾戸智恵の4人が必須となっている。
ただその中でも、ワタクシの都合とケイコ・リーのスケジュールがなかなか合わないので、ここんところケイコ・リーとは疎遠気味なので、なんとかしなければと焦る気持ちが無いわけではない。

いっそのこと、この4人の必須アーティスト達を一堂に集めたライヴを、どなたか企画していただけないだろうか?
などと、常々考えていたところ、この必須アーティストのうちの2人が、日替わりで神戸でライヴする情報をキャッチしてチケ取りに成功した時は、すんごくラッキーだったので、1泊2日の日程を組んで神戸に宿泊した。

まず、その初日の4月2日、新神戸オリエンタル劇場での寺井尚子のライヴについて。

三宮の駅に着いてビジネスホテルに行く途中、歩道橋を降りた所に、とあるラーメン屋さんがあった。
だが、どうしたことか稼ぎ時のはずの土曜日だというのに閉店していた。
店の入り口には
『東北への炊き出しのため、本日お休みします』
との張り紙がされていた。
神戸の人たちは、本当にやさしい。

この公演の企画者も、会場となったホールも、(ワタクシを含めて)訪れた聴衆も、そしてミュージシャン自身も、

まさか、前月にあんなに大きな出来事が起こるとは予想もしていなかったわけで。
どことなく、皆、静かで、
これから楽しい事が始まるんだという予感はあるのだが、どこか遠慮がちで開演前のざわついた雰囲気はあまり感じられなくて、
演奏が始まってからも、ミュージシャンがステージ上で手拍子して煽ると、観客達も手拍子で答えていて、それなりに楽しんでいる雰囲気が充満しているのだが、ノリの良い曲で立ち上がったりその場でステップ踏んだりする人はいなかった。

かといって、演奏プログラム自体には特に変化はなく。
演奏活動の継続でバンドにとっても練りこまれている、いつもの寺井尚子のレパートリーが演奏されていく。


その中で、触れずにいられないのは、
曲紹介で、寺井尚子が、
『祈りましょう』
と言葉を添えて演奏した
『アヴェ・マリア』
演奏者達の心にも、観客達の心にも、おそらく同じ風景が浮かんでいたと思う。
今まで何度か聴いたはずの寺井尚子の『アヴェ・マリア』が、
今までとは全く違う思いを動かして行った。
祈りながら涙が滲んできた。