アベノミクスの三本目の矢である成長戦略が、先週発表されましたが、日本の株式市場の下落がなかなか止まりません。また今週の日銀政策決定会合後にも、状況は変わらずということで、憂慮しています。金融緩和だけで、日本経済をデフレから脱却させ、成長軌道に乗せることが難しいということに株式市場が気づいたようです。
二本目の矢である機動的な財政政策も毎年の税収に匹敵する財政赤字を国債発行でまかない、それを日銀が市場から買い上げるという状況では長期的に成長戦略につながると考えることは難しいと思います。そこで市場の期待が高かった三本目の矢の規制改革、成長戦略が、先週発表され、しょぼい内容であったことが今回の日本株の下落の原因でしょう。
選挙にお世話になるJA、医師会、薬剤師会等に対して、既得権益をはぐ改革ができないことを明らかにしたアベノミクスの三本目の矢でした。勿論政治の目的は、株式を上げることだけではありません。しかし国会の論戦で社会保障や人権などの重要課題を棚上げにして、景気経済に特化した安倍政権にとって、頼りとしていた株式市場からも見くびられた形です。