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とつぜんコラム №204 病気とのつきあいかた

 仏教でいう人間が持っている四つの苦悩。生老病死。生老死は平等だ。万人だれにでも訪れる。この三つからさけられる人はいない。ところが「病」これだけは不平等だ。病気ひとつしないで年を取る人もいるし、病気ばかりしている人もいる。病院にはまったく縁のない人もいるし入院ばかりしているひともいる。小生は、基本的には元気だが、入院経験は豊富だ。
 病気は思いもかけぬ人に、思いもかけぬ形でやってくる。このあいだ友人が入院した。1型糖尿病だそうだ。別件で血液検査を受けたら血糖値が異常に高いことが判った。その人はそれまで血液検査は優等生で、どこの異常はなかった。それが血糖値が異常。その人は先代桂春蝶みたいなやせがたでとても糖尿病には見えない。小生は、太りぎみでメタボ、健康診断のたびに糖尿病予備軍といわれ続けている。それでもなんとか糖尿病にならずにすんでいる。
 彼は、小食だ。小生のように大食いで気がゆるむと暴飲暴食にはしるのなら自業自得だが、小食でやせがたの彼がなぜ糖尿病に?
 糖尿病といっても2種類ある。もし小生がなるのなら2型糖尿病だが彼は1型糖尿病だ。2型はたぶんに不摂生のはての自業自得なところもあるが、1型は不幸不運な病気である。すい臓の機能が低下して血糖をコントロールするインシュリンの出が悪くなる。最悪、インシュリンがまったく出なくなる。となると血糖が血管内に大量にたまり合併症を引き起こす。すい臓が頼りにならないからインシュリンを注射しなければならない。1型糖尿病は治らないから一生注射が欠かせない。
阪神タイガースの岩田投手がこの1型糖尿病だ。先日、久しぶりに先発したが好投。例によって打線の援護なく残念ながらチームは負けた。1型糖尿病患者の励みとなるので岩田投手にはぜひがんばってほしい。
 糖尿病とひとくくりにいうが、1型と2型とは結果は同じだが、まったく違う病気といっていいのではないか。2型は生活習慣病で、1型は原因不明のすい臓の機能低下によっておこる病気だ。だから糖尿病患者となると不摂生な人との誤解を受けるが、1型は原因不明で治癒不可能な難病である。ほんとは糖尿病ではなく別の病名を考えて欲しいとその人はいっていた。
先日、見舞いに行った。入院して血糖値測定とインシュリン注射を自分で完全にできるように病院で教育訓練を受ける。教育入院だ。小生は2年前に一ヶ月もの入院を経験した。できれば入院なんてものはせぬほうがいい。もし入院したら、1日でも早く退院できるようにがんばることだ。
 病気。だれもなりたくない。しかし、多くの人がなんらかの病気になる可能性がある。もし、病気になれば一刻も早く治療を始めることだ。そして早く治すとの強い意志を持つことが肝要である。病は気からというが、気が原因の病もあるが、そうでない病がほとんどだろう。気で治せる病気もあるが、気で治せない病気もある。友人の1型糖尿病などは気で治せない。かような病気は、ある種「個性」として受け入れ、穏便につきあっていかなければならない。小生の2年前の入院は憩室からの大腸出血だった。憩室は病気ではない。体質である。だから小生はこれからずっと大腸に憩室をかかえて生きていくわけ。これからも出血するかもしれない。出血すれば憩室炎という病気だ。病気との付き合い方も人生の重要な課題である。  
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コメント
 
 
 
Unknown (悠々遊)
2018-10-04 22:03:12
こんばんは
私の心臓病も先天性という点では個性と言えるかも知れませんね。
先天性のWPWはカテーテル手術で治ったので、個性が一つなくなった(苦笑)。
心室細動の不整脈も手術で治りましたが、こっちは運動不足に過食の不摂生が原因かも。
さらに加齢により心房細動の不整脈がまだ残っており、これは死ぬまで付き合うことになりそう。
 
 
 
悠々遊さん (雫石鉄也)
2018-10-05 05:00:45
いつだったか、柴野拓美さんあが、「無病息災」より「一病息災」とおっしゃってました。
私も、憩室に胃潰瘍と消化器系に持病を持っております。胃潰瘍はピロリ菌を退治してもらって再圧はありませんが、憩室は一生つきあっていきます。
柴野さんがおっしゃっていたように、一つ病気を持っている方が健康に気をつけ、定期的に医者にかかるのでいいかも知れませんね。
 
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