雫石鉄也の
とつぜんブログ
2011年に読んだ本ベスト5
2012年に、小生が読んだ本ベスト5は以下のとおり。小生は本好きではあるが読むスピードは遅い。もっとスピードアップして量を読みたいと思っている。
SFマガジンを月に2冊読んでいる。最新号と、星群の会ホームページ連載「SFマガジン思い出帳」のために1970年代の古いSFマガジンを読んでいるわけ。この企画、本当は創刊号からやりたいが、小生が生まれて初めて買ったSFマガジンは1967年9月号№98。それ以前は古本屋でぽつりぽつり買っていたが、小生には古書蒐集の趣味はなく、以前の号をコンプリートしようなんて気はまったくおきない。だから№98以前は揃っていない。従って、「SFマガジン思い出帳」は1967年9月号から始まって、最新は1971年5月号№146。今出ているSFマガジン2012年2月号は№671。月に1冊づつだから、小生が死ぬまでやっても追いつかない。
では2011年のベスト5を。
1位 ジェノサイド 高野和明 角川書店
「このミス」をはじめ、各種の年間ランキングでベスト1になっている。やはり面白いからだろう。小生も面白かった。「巻を措く能わず」とはこの本のためにある言葉だ。
昨年亡くなった小松左京の「××××」と思わせておいて、実は「××××××」と同じテーマの作品と判る。
2位 華竜の宮 上田早夕里 早川書房
久しぶりに読んだ和製本格SF。小松左京「日本沈没」に眉村卓「司政官」をプラスして、大アイデア小アイデア、いっぱいオプションをくっつけてある。
登場人物は多いが、みんなが魅力的。近ごろガツンとくるSFが少ないとお嘆きの貴兄に。
3位 鋼の錬金術師 荒川弘 スクウェア・エニックス
優れた漫画が備えなければいけない二つの条件。ストーリー、作画の双方とも極めて高いレベルに達している。広げに広げまくった大風呂敷。あっちこっちに張りまくられた伏線。大丈夫かいなと思うけど、見事に閉じて回収する。
4位 ねじまき少女 田中一江・金子浩訳 パオロ・バチガルピ 早川書房
海面上昇、石油枯渇、環境破壊、疫病蔓延、困りごとのデパートとなった世界。タイは比較的マシだ。そのタイの灼熱と動乱のバンコクを、毛穴を持たない日本製ねじまき少女エミコが走る。スチームパンクというより、ねじまきパンクの傑作。
5位 サトリ 黒原敏行訳 早川書房 ドン・ウィンズロウ
「シブミ」の主人公で、囲碁の達人にして日本の古武道を身に付けたニコライ・ヘルの若いころの話。殺人の嫌疑をかけられGHQに囚われているヘル。釈放を報酬にCIAが仕事を依頼してきた。建国直後の人民共和国中国に潜入してソ連の要人を暗殺せよ。
「シブミ」とはうって変わって本格冒険小説。亡くなった内藤陳さんの感想を聞きたかった。
「シブミ」「サトリ」ときたから、次はぜひ、ジェフリー・ディーバーあたりに「ゲダツ」を書いてもらいたい。
次点 悪の教典 貴志祐介 文藝春秋
教育熱心、英語堪能、頭脳明晰、人気抜群なイケメン教師。ところがこいつがとんでもない化けもんだった。究極のわがまま男が、ショットガンをぶっ放して大量殺人。サイコホラーの傑作。
SFマガジンを月に2冊読んでいる。最新号と、星群の会ホームページ連載「SFマガジン思い出帳」のために1970年代の古いSFマガジンを読んでいるわけ。この企画、本当は創刊号からやりたいが、小生が生まれて初めて買ったSFマガジンは1967年9月号№98。それ以前は古本屋でぽつりぽつり買っていたが、小生には古書蒐集の趣味はなく、以前の号をコンプリートしようなんて気はまったくおきない。だから№98以前は揃っていない。従って、「SFマガジン思い出帳」は1967年9月号から始まって、最新は1971年5月号№146。今出ているSFマガジン2012年2月号は№671。月に1冊づつだから、小生が死ぬまでやっても追いつかない。
では2011年のベスト5を。
1位 ジェノサイド 高野和明 角川書店
「このミス」をはじめ、各種の年間ランキングでベスト1になっている。やはり面白いからだろう。小生も面白かった。「巻を措く能わず」とはこの本のためにある言葉だ。
昨年亡くなった小松左京の「××××」と思わせておいて、実は「××××××」と同じテーマの作品と判る。
2位 華竜の宮 上田早夕里 早川書房
久しぶりに読んだ和製本格SF。小松左京「日本沈没」に眉村卓「司政官」をプラスして、大アイデア小アイデア、いっぱいオプションをくっつけてある。
登場人物は多いが、みんなが魅力的。近ごろガツンとくるSFが少ないとお嘆きの貴兄に。
3位 鋼の錬金術師 荒川弘 スクウェア・エニックス
優れた漫画が備えなければいけない二つの条件。ストーリー、作画の双方とも極めて高いレベルに達している。広げに広げまくった大風呂敷。あっちこっちに張りまくられた伏線。大丈夫かいなと思うけど、見事に閉じて回収する。
4位 ねじまき少女 田中一江・金子浩訳 パオロ・バチガルピ 早川書房
海面上昇、石油枯渇、環境破壊、疫病蔓延、困りごとのデパートとなった世界。タイは比較的マシだ。そのタイの灼熱と動乱のバンコクを、毛穴を持たない日本製ねじまき少女エミコが走る。スチームパンクというより、ねじまきパンクの傑作。
5位 サトリ 黒原敏行訳 早川書房 ドン・ウィンズロウ
「シブミ」の主人公で、囲碁の達人にして日本の古武道を身に付けたニコライ・ヘルの若いころの話。殺人の嫌疑をかけられGHQに囚われているヘル。釈放を報酬にCIAが仕事を依頼してきた。建国直後の人民共和国中国に潜入してソ連の要人を暗殺せよ。
「シブミ」とはうって変わって本格冒険小説。亡くなった内藤陳さんの感想を聞きたかった。
「シブミ」「サトリ」ときたから、次はぜひ、ジェフリー・ディーバーあたりに「ゲダツ」を書いてもらいたい。
次点 悪の教典 貴志祐介 文藝春秋
教育熱心、英語堪能、頭脳明晰、人気抜群なイケメン教師。ところがこいつがとんでもない化けもんだった。究極のわがまま男が、ショットガンをぶっ放して大量殺人。サイコホラーの傑作。
コメント ( 6 ) | Trackback ( 0 )
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昨年はそれでも勇気を出して評価の定まっていない新刊に手を伸ばした方なのですが。いずれ読んでみたいと思います。雫石さんも図書館で借りるのですか?
華竜の宮、特に読んでみたいです。
今度図書館で探します。
ところで、前に紹介いただいたホテルハイビスカス、やっと見ました。
面白かったです。
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私は本は図書館では借りません。読む本は全部買ってます。本代が大変です。
期限を切られて本を読むのが嫌なのです。
「ホテル・ハイビスカス」面白かったですね。
主役の女の子が大変、魅力的でした。
最近は古本で買うことが多いですが、わたしも図書館が遠いので、買って手元に置くほうですね。作家デビューしたら、図書館に近いオフィスを借りようかな? ははは、無理ですけど。
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