雫石鉄也の
とつぜんブログ
ハサミ男

監督 池田敏春
出演 豊川悦司、麻生久美子、阿部寛、樋口浩二、寺田農、斎藤歩
くず映画である。時間のムダであった。こんな映画を観ている時間があれば本でも読んでいれば良かった。
ハサミ男と呼ばれる連続殺人鬼が世間を騒がしている。被害者はいずれも女子高生。凶器はハサミ。ハサミを鋭く研磨して被害者の喉に突き刺すという手口。また被害者が出た。第1発見者は男女二人。それと奇妙な男。
この男女二人。同居しているが、いかなる関係の男女か。夫婦ではなさそう。兄妹でもない。なんなんだこの二人。女は出版社で働いているようだが、男は何をしているのだ。何者だ。男の正体、二人の関係は映画の中ほどで判る。この映画の興味はこれだけ。あとはダラダラとしたストーリーと、思わせぶりな警察の捜査が描かれ、最後はありきたりな父と娘のお涙ちょうだい。
豊川はさすがに上手かったが、麻生が下手。麻生も「インスタント沼」のようなコミカルな演技はいいが、こういう深刻な芝居はダメだな。
小生は殊能将之の原作を読んでないが、読んだ人の話によれば、この役は深刻にやったらダメだそうだ。
さてさて終わりだ。しょうもない映画やったな。と思ったけど、なかなか終らん。あげくに父と娘の愁嘆場。「おとうさんは信じてる。おまえならできる」
アホかいな。
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コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )
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ただ、このお話を映画にするのは至難の業だろうな、と思いましたが。
小説でこそ活きるトリックでしたからね。
具象としての映像を目に見せる映画と、抽象としてのイメージを読者の頭の中に結ばせる小説は、全く違う表現手段ですから、抽象をむりやり具象するのは無理が場合もありますね。
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