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戦う幌馬車


監督 バート・ケネディ
出演 ジョン・ウェイン、カーク・ダクラス、ハワード・キール

 少人数でチームを組んでコトに当たるのを見せる映画は、エンタメ映画の定番だ。「7人の侍」「ナバロンの要塞」「プロフェッショナル」「十三人の刺客」などなど。「侍」は野盗の群れから村を守る。「ナバロン」は巨大な大砲を爆破する。「プロフェッショナル」は革命軍に拉致された女性を救出する。「十三人」は暴君を暗殺する。いろいろあるが、この映画はガトリング機関砲を装備した装甲馬車を襲って、金を取るというミッション。
 この題名を見ると、「幌馬車」が主人公サイドのようだが、主人公は馬車を襲うほう。トウ・ジャクソンが刑務所から出所して町に帰ってきた。トウの牧場も金鉱も、町のボス、ピアーズのモノになっていた。
 トウは復讐のためピアーズの金50万ドルを奪う計画を立てる。金は鉄で装甲され機関砲も備え、大勢の護衛で守られた馬車で運ばれる。トウはトシはとってるが腕のいいガンマン。そんなトウでも一人ではムリ。で、仲間に凄腕のガンマンで金庫破りのローマックス、アメリカ先住民で、先住民に顔の効くリーヴァイ・ウォーキング・ベア、爆破の専門家ビリー、運び屋で物資調達係のケイト夫妻。この6人で装甲馬車を襲う。
 ディミトリ・ティオムキンの音楽はオープニングから軽快でノリがいい。ジョン・ウェインはさすがの貫禄でおトシを感じさせない。カーク・ダクラスは洒脱で軽快でかっこいい。それだけの映画といえる。ティムキンとウェイン、ダグラス。この3人がいなかったら凡作といえよう。さして名作とはいえない映画ではあるが、西部劇ファンで西部劇に飢えておった小生は、西部の風景が映っただけで満足。ジョン・ウェイン西部劇のお約束、酒場の殴りあいもちゃんとあったし。
 ところで、この手の映画では爆破のプロは欠かせない。どういう爆破のプロにするかが興味深い。「ナバロン」のデビット・ニーブンは皮肉屋のイギリス紳士、「プロフェッショナル」のバート・ランカスターは豪快でスケベなガンマン。この映画のビリーはアル中の若い男。酔いつぶれて酒場の床下に寝転がっているのをローマックスに蹴飛ばされて仲間に誘われる。こういう爆破のプロも面白い。ま、久しぶりの西部劇というだけで満足満足。
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コメント
 
 
 
へえ… (アブダビ)
2017-02-07 00:28:05
リオ・ブラボーの記事を読んだら、他にジョンウエインのウエスタン記事ないか気になり辿り着きました。
実はこの映画知らなかったのです。
要するにマッドマックスを暴走族側の立場で描いた話ですね。ジョン・ウエインが馬車を護る側でなく、襲撃者なのが奇抜!
私は襲撃もの好きなので、探してみよと思いました。ついでに、
リオブラボー記事で犯人を「連邦保安官に渡すまで…」とおりました。連邦保安官てアメリカの警察ものや西部劇には良く出てくる存在すが、
「主役」てみた事がない!
FBIとどー違うんだ?

で、調べてみました。「司法制度を護るお仕事…」なんの事か解らない!
で、あれこれググるとなるほど…

FBIて捜査逮捕権あるけど起訴権ないらしいんですね。つまり捕まえたらお終い!
で、司法取引とかあるますよね。
証人をマフィアとから保護をする時の護衛。そういうのや、被告人の護送とか。
被疑者が保釈金払って(保釈金保険がある)逃亡した時に追跡するとか。
裁判に関わる証人保護や、刑が決定する前の逃亡者をつかまえて「裁判が無事に終わる」ように計らう。だから「司法の守護」なんてすって。

考えて見ると、「逃亡者」で無実の医師を追うのは連邦保安官でした。「証人」で弁護士が証人の為に呼ぶのも連邦保安官。
リオブラボーみたいな話だと「全てが終わって悪者が逮捕されるまで」話に参加しない!
いわば「物語のその後」に必要なお仕事なんですね。主役にならん訳です。
ドジ踏んで逃げられた連邦保安官が、黒沢の「野良犬」みたく追う話はありそうなものですが、記憶にないです。
大変そうなお仕事なのに主役になれない。そう言う意味では気の毒ですね。
 
 
 
アブダビさん (雫石鉄也)
2017-02-07 09:11:15
なるほど。よく判りました。興味ぶかい話をありがとうございます。
 
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