雫石鉄也の
とつぜんブログ
ペンギン・ハイウェイ
監督 石田祐康
出演(声) 北香那、蒼井優、釘宮理恵、潘めぐみ、竹中直人
子供のころ夏は楽しい季節であった。そして少年がこの世の不思議と出会い成長する季節でもある。少年の夏はセンス・オブ・ワンダーに満ちているのだ。
アオヤマくんは海のない町に住んでいる。理科系少年のアオヤマくんはなんでもノートに記録して分析して、いろんな謎の解明に取り組んでいる。アオヤマくんはなにごとにも冷静に対応し、論理的にものごとを考える。ガキ大将のスズキくんにも冷静に対応する。
そんなアオヤマくんがペンギンを見た。海のないこんな町でなぜペンギンが。もちろんアオヤマくんはその謎に解明に取り組む。相談相手は親しくしている歯医者のお姉さん。喫茶店でチェスをさしながら、アオヤマくんはお姉さんのでっかい胸を見ながら相談する。
謎はさらに深まる。アオヤマくん、おとなしい友だちのウチダくん、チェスが強く相対性理論を知っているハマモトさん。この3人で謎の解明につとめる。どうもお姉さんがカギのようだ。なんせお姉さんが投げたコーラの缶がペンギンに変身するのだから。そうこうするうちに森の中に不思議な物体が、それは「海」のようだ。
謎は謎を呼んで、アオヤマくんたちの「夏」は終わる。で、結局、謎の解明は観る人に託される。なぜペンギンがこんなところにいる。「海」とはなに?お姉さんはなにもの?
これは「夏」の物語である。少年の「夏」はワンダーランドなのだ。たいへんに優れたSF映画である。原作も良かったが映画は映像化によってSF性がよりいっそう際立っていた。名作である。
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