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彼らが本気で編むときは、


監督 荻上直子
出演 生田斗真、桐谷健太、柿原りんか、ミムラ、小池栄子、りりィ

レンタネコ」以来、久しぶりの荻上監督の映画である。今回は少々、重いテーマを内包している映画といえるかもしれないが、そこはそれ、荻上映画らしく、ほどよいユーモアと爽やかな印象を持つ映画にしあがっているから、後味は良い。最後に少し涙をさそうが、さすが、荻上監督。ベタな愁嘆場なんかには絶対にしない。テーマを具象化する演出、ワンシーンワンシーンの映像表現はあいかわらずうまい。
 小学生の女の子トモの母親はろくでもない母親。育児放棄してしょっちゅういなくなる。トモは散らかり放題の部屋で一人さみしくコンビニのおにぎりを食べる。ゴミ箱はコンビニおにぎりの包装紙でいっぱい。
 こまったトモは叔父のマキオの所へ行って世話になる。マキオには同居しているパートナーがいた。介護士のリンコがマキオの恋人。リンコはトランスジェンダー。男の身体を持って生まれてきたが、心は女。いまは手術して身も心も女になった。トモはリンコになつく。リンコもトモをたいへんにかわいがる。
 リンコはトモをぎゅっと抱きしめてくれる。キャラ弁を作ってくれる。編み物を教えてくれる。髪の毛を直してくれる。お母さんがやってくれないことを、み~んなやってくれる。リンコはマキオと結婚してトモを養子にしたい。マキオも賛成する。
 トモは強い女の子。へんな人といっしょに暮らしていると、学校でイジメにあうが、負けない。リンコは限りない愛情でトモを包んでくれる。この二人をマキオはやさしく見守る。トモはリンコとマキオ、二人の大人に今まで経験したことのない大きな愛情をもらう。
 ともかくトモをやった子役柿原がものすごくうまい。生田の女形もいい。荻上直子の新境地ともいえる佳作である。
コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )
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コメント
 
 
 
利息を払え (はる)
2017-10-30 21:18:32
画像を単純化して再度UPさせていただきました。
今度は大丈夫だと思います。ごめんなさいです。
 
 
 
はるさん (雫石鉄也)
2017-10-30 21:22:18
はい。いまから聞きに行きます。
 
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