ここは江戸の新吉原、煌びやか色香に誘われ今夜も男たちが訪れる
三番山中町「紫雲閣」
芸題は「碁太平記白石噺 新吉原揚屋」
太夫職という遊女の最高位、宮城野
田舎娘の信夫がやって来た
そなたはどこの生まれじゃえ あい、奥州の白石近在の逆井村です
そこに与茂作というお人が居たであろう・・ 与茂作は私のだだァさ
国を出るときにかかさんが持たせてくれた同じ八幡様のお守り
二人の姉妹は再会に喜び涙します よう尋ねてきてくれた、父さん母さんは元気かえ
信夫から父が殺されたこと、母も病で亡くなったことを聞いた宮城野は
驚きのあまり体調を崩す、信夫は姉を介抱して仇を討ちたいと訴えます
宮城野は借金のため十二歳で
廓に身を売り
父や母の死も知らずに暮らしていたのかと
嘆き悲しみます
二人は廓を抜け出そうとするが
花魁、どこへ行くのだ!!
今までの様子を聞いていた大黒屋惣六が登場し
早まるでない、お前たちの顔はまるで杜若と菖蒲のようによく似ておる
惣六は曽我物語を例えに、姉妹の血気を戒め、時期を待ち十分に修練してから仇を討てと諭します
餞に宮城野の年季証文と大門の切手を与え見送るのでした
2023年5月 岐阜県垂井町