旅と祭りのフォトログ

さて、どちらへ行こう 風が吹く

長浜曳山まつり2018 其の五

2018-04-30 17:39:13 | 長浜曳山まつり

 伝統の曳山祭には昔ながらの建物と狭い通りが必要だ。

 

 長浜の町は至る所に曳山を際立たせる古風な街並みが点在する。

 

 長浜最古の曳山と伝わる「高砂山」 亭は八つ棟造りで軒先に唐破風、舞台屋根は切妻造り、見送り幕は全面刺繍の「八仙人の図」と綴織「唐子遊戯の図」

 

重要文化財ゆえに修理は文化庁の許可監修が必要、狂言執行には慎重な準備作業が要求される。

 

 「高砂山」の外題は「玩辞楼十二曲の内 義士外伝 土屋主税」

 

 振付は高名な市川団四郎師匠なれば、

 

 見応えのある秀逸な作品に仕上がっているに違いない。

 

 ところで・・・土屋主税って誰よ?

 

 恥ずかしながら私も知りませんでした。

 

 この人が土屋主税です。

 

 本所松坂町の吉良邸隣に屋敷を構える赤穂贔屓の旗本寄合・・・それを聞けば察しがつきますね。

 

 吉良邸討ち入り時に塀に沿って高張提灯を掲げ、赤穂浪士に力添えしたことは忠臣蔵で度々語られます。

 

 最近は忠臣蔵って何よ・・? と頭をひねる若者もいるらしい(笑)

 

 忠臣蔵には外伝物が多く存在し、それだけで講談や歌舞伎の題材として取り上げられます。

 

 「玩辞楼十二曲」は初代中村鴈治郎が撰んだ成駒屋のお家芸のこと。

 

 俳諧師の宝井其角が詠みかけた「年の瀬や 水の流れも 人の身も・・・」 大高源吾は詠み返す「明日待たるる その宝船」

 

 聞こえてくるは山鹿流の陣太鼓「三丁陸六つ、一鼓六足、天地人の乱拍子、この山鹿流の妙伝を心得ておる者は上杉の千坂兵部と、今一人は赤穂の大石・・」

 

 「おお、あれはまさしく大石内蔵助」

 

 落合重蔵に討ち入りの様を身をもって語る場面は一枚の役者絵。

 

 本懐を成し遂げた大高源吾、武士として風流人として見事な生涯の締めくくり。

 

 「山を抜く 力も折れて 松の雪」

 

「浅野殿は良いご家来を持たれましたな~」

2018年4月 滋賀県長浜市

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長浜曳山まつり2018 其の四

2018-04-29 21:20:48 | 長浜曳山まつり

 「長浜曳山まつり」を題材にした映画「男はつらいよ・拝啓車寅次郎様」が公開されたのは1994年12月。

 

 その時のスクリーンで演じられるのが「恋飛脚大和往来 新口村」

 

 ロケに使われたのは1994年春に上演された「壽山」による外題「新口村」であろう。

 

 美しい湖北の情景を織り交ぜながら、盛り上がる祭りの場面を捉えた寅さん映画の傑作である。

 

 懐かしい思い出と共に鑑賞したい「鳳凰山」 外題は「恋飛脚大和往来 梅川忠兵衛 新口村の場」

 

 雪景色の中、黒留袖の立ち姿。

 

 忠兵衛は格調高く片岡仁左衛門、

 

 梅川は坂田藤十郎で行きたい。

 

 死に場所を求める二人。

 

 降りしきる雪の中を忠兵衛の故郷大和の新口村へ。

 

 文楽では道場参りの人々が行き交う場面だが、

 

 萬歳鶴太夫、才造亀吉を登場させるところが長浜流。

 

 芝居後半の見せ場、孫右衛門の登場です。

 

 憎い奴じゃと思えども、可愛ゆうござる。

 

 切れた鼻緒を挿げる梅川の所作、歌舞伎の伝統表現は美しい。

 

 養子親への義理から息子の顔を見ることを拒む孫右衛門、梅川は目隠しをして親子の手を握らせるのだった。

 

 詩情豊かに描かれる忠兵衛と実父孫右衛門の再会と別れの場面。

 

雪の中へはかなく消えてゆく二人・・・何を思うか孫右衛門。

2018年4月 滋賀県長浜市

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長浜曳山まつり2018 其の三

2018-04-28 21:20:41 | 長浜曳山まつり

一番山「猩々丸」の外題は一谷嫩軍記 熊谷陣屋の場」

 

源平の合戦を舞台に武士道の無常感を招く時代物の傑作だ。

 

各地で開催される子供歌舞伎の舞台で度々上演され馴染み深い。

 

 熊谷直実が語る合戦の様子が聞かせどころ。

 

 ここは吉右衛門になりきって「制札の見得」

 

 お騒ぎあるな!!

 

 平家の若武者平敦盛の命を助けるため息子の小次郎を犠牲にした直実の嘆き。

 

 よくぞ討った、敦盛が首に相違ない。

 

 所縁ある者もあるであろう、その首見せて名残を惜しませよ。

 

 弥陀六こと平宗清が登場すれは物語も大詰め。

 

 舞台を終えた藤の方からは安堵の表情が漂います。

 

 大変よくできました!!

 

 狂言が終了すると曳山の周りは緊張感から解放され和みの空間となります。

2018年4月 滋賀県長浜市

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長浜曳山まつり2018 其の二

2018-04-26 21:12:00 | 長浜曳山まつり

 夕刻となり天気予報どおり雨となりました。

 

 そこで、親子丼の「鳥喜多」さんへ、子ども狂言の台詞にも登場した長浜の名店です。

 

 「役者夕渡り」は夕刻の7時から始まる。

 

 雨のため行程を縮小し大手門通りで執り行われることに決定。

 

 辻々で奏されるしゃぎり囃子に導かれるように、

 

 子ども役者のお練りが始まります。

 

 役者に成りきって渡る姿は可憐そのもの。

 

 所々でその役にあった見得を決め、

 

 紅提灯に先導され粛々と進みます。

 

 曳山舞台上で演じられる狂言とは一味違い役者との距離は近い。

 

 「登り山」と同様にくじ順の反対に各組ごとに行列する。

 

 金棒引き(人行事)を先頭に御幣持、面箱持、舞台方、役者の順で渡ってゆきます。

 

 本日を明日に控え祭り気分が高揚する長浜の町。

 

若き頃の片岡仁左衛門を彷彿させる忠兵衛。 目線バッチリの所作に感謝です。

2018年4月 滋賀県長浜市

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長浜曳山まつり2018 其の一

2018-04-24 20:02:18 | 長浜曳山まつり

 「登り山」です。 

 

 自町狂言を終え、

 

 四番山から順次「長濱八幡宮」を目指す。

 

 曳山の飾りを正装し境内へ曳込まれます。

 

 招き扇が入り乱れ、

 

しゃぎり囃子も加わり境内は祭り気分で盛り上がる。

 

 多くのカメラマンが取り囲む中で子ども役者が舞台を降りる。

 

 誇らしげな表情の山内一豊くん。

 

 残すは今年の一番山「猩々丸」

 

地元では「猩々丸」が登場する年は雨が降るジンクスがあるらしい。

 

 ここは女らしくおしとやかな身のこなしで行きたい。

 

 熊谷直実は武士らしく颯爽と、

 

女性の視線を独り占めにする亀屋忠兵衛の色男ぶり。

 

 子ども役者が座乗する「猩々丸」が定位置に据え付けられ、

 

「登り山」の行事は終了する。 雨雲が近づいて来た。

2018年4月 滋賀県長浜市

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