絢爛豪華な山車と伝統芸能の融合は、
各地で開催される曳山系祭りの中で、ひときわ輝きを放つ。
今回も祭りの楽しみ方を知り尽くした dendoroubikさん と、
子供を撮らせたら他の追随を許さないせんべぇさん、
三人で撮って、笑って、少し飲んでの楽しいひと時をありがとうございました。
さて、前田利常公は徳川家との関係を常に意識し武闘の道を良しとせず、
公共事業、文化芸能工芸の振興に力を注いだと聞く。
加賀百万石が育んだ豪華な曳山上で、
格調高き伝統芸能の極み、
風薫る五月の宵に花開く、
曳山舞台上の華麗な子供歌舞伎。
歌舞伎の町小松が最も輝くひと時である。
２０１６年５月 石川県小松市
小松の旧市街地には昔の名残を感じさせる町家建築が残る。
近江長浜の曳山を模して造られたと伝えられるが、
小松の曳山は明らかに「長浜型」とは趣を異にする煌びやかな美術工芸品。
曳山舞台に至る花道は千両役者のレッドカーペット。
金箔と漆で装飾された豪華な曳山舞台で、
子供役者の熱演が始まる。
歌舞伎三大名作のひとつ「仮名手本忠臣蔵」
お馴染みの「七段目・一力茶屋一幕」
ここは遊女のお軽さんに注目したい。
大歌舞伎の場面では玉三郎のお軽と、
団十郎の由良之助が際立って印象深いが、
歌舞伎の町小松が育んだ可愛い役者陣には、
歌舞伎通の大人も舌を巻く。
２０１６年５月 石川県小松市
華やかなり加賀百万石。
２５０回の節目を迎えた伝統の曳山歌舞伎。
「お旅まつり」の名前は神輿が氏子町内を練り歩き旅をすることから始まったとされる。
子供獅子舞は神輿に随伴し、
町内の家々を回るのが習わし。
男子は子供獅子で女子が主に歌舞伎役者を務めるのが小松流。
花道に前田利常公が登場。
小松でしか見ることができない「 辰巳用水命光輝 稲葉左近屋敷館之場」
伝統の調べに導かれ、
歌舞伎の町は華やかに彩られる。
２０１６年５月 石川県小松市
「亀崎潮干祭」のハイライトシーン。
「海浜曳き下ろし」
ニュースや新聞記事で必ず取り上げられるお馴染みの場面だ。
不安定な波打ち際で方向を変え、
５輌の山車は縦一列に揃えられる。
港に停泊中の大型貨物船を背後に、
今度は曳き上げが始まります。
砂地にめり込むゴマと男たちの格闘。
砂地から脱出すると、
山車は広い海浜緑地を悠然と進む。
最後を飾るのは「神前神社」前の曳き廻し、圧巻です。
２０１６年５月 愛知県半田市
お祭り日和の午後。
祭りの舞台は亀崎の旧市街地へ、
振る舞い酒に酔い、
山車を追いかけた。
「亀崎潮干祭」は国指定重要無形民俗文化財。
もちろん、ユネスコの無形文化遺産候補でもある。
伝統に従い女人禁制が守られている。
上山で微笑むのは巫女なのです。
初夏の日差しと薫風を受け、
５輌の山車が海浜を目指す。
見せ場の一つ「大川の曲げ場」
クランク状の難所も滞ることなく見事な綱さばきで抜けてゆく。
ここは亀崎町７丁目交差点。
一気に方向転換を終えると、
山車は緩やかな坂道を高速で突き進む。
２０１６年５月 愛知県半田市
