風薫る五月
相川を鯉のぼりが泳ぐ
垂井宿は中山道５７番目の宿場
ゴールデンウィークの風物詩「垂井曳山まつり」
今年も絶好の祭り日和に恵まれた
５月３日の本楽は「古式練込み」から始まる
芸児は祭礼関係の青年にエスコートされ
役者に成りきって進む
絶対にコケるなよ～
集合場所は今年新装なった「ワイワイプラザ垂井」
子供役者たちの試練が始まると思いきや・・
僕たちはお家乗っ取りを企てる悪者だ！！ ワハハハハ！！
垂井小学校鼓笛隊に先導され
「古式練込み」の行列は「八重垣神社」を目指す
履き慣れない高下駄姿
八汐様のお通りだ
中山道垂井宿通りを経て
三町の祭礼協力委員は法被姿で「八重垣神社」へ
イケメン曾我十郎祐成見参！！
役者は全員お祓いを受け神前奉芸に臨みます
２０２４年５月 岐阜県垂井町
曳山の提灯が美しい
これから始まる宵の宴
役者たちの心意気を楽しもう
「役者夕渡り」は夕刻の７時から始まる
八幡宮から一八屋例席まで
春宵の華麗なるお練りが始まった
大名は凛々しく
愛嬌を振りまく太郎冠者
私はもう眠いわいな～
醜女はつらいよ
末番の山組から順に進む
役柄は美男子なのです
加藤家の執権、監物太郎
監物の妻、橋立
物語のヒロイン、夕秀
多々羅新洞左衛門が吠える
馬上提灯の灯が幻想の世界を演出する
稀代の色男、新田義峰
義峰の恋人、傾城うてな
お舟に恋心を抱く下人の六蔵
恋に身を焦がすお舟
極悪非道の渡し守、頓兵衛
千之助の妹、お縫
千之助の妻、お鶴
茶屋の息子、千之助
嫉妬深い母親のお寅
千之助の義母、お秀
シャギリボーイズの大合奏が素晴らしい
２０２４年４月 滋賀県長浜市
招き扇に導かれ
末番の曳山から
順次神前に揃えられる
所定の位置に寸分の狂い無く据え付けるのが伝承されてきた決まり事
世界が認めた動く美術館の伝統美
揃いの法被に地下足袋を履いた引手衆
八幡宮参道の側道には旧家の軒が連なり趣のある光景を演出する
祭りの風景に無くてはならないのが「しゃぎり」
神楽が奏され曳山は正装して境内に曳き込まれる
しばらくすると曳山楽屋後方から
役者陣が若衆に抱えられ
社務所の休憩所へ
絢爛豪華な曳山を背景にしたオフショットポイント
砂利に覆われた八幡宮境内
砂埃を巻き上げ曳山が近づいてきた
曳山の重量は５トンを超える
据え付け完了までは気が抜けない
陽は西に傾き役者の顔を照らす
晴れやかな場面です
午後３時３０分、壱番山が八幡宮境内に曳き込まれ
登り山の行事は終了する
黄昏の「しゃぎり」が流れ
勢揃いした４組の曳山は日没を待って提灯を燈す
２０２４年４月 滋賀県長浜市
「しゃぎり」に誘われて
ほろ酔い気分で曳山を追った
八幡宮はあっちだよ～
登り山です
自町狂言を終えた曳山は四番山から順番に八幡宮を目指す
ちょっと一服
境内に入る前に曳山は飾り物を整え
所定の場所に据え付けられる
社務所前では金棒引きと総当番詰めが見守り
末番の曳山から順に記帳する
所定の位置に寸分の狂いもなく据え付けるのは
経験と技量とパワーが必要だ
登り山行事はこれからが佳境となる
２０２４年４月 滋賀県長浜市
参番山は田町組「月宮殿」
外題は「苅萱桑門筑紫𨏍 加藤館守宮酒の場 玉取」 振付は岩井小紫師匠
「かるかやどうしんつくしのいえづとかとうやかたいもりさけのばたまとり」 寅さんには難解で読めません(汗)
加藤家の重宝「夜光の宝珠」をめぐり物語は展開します
夕秀という娘が使者に立つ、二十歳をすぎた処女でなければ手にした瞬間に黒く濁るという宝珠
夕秀の父親 新洞左衛門
夕秀は美男の桑原女之助と恋に落ち、いもり酒を飲まされ肌を許してしまう
夕秀は矢を胸に突き立てて自害する
男と女の不条理な絡みを子供役者がどう表現するか興味津々
決まりました！！
四番山は本町組「春日山」
外題は「釣女」
みんなが知っているお馴染みの演目
各地の曳山舞台や芝居小屋で上演されており
目の肥えた地歌舞伎通にとってはついつい見比べてしまいます
見せ場は太郎冠者と醜女の滑稽なやりとり
モー 絶対放さないわよ！ 醜女は太郎冠者に一目惚れ
祝言じゃ～ 祝言じゃ～ 大名は内心大喜び
天に在りては願わくは比翼の鳥とならん、地に在りては願わくは連理の枝にならん あんた! さっきそう言ったわよね・・
ハイ！ ハイ！ ハイ！ 有難うございました～
曳山が動き出した
２０２４年４月 滋賀県長浜市
