旅と祭りのフォトログ

さて、どちらへ行こう 風が吹く

長浜曳山まつり2019 其の二

2019-04-30 13:24:28 | 長浜曳山まつり

 旅の衣は鈴懸の 旅の衣は鈴懸の 露けき袖や しおるらん

 

 時しも頃は 如月の 如月の十日の夜 月の都を立ち出でて

 

 これやこの 行くも帰るも別れては 知るも知らぬも 逢坂の 山隠す 霞ぞ春はゆかしける

 

 波路はるかに行く船の 海津の浦に 着きにけり

 

 屈指の名曲とされる詩情豊かな長唄に誘われ、

 

 「孔雀山」の外題は「勧進帳」  弁慶、富樫、義経の虚々実々とした駆け引きは緊迫感に満ち、日本人が最も好む歌舞伎の様式美であろう。

 

 見れば 大勢の山伏たち 一人たりとも通すこと まかりならぬ~!!  

 

 なんと 勧進帳を読めと 仰せ候や

 

 白紙の勧進帳を堂々と読み上げる弁慶、盗み見ようと近づく富樫・・・緊迫の場面です。

 

 ちょっと待った!! それなる強力 止まれとこそ!!  判官殿に似たると申すもの候ふほどに 留めもうした!!

 

 強力を義経かと疑われるや弁慶は金剛杖で主君の義経を叩きのめします。

 

 今は疑い晴れ候 とくとく いざない 通られよ   主君を打ってまでその命を助けようとする弁慶の深き心を察した富樫。

 

ある時は 船に浮かび風波に身を任せ またある時は山脊の馬蹄もみえぬ雪の中  

 

 海少しある 夕波の 立ちくる音や 須磨明石   弁慶の涙を見て義経は労をねぎらい自分の置かれた境遇を嘆く。

 

湖北の染五郎と呼びたくなる義経の気品。

 

 富樫は無礼のお詫びに酒をふるまう、弁慶は人の情けを感じつつ豪快に盃を飲み干すのであった。

 

鳴るは滝の水 日は照るとも 絶えずとうたり とくとく立てや たつかゆみの 心ゆるすな 関守の人々  弁慶が見せる延年の舞。

 

 虎の尾をふみ 毒蛇の口を逃れたる 心地して 陸奥の国へぞ下りける

2019年4月 滋賀県長浜市

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長浜曳山まつり2019 其の一

2019-04-27 14:29:36 | 長浜曳山まつり

曳山祭りには昔ながらの狭い通りと瓦葺屋根が似合う。

 

ここは北国街道、しゃぎりが町を包み込む。

 

長浜では子供歌舞伎の上演を狂言執行と呼ぶ。

 

役者は5才から12才の男子。

 

 4月14日のお楽しみは「役者夕渡り」

 

 夜の7時になると八幡宮から各山組へ、

 

 子供役者が役柄に応じた歩き方で、

 

 ゆっくりと練り歩きます。

 

 昨年に引き続き今年も雨となり大手通りで規模を縮小してのお練りとなりました。

 

 ちょっと、休憩させてね。

 

お客さん多いな~ これは頑張らんと・・・

 

子供役者の熱演が始まった。

 

「常磐山」の外題は「一條大蔵譚」

 

 各地の地歌舞伎でも度々上演されるお馴染みの演目。

 

本外題は「鬼一法眼三略巻」 「一條大蔵譚」はその四段目。

 

公卿の大蔵卿が阿呆を装い周囲をあざむくお話し。 

 

 ここは志村けんのバカ殿様か、古いところでは天才喜劇役者藤山寛美を範としたいものだ。

 

 阿呆の大蔵卿が一転、聡明で凛々しい姿で本心を吐露。

 

 蛭ケ小島の頼朝や、まった鞍馬の牛若に、届けてくれよ大蔵が寸志の一品・・・

 

 一度よりも二度目、二度より三度、見るごとに惹きこまれてゆく芝居の奥深さ。

 

 観衆の熱いまなざしが子供役者へ一身に集まる。

 

 逢うたときの嬉しさより 今日の別れが御名残り惜しい

2019年4月 滋賀県長浜市

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長浜曳山まつり2019 序章

2019-04-18 22:49:43 | 長浜曳山まつり

 湖北長浜に春の訪れを告げるしゃぎりが流れる。

 

 桜を愛でながら町を散策すれば、

 

 祭り気分はいやがうえにも盛り上がる。

 

 山蔵から曳山のお出ましだ。

 

富樫が、

 

菊池半九郎が、

 

一條大蔵卿も、

 

そして、傾城宮城野が・・・ 「長浜曳山まつり」の始まりです。

2019年4月 滋賀県長浜市

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第385回・犬山祭 終章

2019-04-17 22:04:30 | 犬山祭

 春宵の宴が始まりました。

 

 お囃子の音が一段と高まり、

 

 手子の掛け声もろとも車山は提灯を揺らし動き出す。

 

 夜桜に映える夜車山の巡行。

 

 提灯は丸提灯、末広、弓張り、大提灯、ぶら提灯等合わせて365個。

 

 夜車山行事の起源は定かではないが、

 

 19世紀の初めには既にあったようだ。

 

 夜も更けた城下町の辻に車切の轟音が響く。

 

 「犬山里語記」はこう記す・・・

 

 夕暮より、其車山・練物等に提灯を灯し

 

 その数餘多にして誠に善美をつくしたる祭事也

 

 二日間にわたり全ての行事が滞りなく行われた今年の「犬山祭」

 

 各地から春の祭囃子が聞こえてまいります。 さて、どちらへ行こうか・・・

2019年4月 愛知県犬山市

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第385回・犬山祭 其の三

2019-04-15 21:55:24 | 犬山祭

 夜車山の準備が始まりました。

 

 「犬山祭」の見所は多いが提灯の取り付け作業は見逃せない。

 

 手子総動員で手際よく上山、中山、下山に吊り下げられてゆきます。

 

 夜車山曳出式が開催される犬山駅西口会場。

 

 からくり人形は役目を終え、車に乗って御帰還。

 

夕刻6時、 城前広場では提灯に点灯開始。

 

 徐々に点灯されてゆく提灯の数は365個。

 

 春霞の白帝城下に映える蝋燭の灯り。

 

 マジックアワーに提灯が揺らめき、

 

夜車山の巡行が始まります。

2019年4月 愛知県犬山市

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