普段は非公開の塔頭寺院「東海庵」
重厚な瓦屋根は城郭を思わせる。
「妙心寺」塔頭寺院の中でも由緒ある妙心寺四派の一つ。
「第52回・京の冬の旅・非公開文化財特別公開」の一環で5年ぶりに公開された「東海庵」
庫裡の吹き抜け天井は江戸時代初期に建立されたもの。
庫裡から書院への渡り廊下は広く、昔ながらの井戸が絶妙に配置されている。
「一掃除二信心」修行僧はこの井戸水で廊下の拭き清掃を行なったのだろう。
底冷えの禅寺廊下。
書院南庭は七坪の空間に一直線に並ぶ大小7個の石と、波紋を描くような白砂が印象的な坪庭。
一つの相にこだわらない無相。
一処にとどまらない無住。
一つの思いにかたよらない無念。
禅の庭に向き合えば心は落ち着く。
「東海庵」は趣の異なる三つの庭で知られる。
書院西庭「東海一連の庭」は史跡名勝。
自然石から切り出された一文字手水鉢が存在感を放つ。
これほど質素な庭があっただろうか・・方丈南庭の枯山水庭園は「白露地の庭」とよばれている。
築地塀に囲まれた庭面には一木一草も存在しない。
余計なものを極限まで削った潔さ。
世の中の多くのものは質素になればなるほど美しい。
2018年1月 京都市右京区