冷たい冬の雨があがった
浅野川沿いに昔ながらの風情ある茶屋や料理屋が立ち並ぶ主計町茶屋街
金沢市出身の文豪、泉鏡花の作品にも登場する
冬場は料理屋の軒先にも雪吊りが施され
この季節ならではの風情に魅了されてしまう
浅野川沿いの散歩道から一歩奥に入った路地
古き良き時代に旦那衆が人目を避け茶屋街に通った「暗がり坂」
坂を降りれば今宵一夜の別天地
重厚な木造建築は検番の名残
正面の石段は「あかり坂」命名は五木寛之氏 傍らの標柱に彼の言葉が刻まれている「暗い夜のなかに灯りをともすような美しい作品を書いた鏡花を偲んで」
♪謡曲がふるふる加賀宝生の~ 氷雨に濡れた石畳
浅野川は泉鏡花の出世作「義血侠血」の舞台 梅ノ橋のたもとに瀧の白糸碑がある
瀧の白糸は物語のヒロインで秀麗の水芸人であった
碑に刻まれた一節 「河は長く流れて向山の松風静かに渡る処、天神橋の欄干に凭れて」
♪忘れられよか天神橋の~ たもとに残る物語~ ああ~ あの女も~♪
♪あの女も~ おもいの糸の細白糸を~ かけるか遠い~ 都の空に~♪ 「加賀の女」by 北島三郎
2020年12月 石川県金沢市