落人も 見るかや野辺に若草の すすき尾花はなけれども 世を忍び路の旅衣
花道からおかると早野勘平が登場
おかるは矢絣に縦やの字帯の御殿女中のこしらえ
勘平は黒の紋付の着流しに東からげ 美しい菜の花畑の春景色、遠くに富士山が見える
両人とも旅支度で、場所は戸塚山中
判官刃傷のきっかけとなる手紙を渡してしまったおかる
彼女と逢引していたために大事の場に居合わせなかった早野勘平
勘平はしばしここで旅の疲れを休めようとお軽に言い
やがて二人は将来のことを語りあう
武士としての不心得、申しわけなさのあまり、ここで切腹して死にたい
このまま腹を切ればわたしも生きておれぬ
生きていればお詫びのかなう日もきっとこよう
ここの道理を聞きわけて、ひとまず私の在所へ参りましょう
身ごしらへするその所へ・・・
花道から高師直の家来、鷺坂伴内が花四天を引き連れて登場
勘平、おかるをこちらへ渡せ!!
よい所へ鷺坂伴内
おのれ一羽で食ひたらねど、勘平が腕の細ねぶか料理塩梅喰うて見よ
かねてより、おかるに横恋慕の鷺坂伴内はおかるを連れて行こうとするが
耳から切ろか、鼻からそごうか、いっそのこと・・・
追いかける伴内自ら幕を引くことになってしまう
お菓子のおひねりでフィナーレです
2023年10月 岐阜県各務原市