旅と祭りのフォトログ

さて、どちらへ行こう 風が吹く

村国座子供歌舞伎2023 仮名手本忠臣蔵  戸塚山おかる勘平

2023-10-16 05:11:29 | 村国座子供歌舞伎

落人も 見るかや野辺に若草の すすき尾花はなけれども 世を忍び路の旅衣

 

花道からおかると早野勘平が登場

 

おかるは矢絣に縦やの字帯の御殿女中のこしらえ

 

勘平は黒の紋付の着流しに東からげ 美しい菜の花畑の春景色、遠くに富士山が見える

 

両人とも旅支度で、場所は戸塚山中

 

判官刃傷のきっかけとなる手紙を渡してしまったおかる

 

彼女と逢引していたために大事の場に居合わせなかった早野勘平

 

勘平はしばしここで旅の疲れを休めようとお軽に言い

 

やがて二人は将来のことを語りあう

 

武士としての不心得、申しわけなさのあまり、ここで切腹して死にたい

 

このまま腹を切ればわたしも生きておれぬ

 

生きていればお詫びのかなう日もきっとこよう

 

ここの道理を聞きわけて、ひとまず私の在所へ参りましょう

 

身ごしらへするその所へ・・・

 

花道から高師直の家来、鷺坂伴内が花四天を引き連れて登場

 

勘平、おかるをこちらへ渡せ!!

 

よい所へ鷺坂伴内

 

おのれ一羽で食ひたらねど、勘平が腕の細ねぶか料理塩梅喰うて見よ

 

かねてより、おかるに横恋慕の鷺坂伴内はおかるを連れて行こうとするが

 

耳から切ろか、鼻からそごうか、いっそのこと・・・

 

追いかける伴内自ら幕を引くことになってしまう

 

お菓子のおひねりでフィナーレです

2023年10月 岐阜県各務原市

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村国座子供歌舞伎2023 「阿波の鳴門」「祇園小唄」「手習子」

2023-10-14 21:02:37 | 村国座子供歌舞伎

演目「阿波の鳴門」 

 

故郷を遥々ここに紀三井寺 巡礼に御報謝と言うも 優しき国訛り

 

父様の名は十郎兵衛 母様はお弓と申します

 

野に寝たり 山に寝たり 人の軒下に寝て とわっと泣き出す娘より 見る母親はたまりかね

 

わしも母様があるなら 髪結うて貰はうものと

 

引き寄せて 見れば見る程 胸迫り

 

知らねど誠の血筋 名残惜し気に 振り返り

 

父母の恵みも深き粉川寺 泣く泣く別れゆく

 

今別れては また逢うことはならぬ身の上

 

演目「祇園小唄」

 

日本舞踊のお稽古では

 

初心者の頃に誰もが通る唄

 

月はおぼろに東山

 

霞む夜毎のかがり火に

 

夢もいざよう紅桜

 

しのぶ思いを振袖に

 

祇園恋しや だらりの帯よ

 

祇園のお座敷が待っております

 

演目「手習子」

 

寺子屋帰りに道草をした美少女の踊り

 

桜満開の散歩道で手習草紙を片手に

 

恋に憧れる少女の初々しい舞姿

 

今を盛りの花の山 来ても三芳野花の蔭

 

あかぬ眺の可愛らし 遅桜まだ蕾なり

 

花娘寺子戻りの道草に てんと見事な色桜

 

ひな草結ぶ島田髷 はしたないやら恋しいやら

 

恋のいろはにほの字を書いて、それで浮名のちりぬるをわか

2023年10月 岐阜県各務原市

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村国座子供歌舞伎2023 「寿式三番叟」「瞼の母」

2023-10-12 22:02:01 | 村国座子供歌舞伎

各務の舞台に子供歌舞伎が帰って来た

 

4年ぶりに開催された「村国座子供歌舞伎」

 

各務原の秋を彩る風物詩

 

開幕を告げる「寿式三番叟」

 

女子による艶やかな舞姿

 

芝居小屋は華やいだ空気に包まれます

 

原作は長谷川伸、昭和6年に新歌舞伎として上演される

 

映画では昭和37年に東映で中村錦之助主演にて公開され人気を博した

 

歌謡曲では三波春夫の「忠太郎月夜」が寅さん好み

 

つらい浮世のしがらみ格子 義理が情けを通せんぼ 姿やくざにやつれていても 瞼はなれぬ母の顔

 

おかみさん 二十年前番場の宿に置いていかれた あんたの倅 忠太郎でござんす

 

それじゃ 覚えがねえとおっしゃるんでござんすかい 覚えがねえと・・・

 

そうだ今更恨んでみたって どうにもならねえ こうやって上と下の瞼を合わせりゃ

 

逢わねえ昔のやさしいおっかさんの面影が浮かんでくるんだ 逢いたくなったら 俺ァ瞼を つぶるんだ

 

何処へ飛ぼうと 番場のからす 西も東も 風まかせ 浮世旅笠 浮世旅笠 幾山越えて

 

今日も瞼の 母と行く おっかさーん

2023年10月 岐阜県各務原市

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村国座子供歌舞伎2019 其の四

2019-10-25 21:16:47 | 村国座子供歌舞伎

 筑波山岩屋決闘の部が始まりました。

 

 大歌舞伎「忍夜恋曲者 将門」の舞台では玉三郎が演じ、

 

 栃木県の那須烏山市で開催される有名な「山あげ祭り」では、

 

 歌舞伎「将門」の主役として必ず舞台に登場する瀧夜叉姫は特に人気が高いと聞く。

 

 ここは妖艶で強く美しい悲劇のヒロインで行きたい。

 

 後半の舞台は浦辺六郎末武との大立ち回りが見せ所。

 

 いざ、尋常に勝負勝負!!

 

 筑波山と言えば蟇蛙。

 

 この蟇蛙は美濃地方に度々出没し、コミカルなダンスも披露してくれます。

 

 ゲロ、ゲロ、ゲロ 主役は俺だ!!

 

 臼井荒太郎定光と相撲の勝負。

 

 かくなるうえは是非もなし、女ながらも瀧夜叉の切っ先、受けてみよ!!

 

 大詰めに源頼光が登場し、

 

 時節を待って旗揚げせよ と一同またの再会を約します。

 

 幕引きは錦絵のごとき絵面の見得。

 

 登場人物が動きを止め表現する美しさは様式美の極み。

 

 さすがは将門の息女瀧夜叉姫。 またの再会、さらば~ さらば~

 

 振付指導は美濃地歌舞伎でお馴染みの松本団女師匠。 粋な音を響かせるツケ打ちが芝居を引き締めます。

2019年10月 岐阜県各務原市

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村国座子供歌舞伎2019 其の三

2019-10-23 21:01:17 | 村国座子供歌舞伎

 秋の日は釣瓶落とし。

 

 芝居小屋に提灯が灯ると、

 

 芝居はいやがうえにも盛り上がる。

 

 「蟇妖術瀧夜叉姫 筑波山岩屋の場」

 

 物語は上品で艶やかな舞から始まる。

 

 敵方の源頼光を慕う良姫は瀧夜叉姫の妹。

 

姫君様、御注進! 御注進!

 

七草四郎兼定が味方はすべて滅ぼされ、

 

 すでに頼光の軍勢が押し寄せてきたと伝えるのであった。

 

 瀧夜叉姫の家来三島小女郎に捕らわれたのは浦辺六郎末武の妻姫松。

 

 瀧夜叉姫は平将門の息女、幼少の時、父将門が無念の討死と知るや唐士に渡り蟇の妖術を会得して、

 

 今は残党を集めお家再興の機会をうかがい、筑波山の古御所を住処としていた。

 

 我が野望、打ち砕かれしからには是非もなし。

 

姫松、早くこの場を落ち延びよ。

 

良姫の身の上、くれぐれも頼みおく。 この物語の泣かせどころです。

2019年10月 岐阜県各務原市

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