旅と祭りのフォトログ

さて、どちらへ行こう 風が吹く

垂井曳山まつり2024 其の四

2024-06-02 21:20:49 | 垂井曳山祭

三番山「鳳凰山」の神前奉芸です

 

芸題は「心中宵庚申 八百屋の献立」

 

近松門左衛門晩年の心中物の傑作

 

心中物と言えば大店の若旦那と遊女が登場する話が多いが

 

「心中宵庚申 八百屋の献立」は相思相愛の男女が心中する普通ではあり得ない物語

 

武家出身の養子半兵衛

 

女房の千代とは人も羨む相思相愛の仲

 

家を取り仕切っている後妻のおくま、ねじ曲がった性格の悪婆

 

半兵衛に色目を使い、邪魔になる千代を何度も追い出している

 

半兵衛に千代を離縁しなければ自分は死ぬと迫り、襦袢姿で店の前で物乞いをする有様

 

余談だが1984年放送のNHKドラマスペシャル「心中宵庚申」の予告映像を見ることができる

 

半兵衛役は滝田栄、千代に大地喜和子、おくま役は音羽信子 特に音羽信子の嫁いびり演技は見事

 

困り果てた半兵衛は千代に離縁状を渡し

 

追い出してしまいます

 

おくまは満足そうに化粧をして

 

半兵衛を口説きにかかります

 

一言で片付ければ、義母のハラスメントに耐えかね心中の道を選択した夫婦の物語

 

庚申待ちの宵、二人の心中に向かう道行です

 

半兵衛・・ 半兵衛・・

 

ありがとうございました~

2024年5月 岐阜県垂井町

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垂井曳山まつり2024 其の三

2024-06-01 22:26:06 | 垂井曳山祭

二番山「紫雲閣」が動いた

 

古式に則り「八重垣神社」拝殿前に寸分の狂い無く据え付けられる

 

芸題は「蝶千鳥曾我物語 中村閑居の場」

 

世間一般に「曾我物」とよばれ・・

 

曾我兄弟の仇討ちを題材にした歌舞伎演目の一つ

 

末の弟禅師坊が越後からやって来る

 

鳥目で夜になると目が見えない禅師坊

 

兄の十郎は五郎の勘当を解いて欲しいと嘆願するが

 

母満江は聞き入れない

 

母の満江に勘当されている五郎

 

勘当を解くため切腹の芝居をする兄弟

 

禅師坊が自害して親兄弟の最後の対面が叶う

 

兄の十郎は千鳥、弟の五郎は蝶・・ 仇討ちに臨む意気込みの証

 

華やかな絵面の見得でお開きです

 

オイサー! オイサー! 屋根上に陣取った青年の音頭で曳山は動き出す

 

やはり曳山には・・

 

昔ながらの狭い通りが似合う

 

この後も三回の客山舞台が待っている

2024年5月 岐阜県垂井町

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垂井曳山まつり2024 其の二

2024-05-30 19:19:58 | 垂井曳山祭

「八重垣神社」神前に集結した三基の曳山

 

今年の一番山は西町「攀鱗閣」

 

まずはお目出たい寿式三番叟の奉芸

 

芸題は「伽羅先代萩 御殿の場」

 

江戸時代に仙台伊達家で起こった伊達騒動を題材とした作品

 

各地の地歌舞伎、曳山舞台上で度々上演されている

 

毒饅頭の発覚を恐れ八汐は千松をなぶり殺し これでもか~ これでもか~

 

一見穏やかな表情の八汐

 

正体は残忍冷酷な悪者 変顔がいいね!

 

政岡は表情を変えずに鶴千代を守護し

 

その様子を見た栄御前は取り替え子であると思い込み、政岡に逆臣一味の連判の巻物を預ける

 

栄御前を見送った後、母親に返った政岡

 

不気味なり栄御前

 

毒見の役を果たした千松を褒めつつ、不憫を嘆いてその遺骸を抱きしめる政岡

 

でかしゃった! でかしゃった!

 

襲いかかって来た八汐を斬り、千松の仇を討って物語は幕となります

 

ありがとうございました~

 

神前奉芸を終え「攀鱗閣」は動き出した

 

中山道垂井宿通りを目指す

2024年5月 岐阜県垂井町

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垂井曳山まつり2023 北裏の舞台

2023-05-20 10:26:19 | 垂井曳山祭

中山道の面影を残す旅籠屋の辻

 

嫌じゃ! 嫌じゃ! 嫌じゃ! やっぱり嫌じゃ!!

 

本楽「鳳凰山」の締めは

 

「北裏の芸」と呼ばれる

 

場所は狭い路地の奥

 

東町山倉と愛宕神社に挟まれた場所に

 

熟練の技を駆使して山を曳込み

 

舞台を設える

 

飛行機雲が西に伸びていった

 

役者陣は余裕の雰囲気だ お菓子の差し入れは?

 

夕暮れ時は提灯と雪洞を灯し宵山の風情

 

江戸時代の垂井宿には

 

情緒豊かな芝居小屋が存在したかも

 

提灯の灯による幻想の舞台

 

褒美にお菓子をつかわす 僕はこの時期なら草餅がいいね

 

小生意気な小僧め

 

お菓子よりも愛がほしいのだ

 

ブルーモーメントの子供歌舞伎

 

中山道垂井宿に芝居小屋の風情

 

風薫る皐月の夢芝居です

2023年5月 岐阜県垂井町

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垂井曳山まつり2023 碁太平記白石噺 新吉原揚屋

2023-05-17 22:22:12 | 垂井曳山祭

ここは江戸の新吉原、煌びやか色香に誘われ今夜も男たちが訪れる

 

三番山中町「紫雲閣」

 

芸題は「碁太平記白石噺 新吉原揚屋」

 

太夫職という遊女の最高位、宮城野

 

田舎娘の信夫がやって来た

 

そなたはどこの生まれじゃえ あい、奥州の白石近在の逆井村です

 

そこに与茂作というお人が居たであろう・・ 与茂作は私のだだァさ

 

国を出るときにかかさんが持たせてくれた同じ八幡様のお守り

 

二人の姉妹は再会に喜び涙します よう尋ねてきてくれた、父さん母さんは元気かえ

 

信夫から父が殺されたこと、母も病で亡くなったことを聞いた宮城野は

 

驚きのあまり体調を崩す、信夫は姉を介抱して仇を討ちたいと訴えます

 

宮城野は借金のため十二歳で

 

廓に身を売り

 

父や母の死も知らずに暮らしていたのかと

 

嘆き悲しみます

 

二人は廓を抜け出そうとするが

 

花魁、どこへ行くのだ!!

 

今までの様子を聞いていた大黒屋惣六が登場し

 

早まるでない、お前たちの顔はまるで杜若と菖蒲のようによく似ておる

 

惣六は曽我物語を例えに、姉妹の血気を戒め、時期を待ち十分に修練してから仇を討てと諭します

 

餞に宮城野の年季証文と大門の切手を与え見送るのでした

2023年5月 岐阜県垂井町

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