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旅と祭りのフォトログ

さて、どちらへ行こう 風が吹く

長浜曳山まつり2025 其の五

2025-04-30 16:04:24 | 長浜曳山まつり

四番山「高砂山」の外題は「義経千本桜 河連法眼館の場」

 

振付は高名な市川団四郎師匠

 

「義経千本桜」は歌舞伎三大名作の一つに数えられるクラシック演目

 

「初音の鼓」を抱え静御前の登場です

 

鼓を打つ音に誘われるように

 

現れる狐忠信

 

鼓の音に聞き惚れる様子を怪しく思った静御前が問いただすと・・

 

親恋しさから人間に化けて静御前に付き添ってきたと白状します

 

狐忠信は雨乞いのために殺され「初音の鼓」の皮にされてしまった狐夫婦の子でした

 

ここからは狐忠信のダイナミックな所作が続きます

 

待ってました!! 海老反りの所作

 

「初音の鼓」は朝廷の宝物となり子狐は近づくこともできませんでしたが

 

宮中から義経の手を経て静御前の手元に預けられており

 

忠信に姿を変え親のそばに居られることを喜んでいたのです

 

子狐の親孝行心に感動した義経は狐忠信に「初音の鼓」を与えるのでした

 

義経は生後間もなく父親と死別し、親同然の兄との不仲を嘆きます

 

その時現れた駿河次郎は一の谷から屋島そして壇ノ浦にいたる平家との激戦の様を語るのでした

 

「禁裏より給はり大切の物なれども、これを汝に得さする」

 

「その鼓を下されんとや、ありがたや忝なや焦れ慕ふた親鼓、御辞退申さず頂戴せん」

 

「身の上に取り紛れ申す事怠ったり、一山の悪僧ばら、今宵この館を夜討ちにせんと企てたり、押し寄せさするまでもなし」

 

「わが天変の通力にて、衆徒を残らず謀って、この館へ引き入れ」

 

「また一時にかゝっし時、蜘蛛手かぐ縄十文字、あるひは右袈裟左袈裟」

 

「上を払へば沈んで受け、裾を払はばひらりと飛び」

 

「軽捷秘術は得たりや得たり、御手に入れて亡ぼすべし 必ずぬからせ給ふな」

 

狐忠信の両親へのひたむきな愛情を見せることで、骨肉の争いに明け暮れる人間の醜さを浮き彫りにした名作

 

ラストは駿河次郎の大あくびで幕となります(笑)

2025年4月 滋賀県長浜市

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長浜曳山まつり2025 其の四

2025-04-29 09:56:28 | 長浜曳山まつり

参番山「壽山」の外題は「仮名手本忠臣蔵 七段目祇園一力茶屋の場」

 

可愛らしい大星力弥が顔世御前からの密書を携え登場

 

そこへ高師直へ内通している斧九太夫が酒を飲もうと現れます

 

由良之助を見張るため潜り込んでいたのです

 

由良之助は九太夫に酔いが回って他愛もない世間話

 

この調子なら本当に討ち入りはなさそうだ、安心だ

 

「風に吹かれているわいな~」 艶やかにお軽さんのお出まし

 

ここで由良之助は受け取った密書を読み始めます 縁の下には斧九太夫

 

お軽はのべ鏡に写して盗み読み

 

梯子を使ってお軽を二階から下ろす由良之助

 

身請けの手続きに行く由良之助、何も知らないお軽は大喜び 七段目の見せ場です

 

颯爽と寺岡平右衛門が登場

 

美しすぎる遊女お軽

 

身請け話を聞きお軽が由良之助に殺されると覚ります

 

どうせ殺すなら自分が、とお軽に斬りかかる平右衛門

 

それを手柄に仇討ちの一味に加えてもらおう

 

驚くお軽 なんで急に・・

 

自分は夫がある身だし、年季があけたら勘平さんと暮らすんだから死ぬわけにはいかない

 

そして父親も、さらに勘平までが死んだと聞かされてショック

 

それならいっそのこと兄の手柄の役に立てて欲しい

 

死を覚悟します

 

この様子を窺っていた由良之助は平右衛門の思いをあっぱれとし、仇討ちの一味に加えたのでした

2025年4月 滋賀県長浜市

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長浜曳山まつり2025 其の三

2025-04-24 23:04:09 | 長浜曳山まつり

弐番山「鳳凰山」の外題は「玉藻前曦袂 三段目 道春館の場」

 

振付はお馴染みの岩井小紫師匠

 

藤原道春の館には後室の萩の方と姉の桂姫、妹の初花姫が暮らしています

 

そこへ薄雲皇子の許からの上使・鷲塚金藤治が訪れる

 

金藤治は萩の方に獅子王の剣か桂姫の首どちらかを差し出せと迫ります

 

実は桂姫は実の娘ではなく五条坂で拾った子であることを明かし

 

神から授かった子を殺すわけにはいかず

 

二人の双六勝負で決めるよう言い渡します

 

勝負は桂姫の勝ちに終わり

 

初花姫は首をさしのべます

 

ところが、

 

金藤治が斬り落としたのは桂姫の首

 

萩の方は憤り

 

長刀でもって立ち向かいますが

 

あえなく抑え込まれてしまいます

 

この様子を見ていた釆女之介

 

金藤治を刺すと・・

 

金藤治は苦しい息の中で、事の真相を語り始めます

 

実は桂姫こそ金藤治の娘であること

 

育ての親である萩の方への恩義のため桂姫を討ったこと

 

獅子王の剣は自分が盗み出したことを告白するのでした

 

釆女之介は獅子王の剣を奪い返すべく立ち上がり皇子の館へ向かうのでした

 

泥濘に轍を刻み境内を後にする「鳳凰山」

 

雨をしのげるアーケード商店街の「米嘉例席」は満員御礼でした

2025年4月 滋賀県長浜市

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長浜曳山まつり2025 其の二

2025-04-22 21:13:16 | 長浜曳山まつり

壱番山「猩々丸」の外題は「加賀見山旧錦絵」

 

まずは、お目出たい三番叟から

 

御館の大姫は大切にする旭の尊像を老女の局岩藤を差しおいて、若くて気だての良い中老の尾上に預ける

 

岩藤の腰元桐島が登場し竹刀での立ち合いとなるが

 

尾上に仕えるお初は立ち合いで桐島を打ち負かしてしまう

 

面目をつぶされた岩藤

 

尾上はお家の重宝である蘭奢待の香木の預かり役を勤めていた

 

しかし、香箱を開けてみると

 

何と、岩藤の草履の片方が入っていた

 

わざと草履を箱に入れて犯人に仕立てたと岩藤は騒ぎ立て、

 

証拠の草履で尾上を滅多打ち

 

罪を着せられ辱められた尾上は、草履を握りしめながら御殿を下がる

 

尾上の実家に使いに出たお初は途中で胸騒ぎを覚え屋敷へ引き返します

 

遅かったか・・ 主人の無念をかみしめるお初

 

尾上はお初を使いに出したあと、懐剣を胸に突き立てていた

 

お初は岩藤の悪事を知らせる書置きと草履を持ち

 

恨み重なる岩藤のもとへと向かう

 

白黒の着物に和傘が似合う悪女岩藤 これが歌舞伎の様式美

 

お初が「頭痛に効く特効薬!!」と言って岩藤の頭に乗せたのは因縁の草履

 

岩藤はお初に斬りかかり激しく争うが、ついにお初に討ちとられる

 

お初は二代目尾上として中老に取り立てられることとなった 目出度し、目出度し

 

神前奉芸を終え「猩々丸」は旧市街地を目指し舵を切る

2025年4月 滋賀県長浜市

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長浜曳山まつり2025 其の一

2025-04-20 14:45:44 | 長浜曳山まつり

湖国長浜に春の訪れを告げる華やかな一大絵巻

 

4月15日(本日)の朝は「長刀組太刀渡り」が行われる

 

源義家の長濱八幡宮参の姿を模したものと言われ

 

力士に先導された子供武者が八幡宮を目指す

 

八幡宮境内の花手水が美しい

 

八幡宮の祭礼は豊臣秀吉が太刀渡りを町年寄十人衆に行わせたことに始まる

 

2メートルから3メートルもある木製の巨大な太刀を帯びた子供たち

 

晴れやかな空気に包まれた境内

 

プレス関係のカメラもスタンバイ

 

湖北の桜が祭りに彩を添えます

 

天気予報によれば午前中は晴れ時々曇り、昼過ぎから強風を伴った雨とのこと

 

神前奉芸の曳山は雨天仕様

 

今年の壱番山は「猩々丸」

 

「しゃぎり」が狂言の執行を告げる

 

総当番の長老は金棒を持ち仁王立ち

 

出航準備OK!!

 

「翁招き」の行事が終わると

 

壱番山より神前奉芸が始まります

2025年4月 滋賀県長浜市

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