近畿地方の古墳巡り!

歴史シリーズ、第九話「近畿地方の古墳巡り」を紹介する。特に奈良盆地・河内平野の巨大古墳・天皇陵の謎などを取上げる。

草津市の狭間遺跡とは!

2009年03月28日 | 歴史
狭間遺跡は草津市矢橋町に所在し、浜街道と矢橋北交差点周辺に位置している。

遺跡の北側を流れる北川の南側に形成された微高地上に立地し、古墳時代においては、当時の湖岸汀線近くにあたると見られる。







写真は、本遺跡跡地に建てられた草津総合病院とその周辺及び当時の発掘調査現場。

過去3回発掘調査が実施されており、主に古墳時代前期の溝跡や土坑が検出されている。

今回の調査では、これまでの狭間遺跡の発掘調査で確認されていた古墳時代前期ならびに平安時代の遺構とともに、古墳時代中期後半~後期初頭頃(5世紀後半~6世紀初頭頃)の3基の古墳を検出した。

3基の古墳は、いずれも後世の土地利用の変化によってその盛土が削り取られ、古墳として区画するための周濠のみが痕跡として地表下に残されていた。

このため、古墳築造当時の盛土や被葬者が葬られる施設などを検出することはできなかったと云う。







写真は上から、狭間遺跡周濠の木製品出土状況、出土した鳥形木製品及び刀形木製品。

古墳の周濠からは、古墳の築造当時に墳丘上に立て並べられた埴輪(円筒埴輪・朝顔形埴輪・形象埴輪)の破片のほか、墳丘上や古墳の周囲で使用された各種の木製品が多数出土。

特に、1号墳・3号墳の周濠からは、鳥形・刀形などの「木製祭具」が見つかった。


「木製祭具」とは、古墳の墳丘上やその周囲に、土製の埴輪と併用して立並べ、外界とその内側を結界し、内部を聖域化するとともに、古墳やその被葬者の権威を示すものや、古墳上で一時的に執り行われた儀礼行為に用いられた祭具なども含まれていると考えられている。

県内では、守山市服部遺跡内の19号墳・23号墳等や野洲市の林ノ腰古墳・栗東市椿山古墳・狐塚3号墳等でも見つかっているが、狭間遺跡の古墳から出土した木製品は、これらに比べ、その種類が豊富で、古墳時代中頃における首長層の葬送儀礼や古墳築造当時の姿を、復元・研究する上で貴重な資料。




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