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近畿地方の古墳巡り!

歴史シリーズ、第九話「近畿地方の古墳巡り」を紹介する。特に奈良盆地・河内平野の巨大古墳・天皇陵の謎などを取上げる。

旧石器遺跡:青森で史跡指定へ 発掘捏造後は東北初!

2012年12月01日 | 歴史
更に最先端の遺跡情報をお届けします。

東北旧石器文化研究所(解散)の元副理事長による発掘捏造問題に絡み、宮城県大崎市の座散乱木遺跡の国史跡指定が2002年に取り消された後、東北地方では初めてとなる旧石器遺跡の史跡指定を、文化庁が検討していることが平成24年5月12日、分かった。

対象は、後期旧石器時代から縄文時代草創期にまたがる青森県蟹田町の「大平山元遺跡群」。

捏造を見抜けなかった教訓を踏まえ、文化庁内に設置した有識者検討会で遺物の年代測定などの科学的検証や指定範囲の検討を進め、今秋にも文化審議会に諮問する。

東北の旧石器研究は、史跡指定の取り消しや日本史教科書からの記述削除などで一時信頼が揺らいだ。

ところで、青森県蟹田町の大平山元遺跡は、津軽半島中ほどの蟹田町西外れに所在し、旧石器時代(約16,000年前)から縄文草創期(約13,000年前)にかけての遺跡。

昭和46年に発見された一本の磨製石斧がきっかけとなり、発掘調査の結果、旧石器時代末期の特徴な磨製石斧と同じ包含層から土器片が検出された。

土器を伴わない段階と見られていた、旧石器末期に土器が発見されたことから“歴史的事件”として大いに注目された。





写真は、現在の遺跡現場光景。

大平山元Ⅰ遺跡は私有畑地にあり、文様の全くない親指大の土器片が30点ほど検出され、他方大平山元Ⅱ遺跡は八幡宮境内にあり、地層・石器形態から約16,000年前のモノと見られる数多くの石器類のほか、石で囲った炉跡・焼け石なども見つかっている。

これらの発見は東北縄文文化の幕明けを物語る一大発見として脚光を浴びた。











写真は上から、石斧など石器類・槍先形尖頭器・削器・石刃など・両面調整石器など。

これらの石器類は大平山元Ⅱ遺跡から出土した旧石器時代のもので、遺跡現場付近から採取できる頁岩製で、今日でも境内の地表面から当時の石器片が顔を出していると云う。

石器工房跡かもしれない。

当時の人々の生活痕跡が窺い知れる。





写真は、石器類及び土器片。

大平山元Ⅰ遺跡から出土した土器細片は、無文で隅丸形の平たい底部を持つ鉢形土器と見られ、これまで日本列島各地に分布していた、口縁部に「隆起線文」を持つ縄文草創期の土器とは異なる。

むしろ縄文草創期の隆起線文付土器に先行する祖源的土器と見られ、同一地層から出土した石器と見合う旧石器時代末期の土器と考えられる。

日本最古段階の土器と考えられ、樺太・北海道経由の北方ルートを辿り、遠くシベリアに土器起源を求める可能性を示すものとも云えるが、未だ大陸側には1万年以上古い土器の発見例がないと云う。

いずれにしても津軽半島には縄文文化黎明期を受け入れる文明力が十分備わっていたことを意味する、極めて貴重な発見であった。







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