<新・とりがら時事放談> 旅・映画・音楽・演芸・書籍・雑誌・グルメなど、エンタメに的を絞った自由奔放コラム
宇宙エンタメ前哨基地



昨年の暮。
ふとバカバカしくなってアマゾンのプレミアム会員を解約した。

「ちょっと早く送ってもらうだけでなんで金払わんとアカンねんな」

と思ったこともあるが、なんでもかんでも通販のアマゾンになんとなく疑問を感じたからでもあった。
折しもヤマト運輸の宅急便の価格が上がるのどうのと話題になっていたときでもあり、アマゾンスタイルの通販そのものに疑問を感じ始めていたのであった。

それまでは何でもかんでもアマゾンでチェックして書籍なんぞを買っていた。
書店で探すよりも簡単に見つかるし、簡単に発注できるからでもあった。
例えばその昔、ちょっとした洋書を買おうと思うと大阪市内の旭屋書店、紀伊國屋書店、丸善の洋書コーナーに出かけて、

「すいません。スター・トレックのテクニカルマニュアルを取り寄せてもらえないですか」

と頼んだとしよう。
店員さんが差し出す伝票に書籍名と出版社などを記入して渡す。

「届いたら連絡しますね。でもお待ち下さい」

で、実際に届くまで半年ほどかかることはザラなのであった。
しかも価格は安くない。
10USドルの本が2000円以上したものだ。
為替レートのアップダウンはたしかに影響したが、最も大きなものは手数料の影響なのであった。
アマゾンが日本に進出してそれが一変。
10USドルの本は1200円ぐらいで売られるようになった。
つまり米国、日本の価格差がほとんどなくなった。
さらに注文したら遅くとも1週間もあれば到着した。
書店で買っていた頃とは雲泥の差だ。

書籍を頼むのなら消耗品もアマゾンで買うようになった。
例えばインクジェットプリンターのインクカートリッジ。
今もそうだがインクカートリッジはアマゾンが一番安い。
販売店の仕入システムの中身をお客さんの事務所で覗いたことがある。
なんとなんと、インクジェットカートリッジはアマゾンの小売価格のほうが卸売価格よりも安いことが少なくない。
一体どういう仕組にあっているのだろうか。
未だ謎でもある。

このように、安くて便利。
早いし簡単。
お店に足を運ぶ必要はもちろん全くない。

知らず知らずのうちに、なんでもアマゾンで買うようになって、それが当然のようになってしまっていたのであった。

アマゾン中毒。

この状態からの脱出が絶対に必要だと思った。

「書籍販売の4分の1はアマゾンだ」

そんなことを知ったのは4年ほど前にアマゾンの裏を描いたノンフィクションを読んだときであった。
それってちょっとおかしくはないか。
何故かこの時、私は商品というものは現物を見て、中には説明することの出来る店員さんがいるリアル店舗で買わなければならないのだ。
と思ったのだった。

以来私は書籍は近所の書店か大阪市内の大型書店。
目的の本が見つからない時は書店のWEBサイトに接続してお取り寄せ。受け取るのはリアル店舗のカウンター。
クレジットカードは一切使わない。
現金だけ。

書店を歩き、家電店を歩き、ものに触れ、人と触れ合う。

アマゾンを使うのをやめようなんて言わない。
でも、なんでもかんでもアマゾンもいかがなものか。
アマゾン中毒は買い物のホントの楽しさを失わせる副作用があることに注意が必要だ。

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )



« 寝るときの習慣 退職金の謎 »
 
コメント
 
コメントはありません。
コメントを投稿する
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。